【第58回文藝賞】澤大知さん「眼球達磨式」が受賞
河出書房新社は8月26日、第58回文藝賞の受賞作を発表しました。
第58回文藝賞が決定!
第58回文藝賞は、8月20日に明治記念館にて、磯崎憲一郎さん、島本理生さん、穂村弘さん、村田沙耶香さんの選考委員4氏により選考会が行われ、次の通り受賞作が決定しました。
<第58回文藝賞 受賞作品>
澤大知(さわ・だいち)さん
「眼球達磨式(がんきゅうだるましき)」
今回、2,459作の応募があり、これまでの最多であった昨年の2,360作を大きく更新し、賞創設以降最多の応募総数となりました。
受賞者の澤大知さんは、1996年生まれ。神奈川県相模原市出身。25歳。
澤大知さんには正賞として記念品、副賞として50万円が贈られます。
受賞作・選評・選考経過、受賞の言葉は、10月7日(木)発売の『文藝』冬季号に掲載されます。なお、授賞式は11月中旬、明治記念館にて開催。
「第58回文藝賞」受賞作の内容紹介
【受賞作】澤大知さん「眼球達磨式」(400字×115枚)
移動式監視カメラ「アイ」が突然、自走!?
地上2センチから人間世界を見透かす、新時代のマイクロ・ロードノベル
「近頃その付近で、不審者が目撃されているそうです。気を付けて」。職場と自宅を往復するだけの無為な日々を過ごす「彼」は、ある日ラジコン式の監視カメラ「アイ」を手に入れる。人目につかず地面を自在に疾走する極小眼球型のアイ。しかし、ある日のにわか雨の後、アイはコントロールを失い、見知らぬ女性に捕獲されてしまう。翌日、なぜか自ら走行を始めたアイは、思いも寄らない景色を映し出し――。
文藝賞について
文藝賞は、1962年に文芸誌『文藝』で創設された公募の新人文学賞です。河出書房新社が主催。
日本における新人作家の登竜門とされ、第一回受賞作である高橋一巳さん『悲の器』をはじめ、田中康夫さん『なんとなく、クリスタル』、山田詠美さん『ベッド タイム アイズ』、綿矢りささん『インストール』、白岩玄さん『野ブタ。をプロデュース』、山崎ナオコーラさん『人のセックスを笑うな』、宇佐見りんさん『かか』、遠野遥さん『改良』など、実力と才能を兼ね備えた作家を多数輩出しています。
ちなみに、創設当時の『文藝』の編集長は坂本一亀さんで、音楽家・坂本龍一さんの父。
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