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元タカラジェンヌ・天真みちるさん爆笑宝塚エッセイ『こう見えて元タカラジェンヌです』が発売即1万部突破、3度目の重版!

天真みちるさん著『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社)

天真みちるさん著『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社)

華やかな「タカラヅカ」において、一癖も二癖もある“おじさん”役を全力で演じきった名バイプレイヤー天真みちるさん――。
元花組トップスター明日海りおさんに「宝塚に新ジャンルを築いた」と言わしめた伝説の元タカラジェンヌによる舞台裏エピソード満載の爆笑エッセイ『こう見えて元タカラジェンヌです』(左右社)が刊行されてすぐ1万部を突破、さまざまなメディアで紹介され話題を呼び、この度3度目の重版が決定しました。

 

おじさん役を極めた元タカラジェンヌによる爆笑宝塚エッセイが登場!

著者より

著者より

「タカラヅカ」を支えているのはトップスターだけじゃない!100年以上の歴史を持ち、未婚女性たちが「清く、正しく、美しく」をモットーに歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、モヒカンの悪役や貫禄のあるおじさん役を全力で演じきる名バイプレイヤー・天真みちるさんこと「たそ」の姿があった……。

元花組トップスター明日海りおに「宝塚に新ジャンルを築いた」と言わしめた伝説の元タカラジェンヌによる「たそ」の音楽学校入学から宝塚歌劇団卒業まで15年の月日が、舞台裏エピソードを交えながらコミカルに綴られています。

 
◆惨敗してしまった宝塚音楽学校受験

こういう時、よく漫画で「地味に普通に自己紹介して、歌も踊りも特にハイレベルではないけど、なんか一番偉い人が、〝こいつは光るものを持っている?とかなんとか言って周りの反対を押し切って合格させるスター」が出てくるが、私にはそんなことはマジでなかった。会場に入った時までは、自分を「天海祐希」様に程近い存在だと、ほっといても周りが気にかけてくれるスターだと信じていたが、会場を後にする時は「天海祐希」様から1億光年くらい遠い存在だという痛いほどの現実を突きつけられた。
(「第1場 偉大なるタカラヅカを凡庸な私が目指したキッカケ」より)

 
◆人生の岐路~小劇場選抜落ち~

どこを探しても、何度見直しても自分の名前が見つからなかった。
私は、どの作品にも出演者として選ばれなかったのだ。
宝塚音楽学校入学試験に落ちた時以来の、膝から崩れ落ちるような衝撃を受けた。
妙に心臓がドキドキしている。同期の「やったー! 入った!」と喜ぶ声が聞こえる。
誰が入って誰が落ちたのか。自分より下級生も入っているのに、私は入らなかったのか。ショックと悲しみと恥ずかしさで早くこの場から消えてなくなりたかった。
明日からも公演は続くことが苦しすぎる。行きたくない……。
(「第19場 人生の岐路~小劇場選抜落ち~」)

 
◆3.11と宝塚歌劇団

タカラヅカの舞台は演出に電力をたくさん使う。震災で計画停電が行われている中、「豪華絢爛」な舞台に立って良いのか……。全国で自粛ムードの中、私達はこれから東京へ向かう。それならもう少し落ち着いてからでも良いのではないか。中止すべきではないか。様々な選択肢が脳裏をよぎる……。
私達は来る日も来る日も、どうするべきか「お話し合い」をした。上級生も下級生も、
今自分達にできることはなんなのか、お互いに意見をぶつけ合う。不安で胸がいっぱいになり、泣いてしまう子もいた。
でも、「このような時だからこそ、普段通りに宝塚が公演していることで安心する方もいる」ということを当時の理事長がお話しされた時、私達の心は皆、「公演をする」という方向へ足並みが揃った。
(「第22場 3.11 と宝塚歌劇団」より)

