【第42回 横溝正史ミステリ&ホラー大賞】優秀賞に鵺野莉紗さん「狭間の世界」、読者賞に荒川悠衛門さん「めいとりず」
KADOKAWAは4月21日、公募の新人文学賞「第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」の選考結果を発表しました。
第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞が決定!
第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の選考会が4月21日午後3時よりリモートにて行われ、応募総数487作品の中から最終選考に残った4作品のうち、選考委員の審査により次の通り決定しました。
<第42回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 受賞作品>
【大賞】(正賞:金田一耕助像 副賞:賞金500万円)
該当作なし
【優秀賞】(賞金30万円)
鵺野莉紗(ぬえの・りさ)さん〔静岡県浜松市出身〕
「狭間の世界(はざまのせかい)」
【読者賞】(正賞、副賞ともになし)
荒川悠衛門(あらかわ・ゆうえもん)さん〔静岡県富士市出身〕
「めいとりず」
※一般から選ばれたモニター審査員により最も多く支持された作品に与えられます。
選考委員は、綾辻行人さん、有栖川有栖さん、黒川博行さん、辻村深月さん、道尾秀介さん。
選評は『小説 野性時代』7月号(6月25日配信)に掲載される予定です。また、受賞作は、KADOKAWAより2022年秋頃に刊行される予定です(刊行形態は未定です)。
第42回 横溝正史ミステリ&ホラー大賞 受賞作について
【優秀賞】「狭間の世界」
32年間、正体不明の灰色の雲に覆われている北海道不思子町。小学六年生の遠野葵は、同級生の落合紫子と秘密の友人関係だった。あるとき、紫子の病死した母の記事が雑誌に暴露され、紫子宅の飼い犬が虐殺される。これを葵による裏切りだと誤解した紫子は転校してしまう。同時期、町では相次いで住民が失踪する事件が起き、学校には新しい担任教師・狭間百合がやってくる。
葵は狭間が全ての犯人ではないかと疑念を抱く。調べるうちに、狭間が小学校でのテロ事件を計画していると知ると、葵はその本性をクラスメイトの前で暴露する。しかし、狭間は動揺する生徒達を前にして、自分は「落合紫子」だと告げて……。
<著者略歴>鵺野莉紗(ぬえの・りさ)さん
1991年10月11日生まれ。静岡県浜松市出身、埼玉県志木市在住。現在、ポーランド滞在中。女性。早稲田大学大学院卒業。現在フリーランス。
【読者賞】「めいとりず」
シュウトは兄のカケルとの電話のあとで、百足の化け物に襲われる。辛くも逃れた彼は、兄が行方不明になっていることを知る。行方を探して幼馴染のサヤカと共に調査を開始したシュウトは、その過程で奇妙な探偵社に勤めるメイとリズに出会う。
メイは多発している異形の事件から『カオス』と呼ばれる大災害を予見、対策のために怪人『イカ』に協力を請う。一方で、シュウトのところには再び百足の化け物が迫っていた……! 異形たちの正体は何なのか、大災害はいつ到来してしまうのか。百足の気配を感じつつ、消えた兄の調査を続けるシュウトたちは、兄と交際していた謎の女性・ミヨのもとにたどり着くのだが……。
<著者略歴>荒川悠衛門(あらかわ・ゆうえもん)さん
1987年2月18日生まれ。静岡県富士市出身、静岡県富士市在住。男性。現在書店員。
横溝正史ミステリ&ホラー大賞について
横溝正史ミステリ&ホラー大賞は、KADOKAWAの新人文学賞として、ともに四半世紀以上の歴史を持つ「横溝正史ミステリ大賞(第38回まで)」と「日本ホラー小説大賞(第25回まで)」を統合し、ミステリとホラーの2大ジャンルを対象とした新たな新人文学賞として2018年2月に創設(横溝正史ミステリ大賞の回数を通算し、第39回からとしています)。
50余年にわたり推理・探偵小説を精力的に執筆し続け、また怪奇・ホラー小説にも親和性が高い横溝正史さんの名を冠し、エンタテインメント性にあふれた、新たなミステリ小説またはホラー小説を公募する文学賞です。
対象となるのは、広義のミステリ小説、又は、広義のホラー小説。年齢・プロアマは不問。ただし未発表の作品に限ります。原稿は、40字×40行で50枚以上175枚以内。手書き原稿は、400字詰め原稿用紙200枚以上700枚以内。
【関連】
▼横溝正史ミステリ&ホラー大賞 | KADOKAWA
◆浅野皓生さん「第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞」優秀賞受賞作『責任』が書籍化 | 本のページ
◆【第23回『このミステリーがすごい!』大賞】土屋うさぎさん「謎の香りはパン屋から」が大賞を受賞 文庫グランプリに松下龍之介さんと香坂鮪さん | 本のページ
◆【第四回ステキブンゲイ大賞】審査員特別賞に榎本まうさん「AとBとCとD」 | 本のページ
◆【第11回新潮ミステリー大賞】二礼樹さん「悪徳を喰らう」が受賞 | 本のページ