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あの、つげ義春さんがフランスに!? 82歳での初海外に密着した『つげ義春 名作原画とフランス紀行』が刊行 1966~70年の名作7篇の「原画」も掲載

 『つげ義春 名作原画とフランス紀行』(著:つげ義春さん・つげ正助さん・浅川満寛さん)

『つげ義春 名作原画とフランス紀行』(著:つげ義春さん・つげ正助さん・浅川満寛さん)

つげ義春さんの82歳での初海外に密着した「旅」パートと、1966~70年の名作7篇の「原画」パートからなる 『つげ義春 名作原画とフランス紀行』(著:つげ義春さん・つげ正助さん・浅川満寛さん)が新潮社より刊行されました。

 

事前には関係者さえ半信半疑だった、奇跡の旅のいきさつとは? 現地でのポートレート写真も満載

つげ義春さんといえば、今年、日本芸術院に新設されたマンガ部門の新会員に選出されたことで話題になりました。近年は各国語版の作品集が次々に刊行され、海外での評価もにわかに高まっています。

その象徴が、2020年のアングレーム国際漫画祭での受賞。人前に出ることを嫌うつげさんが、なんとフランスに飛び、多くの人々が見守る授賞式の壇上で、特別栄誉賞のトロフィーを受け取ったのです。

 
本書はその初海外旅行の様子を、旅立ちから帰国まで完全密着リポートで伝えます。授賞式で手を振る姿をはじめ、現地でのポートレートを多数掲載。同行した息子・正助さんの談話、帰国後のつげさんへのインタヴューも貴重です。

 
また、国際漫画祭の前年、フランスのフリーペーパー「ZOOM JAPON」のつげ義春特集に掲載されたインタヴューを本邦初訳。海外メディア初の本人取材であり、仏語版・英語版の全集刊行を機に、つげ作品への注目度が上がったことがよく分かります。

 
さらに、本書のもう一つの目玉は、名作を原画の形で読めることです。アングレームでも、つげさんの原画展が開催され、老若男女でにぎわいました。本書では、1966~70年に『ガロ』に発表された作品群のうち、「李さん一家」「海辺の叙景」「もっきり屋の少女」など7作の原画を、初めて全頁掲載します。

 
カバーはパリのポン・ヌフで撮影されたポートレート。初版のみ、つげさんの自筆メッセージ入りの帯が付きます。

 

本書の構成

 
つげ義春、フランスを行く
仏誌「ZOOM JAPON」インタヴュー
「目立ちたくないんです」
パリ、アングレーム同行記
浅川満寛
フランスでの原画展と父の作品について
つげ正助
つげ義春、帰国後に語る

 
原画で読む七つの名作

ほんやら洞のべんさん
長八の宿
もっきり屋の少女
李さん一家
やなぎ屋主人
海辺の叙景

 

著者プロフィール

 
■つげ義春(つげ・よしはる)さん
マンガ家。1937年生まれ。東京都出身。小学校卒業後、メッキ工場などで働き、1954年にマンガ家デビュー。

1960年代後半から70年にかけて「月刊漫画ガロ」に発表した諸作は、マンガ史の画期をなす。1987年以降、新作は発表していないが、2020年にアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞するなど、その作品群は海外でも評価が高い。『つげ義春 夢と旅の世界』ほか一連の作品により、2017年度日本漫画家協会賞大賞を受賞。2022年、日本芸術院に新設されたマンガ部門で同院会員となる。

 
■つげ正助(つげ・しょうすけ)さん

1975年生まれ。東京都出身。つげ義春・藤原マキ夫妻の一人息子。

2020年にアングレームで開催された原画展「つげ義春 いて、いない」のために尽力するなど、近年は父のマネージャー的役割をつとめる。

 
■浅川満寛(あさかわ・みつひろ)さん

1965年生まれ。神奈川県出身。1992年より「月刊漫画ガロ」「まんだらけ」「アックス」の編集者として、つげ義春さん・辰巳ヨシヒロさん・平田弘史さんらを担当。

現在はインドのマンガ誌「VERITE」のエディトリアル・アドバイザーを務め、海外に劇画を広める活動も行なっている。

 

つげ義春 名作原画とフランス紀行 (とんぼの本)
つげ 義春 (著), つげ 正助 (著), 浅川 満寛 (著)

国際漫画祭に招かれて82歳の初海外、その全旅程に密着。さらに「海辺の叙景」等7作の原画を全頁掲載。新たな「つげ義春」を発見!

 


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