 
◆魅惑のトップスター蘭寿とむさんとの出会い

「私ってどう思いますか?」
と、答えづらい質問ナンバー1のようなぼやっとした問いを投げかけてしまった。
(なに言ってんだろオワタ……)と心の中で思っていると、蘭寿さんは一言、
「貴方は頑張っていない」
と、心に刺さる返事をされた。
それを聞き、ショックなのか、自分でもそう思っていて苦しいのかわからない、フラフラな状態で立ち尽くしていると、蘭寿さんは続けて、
「今よりももっともっと変われる。上に登れる。貴方はもっと頑張れる」と告げた。
「頑張ります。私、絶対に頑張ります。宜しくお願い致します」と、半泣きで蘭寿さんに精一杯それだけ答えた。
すると、それを聞いた蘭寿さんはにっこりと頷き、
「貴方がもっと頑張ったら……私は貴方を抱きしめる」
と告げ、その場を去って行った。
なん……だと……?
抱きしめて下さる……? 蘭寿さんが?
これは…………頑張るしかない。頑張る以外に道は…………ない!!!!
(「第23場 初めてのセンター歌唱&魅惑の新トップ・蘭寿さん登場」より)

 
◆「SMAP×SMAP」でタンバリン芸を披露

謎モヤモヤしながら待機していると、SMAPの皆さんが入ってきた。
ううううううわ、本物だ! 本当に生きているんだ同じ世界に日本に!
本物だああああ!!!!(語彙力の著しい低下)(中略)
ここで披露するんだ、披露するには皆さんの前に行かなくてはならないと、勝手な判断でひな壇を降り、SMAPさんの前に立った。
案の定、中居さんに「そこ(座っていたところ)で良かったのに」と言われた。
なんで降りてきちゃったんだ……! はっず!
その瞬間、緊張しすぎて「もう、どうにでもな?れ☆」モードが発動した。
(「第27場 奇跡のスマスマ出演、そして蘭寿さんの卒業」より)

 
ときに珍事に見舞われながらもタカラジェンヌとして輝いていく“たそ”の姿に元気がもらえる傑作エッセイです。

 

著者プロフィール

著者の天真みちる(てんま・みちる)さんは、2006年宝塚歌劇団に入団、花組配属。老老(若は皆無)男女幅広く男役を演じる。また、タンバリン芸でも注目を集める。2018年10月に退団。現在はフリーで活動しており、舞台、朗読劇、イベントなどの企画・脚本・演出を手掛ける傍ら、自身も MCや余興芸人として出演している。

2020年1月より、オンラインサロン『天真みちるの歌(ん)劇団応援組』を開設。「観劇」を愛する方との心通うサロンを運営中。

 

こう見えて元タカラジェンヌです
天真みちる (著)

清く正しく……おもしろく!?
100年以上の歴史を持ち「清く、正しく、美しく」をモットーに女性たちが歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、角刈りの車引き・モヒカンのチンピラ・麻薬密売人などクセの強いおじさん役で唯一無二の存在感を発揮した名コメディエンヌ「たそ」の姿があった……。
一次敗退の翌年のタカラヅカ合格、先輩スターに囲まれ興奮の入団と次々にのしかかる試練、奇跡のSMAP×SMAP出演で「タンバリン芸人」になったエピソードなど、音楽学校入学から宝塚歌劇団卒業まで15年の月日をコミカルに描く。
「宝塚に新ジャンルを築いた」と言われた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。

***

宝塚歌劇団に在籍する生徒たちは皆、「トップスター」を目指し、日々精進している。
そんな華やかな世界で「私は」というと、主役の吸血鬼に血を吸われめちゃめちゃ狂う不動産仲介人を演じたり、裏で麻薬を密売している医者を演じたり、女装する医者を演じたり(医者多いな)、モヒカンの用心棒、角刈りの車引き、邪馬台国のみずら結いの人、常に半目(薄目)状態の右大臣等々……トップスターやスターを目指す方々からはだいぶかけ離れた「情報量の多いおじさん」を演じることを極めていた。
まさか、タカラヅカの作品にそんな人が出てくるなんて信じられない! と思う方もいらっしゃるだろう。
しかし、在団2年目ですでにおじさん街道まっしぐらだった私は、いかに「老けるか」を考えながら毎日を過ごし、卒業するまでにありとあらゆるタイプの「髭」をつけ、よりリアルな「シワ・シミ」の再現など、様々な「逆アンチエイジング」方法を見出したのだ……。
ここまで読んだ方はもしかしたら、「天真みちるは、おじさん街道を突っ走るために宝塚に入団したのか」?とお思いになったかもしれないが、受験当時はノールックの全く予想していなかった未来だった。
「第1場 偉大なるタカラヅカを凡庸な私が目指したキッカケ」より

 


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