【2021年度 野間賞】第74回野間文芸賞、第43回野間文芸新人賞、第59回野間児童文芸賞、第3回野間出版文化賞が決定!
講談社は11月4日、第74回野間文芸賞、第43回野間文芸新人賞、第59回野間児童文芸賞および第3回野間出版文化賞の受賞者・受賞作品を発表しました。
2021年度「野間賞」各賞が決定!
各賞の受賞者・受賞作品は次の通りです。
第74回野間文芸賞
リービ英雄(りーび・ひでお)さん
『天路』(講談社)
第43回野間文芸新人賞
井戸川射子(いどがわ・いこ)さん
『ここはとても速い川』(講談社)
第59回野間児童文芸賞
たかどの ほうこさん
『わたし、パリにいったの』(のら書店)
第3回野間出版文化賞
◎諫山創(いさやま・はじめ)さん
◎伊集院静(いじゅういん・しずか)さん
◎YOASOBI(よあそび)
〔特別賞〕角川武蔵野ミュージアム(かどかわむさしのみゅーじあむ)
「野間賞」について
野間文芸賞、野間文芸新人賞、野間児童文芸賞の各賞は、講談社初代社長・野間清治さんの遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催。「日本の文芸の質的向上を図り、その発展に寄与することを願って」設けられた文学賞です。
野間文芸賞は、純文学の小説や評論を対象とし、受賞者には正賞として賞牌、副賞として300万円が贈られます。
選考委員は、奥泉光さん、佐伯一麦さん、多和田葉子さん、町田康さん、三浦雅士さん。
野間文芸新人賞は、純文学の新人の作品を対象とし、受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。
選考委員は、小川洋子さん、川上弘美さん、高橋源一郎さん、長嶋有さん、保坂和志さん。
野間児童文芸賞は、児童向けの文学やノンフィクションを対象とし、受賞者には正賞としてブロンズ像、副賞として200万円が贈られます。
選考委員は、あさのあつこさん、いとうひろしさん、富安陽子さん、山下明生さん。
また、野間出版文化賞は2019年度より新設されたもので、「出版の再発明」をめざす講談社が創業110周年の記念事業の一環として、「出版にまつわるすぐれた表現活動を行った個人・団体を顕彰」することを目的としています。受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。
選考委員は、林真理子さん、弘兼憲史さん、茂木健一郎さん、野間省伸さん(講談社代表取締役社長)。
天路 リービ 英雄 (著) 国と国、言葉と言葉の〈間〉を旅する作家がたどりついた、世界の臨界点。世界の声が響きあう越境文学の達成! アメリカを捨て日本に移り住んだ作家は、故国に残した母の死を抱えて中国の最果て、チベット高原へと赴く。 30年前から日本に暮らすアメリカ国籍の「かれ」は、故国の母の死を受けいれられぬまま、漢民族の友人とともにチベット高原を旅する。「世界の屋上」と呼ばれるその土地は、一千年来、ひたすら生と死に思いをめぐらせてきた人々の文化が息づく場所だった。異質な言葉との出会いを通して死と再生の旅を描く、読売文学賞作家の新たな代表作。 ・収録作「西の蔵の声」評より―― 「エクソフォニーをさまよい続ける作者の、母の死との対峙と開眼の瞬間が描かれている小説であり、非常に感銘を受けた」鴻巣友季子氏(同上) 「言語だけを携えて、作者は世界に立ち向かっていく。この作品は一人の人間の中に沸き起こる複数の言語と文化、過去と現在の共振として読まれるべきように思う」 |
ここはとても速い川 井戸川 射子 (著) 第一詩集『する、されるユートピア』で第24回中原中也賞を受賞した注目詩人による、初めての小説集。 児童養護施設に暮らす小学5年生の集(しゅう)。園での年下の親友・ひじりとの楽しみは、近くの淀川にいる亀たちを見に行くことだった。温もりが伝わる繊細な言葉で子どもたちの日々を描いた表題作と、小説第一作「膨張」を収録。 |
わたし、パリにいったの たかどのほうこ (著, イラスト) 幼年童話の名手・たかどのほうこさんによる、おねえちゃんといもうとのおはなし! はなちゃんとめめちゃんは、仲よし姉妹。 |
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▼第74回「野間文芸賞」/第43回「野間文芸新人賞」/第59回「野間児童文芸賞」/第3回「野間出版文化賞」受賞者決定のお知らせ〔PDF〕
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