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【第26回山本七平賞】最終候補作が決定 細谷雄一さん、新保祐司さん、岩井秀一郎さん

【第26回山本七平賞】最終候補作が決定 細谷雄一さん、新保祐司さん、岩井秀一郎さん

【第26回山本七平賞】最終候補作が決定 細谷雄一さん、新保祐司さん、岩井秀一郎さん

PHP研究所は8月28日、第26回山本七平賞の予備選考会を実施し、以下の通り、最終候補作を決定しました。

 
【最終候補作】 ※五十音順。

『安保論争』(細谷雄一さん著、ちくま新書)

『「海道東征」への道』(新保祐司さん著、藤原書店)

『多田駿伝』(岩井秀一郎さん著、小学館)

 

山本七平賞について

山本七平賞は、平成3年12月に逝去した山本七平さんの長年にわたる思索、著作、出版活動の輝かしい成果を顕彰することを目的に、平成4年5月に創設されました。

賞の対象となる作品は、前年7月1日から当年6月末日までに発表(書籍の場合は奥付日)された、書籍、論文で、選考委員は、伊藤元重さん(学習院大学教授)、呉善花さん(拓殖大学教授)、中西輝政さん(京都大学名誉教授)、養老孟司さん(東京大学名誉教授)の4氏。

最終選考会は9月11日に実施され、受賞作品が決定します。受賞者には賞金300万円と記念品が贈られ、贈呈式は11月21日に都内で開催予定です。

 

最終候補作と著者について〔敬称略〕

 
◆『安保論争』(ちくま新書 2016年7月10日)

安保論争 (ちくま新書)
現代の世界で、平和はいかにして実現可能か。日本の安全は、どうすれば確保できるのか──。安保関連法をめぐる激しい論戦にもかかわらず、こうした肝要な問いが掘り下げられることはなかった。これらの難問を適切に考えるには、どのような場合に戦争が起こるかを示す歴史の知見と、21世紀の安全保障環境をめぐるリアルな認識とが、ともに不可欠である。国際政治・外交史の標準的見地から、あるべき安全保障の姿と、そのために日本がとるべき道筋を大胆かつ冷静に説く、論争の書。

■著者:細谷雄一(ほそや・ゆういち)

1971年千葉県生まれ。現在、慶應義塾大学法学部教授。立教大学法学部卒業。英国バーミンガム大学大学院国際関係学修士号取得。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。北海道大学専任講師などをへて、現職。

『戦後国際秩序とイギリス外交』(創文社)でサントリー学芸賞、『外交による平和』(有斐閣)で政治研究櫻田會奨励賞、『倫理的な戦争』(慶應義塾大学出版会)で読売・吉野作造賞を受賞。その他の著書に、『外交』(有斐閣)、『国際秩序』(中公新書)、『戦後史の解放I 歴史認識とは何か』(新潮選書)など。

 
◆『「海道東征」への道』(藤原書店 2016年9月10日)

「海道東征」への道
“封印”されていた交声曲(カンタータ)は、いま、なぜ復活したのか? 「海ゆかば」の信時潔(のぶとき・きよし)の作曲、北原白秋の作詩による交声曲「海道東征」。戦後封印されてきた大曲が戦後70年に復活公演され、大きな感動で迎えられたが、その10年をかけた復活劇は著者の「信時潔論」が強力に牽引していた。

東日本大震災という未曽有の災害により「戦後日本」が根底から揺るがされた、戦後60年から70年の10年間における、日本社会の精神史的考察の集成。

■著者:新保祐司(しんぽ・ゆうじ)

1953年生まれ。文芸批評家。現在、都留文科大学教授。東京大学文学部仏文科卒業。

著書に、『内村鑑三』、『文藝評論』、『批評の測鉛』、『日本思想史骨』、『正統の垂直線──透谷・鑑三・近代』、『批評の時』、『国のさゝやき』、『信時潔』、『鈴二つ』(以上、構想社)、『島木健作──義に飢ゑ渇く者』(リブロポート)、『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版)、『異形の明治』(藤原書店)、『シベリウスと宣長』、『ハリネズミの耳──音楽随想』(以上、港の人)、『明治頌歌』(展転社)がある。また編著書に、『北村透谷──〈批評〉の誕生』(至文堂)、『「海ゆかば」の昭和』(イプシロン出版企画)、『別冊環18 内村鑑三 1861-1930』(藤原書店)がある。2007年、フジサンケイグループ第8回正論新風賞を受賞。

 
◆『多田駿伝』(小学館 2017年3月6日)

多田駿伝: 「日中和平」を模索し続けた陸軍大将の無念
陸軍屈指の「中国通」として知られ、日中和平の道を模索し続けた多田駿(はやお)。だが、これまで評伝は1冊もなく、昭和史の専門家以外にはその名を知る人はほとんどいない。

「多田駿とは何者か?」 著者はその疑問を解くために、厖大な数の文献を読み漁り、遺族を訪ねて未発表史料を発掘しながら、その足跡を丹念にたどっていく。戦後日本人が忘れていた一人の“良識派”軍人の素顔がいま初めて明らかになる。

■著者:岩井秀一郎(いわい・しゅういちろう)

1986年、長野県生まれ。歴史研究者。1994年より、埼玉県深谷市在住。2007年4月、日本大学文理学部史学科に入学。2011年3月、同大学卒業。以後、一般企業で働くかたわら、昭和史を中心とした歴史研究・調査を続けている。本書が初めての著書。

 
【関連】
山本七平賞 | PHP研究所 PHP INTERFACE

 


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