「第42回日本SF大賞」最終候補作が決定 よしながふみさん、高山羽根子さん、久永実木彦さん、高野史緒さんらの計6作品
日本SF作家クラブは、SFとして優れた作品に贈る「第42回日本SF大賞」の最終候補作を発表しました。
「第42回日本SF大賞」最終候補6作品が決定!
日本SF作家クラブ会員および一般のファンや読者がエントリーした作品の中から、日本SF作家クラブ会員の投票により、次の6作品が最終候補作となりました。
<「第42回日本SF大賞」最終候補作>
◎『大奥』(よしながふみ/白泉社)
◎『暗闇にレンズ』(高山羽根子/東京創元社)
◎TVアニメ「ゴジラS.P<シンギュラポイント>」(東宝)
◎『七十四秒の旋律と孤独』(久永実木彦/東京創元社)
◎『ポストコロナのSF』(日本SF作家クラブ編/早川書房)
◎『まぜるな危険』(高野史緒/早川書房)
なお、最終選考会は2022年2月下旬の予定です。選考委員は、草上仁さん、小谷真理さん、白井弓子さん、三雲岳斗さん、森岡浩之さん。
日本SF大賞について
日本SF大賞は、日本SF作家クラブが1980年に創設し、主催している賞です。毎年9月1日から翌8月31日までの1年間に発表された作品を対象としています。
第34回より、候補作選出にあたって「エントリー制」を導入。日本SF作家クラブ会員だけでなく、一般のファンや読者も、同等の権利でエントリーに参加できます。
エントリーされた作品のなかから、日本SF作家クラブ会員の会員投票によって、5作品ほどの最終候補作品が選ばれます。そして、「選考委員の討議」により、最終候補作品のなかから日本SF大賞が決定します。
エントリーできる作品は「出版物や映像作品、および現実に起きた出来事や製品も含む」となっており、「はやぶさ帰還」などの出来事や、「ボーカロイド」「ASIMO」などの製品も対象となります。
エントリーの際の評価基準は、SFとしてすぐれた作品であり、「このあとからは、これがなかった以前の世界が想像できないような作品」や「SFの歴史に新たな側面を付け加えた作品」となります。
自薦・他薦は問わず、同人誌、インターネット上の活動、自主制作ゲーム・動画・音楽等、インディーズの作品全般もエントリーできます。
大奥 (第1巻) よしなが ふみ (著) 男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件とは…!? |
暗闇にレンズ 高山 羽根子 (著) 撮ることは、祈ることだった。 高校生の「わたし」は親友の「彼女」と監視カメラだらけの街を歩き、携帯端末の小さなレンズをかざして世界を切り取る。かつて「わたし」の母や、祖母や、曾祖母たちがしてきたのと同じように。そうして切り取られた世界の一部は、あるときには教育や娯楽のために、またあるときには兵器として戦争や紛争、弾圧のために用いられた――映画と映像にまつわる壮大な偽史と、時代に翻弄されつつもレンズをのぞき続けた”一族”の物語。新芥川賞作家・高山羽根子がおくる渾身の書下ろし長編。 |
七十四秒の旋律と孤独 (創元日本SF叢書) 久永 実木彦 (著) 宇宙船を警備する人工知性紅葉の葛藤と、宇宙空間で物体がワープする際に生じる、空白の七十四秒間の事件を描いた第八回創元SF短編賞受賞作「七十四秒の旋律と孤独」をはじめ、人類が滅亡したあとの宇宙で、ヒトの遺した教えと掟に従って宇宙を観測し続けるロボットたちの日々を綴る連作〈マフ クロニクル〉の全六編を収録。永遠の時を生きる美しいロボットたちと、創造主である人間をめぐる鮮烈なデビュー作品集。 |
ポストコロナのSF (ハヤカワ文庫 JA) 日本SF作家クラブ (編集) 2021年4月現在、いまだ終わりの見えない新型コロナウイルスのパンデミックにより、人類社会は決定的な変容を迫られた。この先に待ち受けているのは、ワクチンの普及による収束か、あるいはウイルスとの苛酷な共存か。それにより人類の種属意識はどう変わるのか――まさに新型コロナウイルス禍の最中にある19名の作家の想像力が、ポストコロナの世界を描く19篇。日本SF作家クラブ編による、書き下ろしSFアンソロジー。 〈収録作品〉 |
まぜるな危険 高野 史緒 (著) 伊藤計劃+円城塔『屍者の帝国』の世界観にドストエフスキー『白痴』から「ブレードランナー」までを投入した「小ねずみと童貞と復活した女」、佐々木淳子の時間SFコミックとチェーホフとのリミックス「桜の園のリディヤ」など、ロシア文学+SFの全6篇。 |
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