【第52回大宅壮一ノンフィクション賞】石井妙子さん『女帝 小池百合子』が受賞
日本文学振興会は5月14日、第52回大宅壮一ノンフィクション賞(大宅賞)の受賞作を発表しました。
第52回大宅壮一ノンフィクション賞が決定!
第52回大宅壮一ノンフィクション賞の選考委員会が5月13日に開催され、次の通り受賞作が決定しました。
<第52回大宅壮一ノンフィクション賞 受賞作品
石井妙子(いしい・たえこ)さん
『女帝 小池百合子』(文藝春秋)
選考委員は、梯久美子さん、後藤正治さん、佐藤優さん、出口治明さん、森健さん。
また、今回の候補作は以下の5作品でした。
【第52回大宅壮一ノンフィクション賞候補作】
◎石井妙子さん『女帝 小池百合子』(文藝春秋)
◎片山夏子さん『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』(朝日新聞出版)
◎佐々涼子さん『エンド・オブ・ライフ』(集英社インターナショナル)
◎春名幹男さん『ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス』(KADOKAWA)
◎山本草介さん『一八〇秒の熱量』(双葉社)
受賞者・石井妙子さんの受賞コメント&プロフィール
【受賞コメント】
「女性初の都知事であり、女性初の総理候補者とも言われる小池百合子氏の実像を、私は三年半の歳月をかけ追い求めました。見えてきたのは、これまで語られることのなかった真実の姿でした。人間を書こうとすれば、奥へ奥へと踏み込むことになります。彼女はなぜ、そのような生き方を選んだのか。彼女を押し上げた日本社会の問題点も併せて描きたいと思いました。本書に協力して下さった全ての方に深く感謝申し上げます。」
<プロフィール>
1969年生まれ。白百合女子大学修士課程修了。お茶の水女子大学女性文化研究センター(現ジェンダー研究センター)に教務補佐員として勤務。囲碁観戦記者を経て、2006年『おそめ 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生』を発表、ノンフィクション作家としての活動を始める。
〔作品〕
『おそめ 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生』(2006年洋泉社刊/第38回大宅賞候補、第28回講談社ノンフィクション賞候補、第5回新潮ドキュメント賞候補)、『日本の血脈』(2013年文春文庫刊)、『満映とわたし』(岸富美子さんとの共著/2015年文藝春秋刊)、『原節子の真実』(2016年新潮社刊=第15回新潮ドキュメント賞受賞)、「小池百合子研究 父の業を背負いて」(2017年『新潮45』1月号=第24回雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞)、『安倍昭恵「家庭内野党」の真実』(2017年文春e-Books刊)、「小池百合子『虚飾の履歴書』」(2018年『文藝春秋』7月号=第25回雑誌ジャーナリズム賞作品賞受賞)、『日本の天井』(2019年KADOKAWA刊)
大宅壮一ノンフィクション賞について
大宅壮一ノンフィクション賞は、大宅壮一さんの業績を記念して1970年に創設。各年の優れたノンフィクション作品を表彰する文学賞です。
公益財団法人日本文学振興会が主催し、株式会社文藝春秋が運営。前年1月1日から12月31日までに発表された作品を対象とします。
なお、同賞は2017年より「大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞」に名称を変更して開催されていましたが、2019年より名称を元の「大宅壮一ノンフィクション賞」に戻しています。
女帝 小池百合子 石井 妙子 (著) コロナに脅かされる首都・東京の命運を担う政治家・小池百合子。 しかし、われわれは、彼女のことをどれだけ知っているのだろうか。 「芦屋令嬢」育ち、謎多きカイロ時代、キャスターから政治の道へ―― |
【関連】
▼大宅壮一ノンフィクション賞|日本文学振興会
◆戦没兵士は、私の最愛の人でした――「沖縄戦」指揮官と遺族の往復書簡『ずっと、ずっと帰りを待っていました 』が刊行 | 本のページ
◆三浦英之さんが津波で亡くなった外国人の足跡をたどった『涙にも国籍はあるのでしょうか』が刊行 | 本のページ
◆凶悪犯罪に切り込み、身元不明遺体に名前を見つける”一般の人たち”を追ったノンフィクション『未解決殺人クラブ』が刊行 | 本のページ
◆【第30回小学館ノンフィクション大賞】細田昌志さん「力道山未亡人」が受賞 | 本のページ