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米SF界の巨匠ハインラインの未訳長編『明日をこえて』がついに邦訳!

ロバート・A・ハインライン著『明日をこえて』(訳:内田昌之さん)

ロバート・A・ハインライン著『明日をこえて』(訳:内田昌之さん)

ロバート・A・ハインラインの生前刊行されたなかでは唯一の未訳長編である問題作『明日をこえて』(訳:内田昌之さん)が扶桑社より刊行されました。装画は加藤直之さんが担当。

 

ロバート・A・ハインラインの初期長編を邦訳

昨年、『夏への扉』が山崎賢人さん主演で映画化されるなど、没後30年以上経った今もなお世界中で愛されている巨匠ハインライン。『宇宙の戦士』『月は無慈悲な夜の女王』は、「機動戦士ガンダム」のアイディアの元になったとも言われており、彼の名作の数々が後世に与えた影響は計り知れません。

 
そしてこの度、そのハインラインの初期長編“Sixth Column(The Day After Tomorrow)”(1949年/雑誌掲載は1941年)の邦訳版『明日をこえて』が発売されました。

 
物語は、アメリカが〈パンアジア帝国〉に軍事征服され、米軍の秘密研究所で生き残ったチームが、その科学力を駆使して、奇想天外なゲリラ戦を展開する、というもの。

超科学を魔法のように使う演出はクラシックSFの味わいがありますが、アジア系への恐怖に裏打ちされた黄禍論的な側面から、この作品のみ邦訳が見送られてきたと思われます。しかし、ハインラインらしいバランス感覚や公正さ社会観に裏打ちされており、世界が差別や戦争の問題に直面する現在だからこそ読まれるべき作品といえます。

 
装画を担当したのは、日本のSFアートの第一人者であり、ハインラインの『宇宙の戦士』(ハヤカワ文庫SF)でパワードスーツを描いたイラストレーターの加藤直之さん。緊迫感のある迫力のイラストに仕上がっています。

 

著者プロフィール

著者のロバート・A・ハインライン(Robert A. Heinlein/1907-1988)は、米ミズーリ州に生まれ、海軍兵学校を経て士官となる。結核により1934年に軍を除隊。以後、職を転々としながら政治家を目指すも州議会議員に落選。

その後、作家に転じ、1939年にSF作家としてデビュー。1941年に本書を雑誌連載(単行本は1949年出版)。SFジャンルを代表する作家となり、ヒューゴー賞長編賞を4度受賞した。

 

明日をこえて (海外文庫)
ロバート・A・ハインライン (著), 内田 昌之 (翻訳)

 


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