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2500年変わらない、人が戦争に導かれる原理とは? 『人はなぜ戦争を選ぶのか』が刊行 ウクライナ危機、米中対立、そして訪れるかもしれない世界大戦――今と未来の危機に向き合うヒント

『最古の戦争史に学ぶ人が戦争に向かう原理 人はなぜ戦争を選ぶのか』

『最古の戦争史に学ぶ人が戦争に向かう原理 人はなぜ戦争を選ぶのか』

文響社は、最古の戦争史から今も変わらない本質を読み解く『最古の戦争史に学ぶ人が戦争に向かう原理 人はなぜ戦争を選ぶのか』を刊行しました。

 

今こそ読みたい、驚くほど普遍的な「最古の戦争史」

紀元前460年、ギリシア文明を崩壊させるほど甚大な被害をもたらした「ペロポネソス戦争」。
その戦争を記録した『戦史』(トゥキュディデス著)は、人類最古の歴史書の一つと言われています。

 
そこに描かれるのは、人々を戦争に導く指導者たちの演説や、無謀な作戦にもかかわらず熱狂していってしまう市民たち。
そして当然のように侵攻する強国と、それに抵抗する国々。

登場する人物たちの言動は、2500年前のものとは思えないものばかりで、その普遍性ゆえに、『戦史』は今でも地政学や政治学の基礎教養となっています。

 
本書では『戦史』から6つの重要箇所を、親しみやすい日本語へと新訳し、巻末には茂木誠さんの解説を加えています。

ウクライナ危機や、今後起きうる米中対立にも当てはまる、「人が戦争に向かう原理」。
戦争が他人ごとではない今こそ読みたい、色あせない古典です。

 

『戦史』の内容は、未来の「米中対立」の構図と同じ? 「トゥキュディデスの罠」とは?

新興国家が力を伸ばすと、それまで世界を率いていた覇権国家と必ず対立する――。

アメリカの政治学者、グレアム・アリソンが提唱したこの法則は、歴史上最も多い戦争勃発のパターンとされ、『戦史』の著者の名前にちなんで「トゥキュディデスの罠」と呼ばれています。

 
近年では、アメリカと中国がこの「トゥキュディデスの罠」に陥らず激突を避けられるかが議論の的となっています。
そんな法則の原点となっているのが、『戦史』に描かれる覇権国家スパルタと、新興国家アテネの対決です。

本書を読むと、歴史的に最も典型的とされる「戦争が始まる経緯」や、国民・指導者がたどる感情の変遷も見えてきます。

民衆の前で戦争の必要性を説く古代ギリシアの指導者

民衆の前で戦争の必要性を説く古代ギリシアの指導者

 

本書の構成

序章  ペロポネソス戦争と『戦史』

第1章 指導者はどのようにして戦争を正当化するか?

第2章 国のために命をかけることをどう捉えるか?

第3章 戦争の責任は誰にあるのか?

第4章 正義を貫くべきか? 目の前の実利をとるべきか?

第5章 強国が侵攻してきたとき、抵抗するか? 降伏するか?

第6章 敗色濃厚な作戦に対し、なぜ逆に熱狂してしまうのか?

特別解説 茂木誠 時代を超えた教訓に満ちた『戦史』

 

著者プロフィール

 
■著者:トゥキュディデス
紀元前460年頃‐紀元前400年頃。古代ギリシアの代表的歴史家の一人。紀元前430年から2年あまりアテネで流行した疫病を生き抜き、生涯を『戦史』の執筆に費やした。

 
■編者:ジョハンナ・ハニンクさん
ブラウン大学の准教授。著書に『古典的負債:耐乏の時代におけるギリシアの古代性』。ロードアイランド在住。

 
■訳者:太田雄一朗さん
上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。海外スポーツニュースの翻訳、スポーツ関連の原稿の執筆、日本本サッカー協会、Jリーグなど各種スポーツ団体のWebサイト制作に携わる。

 
■解説:茂木誠さん
ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系YouTuber。学習参考書のほか、一般向けの著書に『世界史で学べ! 地政学』(祥伝社)、『「戦争と平和」の世界史』(TAC)、『政治思想マトリックス』(PHP)など。

 

最古の戦争史に学ぶ 人が戦争に向かう原理 人はなぜ戦争を選ぶのか
トゥキュディデス (著), ジョハンナ・ハニンク (編集), 茂木誠(解説), 太田雄一朗 (翻訳)

戦争に疑問を感じるすべての人へ
2500年変わらない、人が戦争に導かれる原理とは?
ウクライナ危機・米中対立にも共通する、人間の本質を映した
人類最古の戦争史『戦史』が分かりやすい新訳で登場!

人類最古の戦争記録である『戦史』は、栄華を誇った古代ギリシア世界を衰退へと導いた大戦争・ペロポネソス戦争を克明に記録した歴史書です。
人は何を懸けて戦争に向かうのか?
国のリーダーはどのように戦争の必要性を説くか?
敗色濃厚な作戦でも、国民はなぜ戦争を支持するのか?
強国に侵攻されたとき、抵抗するべきか? 降伏するべきか?

そこに書かれているのは、2500年経った現代でも何一つ変わらない、人間の本質を映す言葉と行動の数々。
その普遍性から、『戦史』は世界中の政治学者や地政学者が学び、未来予測にも用いてきました。
著者のトゥキュディデスは、戦争の法則を表す地政学上の概念「トゥキュディデスの罠」の名前の由来にもなっています。

※トゥキュディデスの罠:新興国が勢力を伸ばすと、それまで勢力を誇っていた覇権国との間に摩擦が生じ、衝突が起こるという地政学上の概念。世界史上の戦争勃発のなかで多数を占めるパターンとされ、『戦史』のなかでのアテネとスパルタの構図を、米中対立に当てはめて考えることができる。

本書はその『戦史』から、特に象徴的とされる6つの演説部分だけを抜粋し、分かりやすい言葉で新たに翻訳しなおした1冊。
巻末には、『戦史』から何を読み解き、未来の平和に生かすべきか、茂木誠氏の特別解説も収録!

ウクライナ危機、米中対立、そして訪れるかもしれない第三次世界大戦――
戦争が他人ごとではない今だからこそ読んでおきたい、「人と戦争の本質」を知るための色あせない名著です。

 


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