本のページ

SINCE 1991

【第55回蛇笏賞】大石悦子さん句集『百囀(ひゃくてん)』が受賞

第55回蛇笏賞が決定!

第55回蛇笏賞が決定!

角川文化振興財団は4月22日、1年間に刊行された句集の中で最も優れたものに贈る第55回蛇笏賞の受賞作を発表しました。

 

第55回蛇笏賞が決定!

第55回蛇笏賞は4月22日、角川本社ビル(東京・飯田橋)で選考委員会を開催し、次の通り受賞作を決定しました。

 
<第55回蛇笏賞 受賞作品>

大石悦子(おおいし・えつこ)さん
句集『百囀(ひゃくてん)』(ふらんす堂)

 
受賞者の大石悦子さんは、1938年生まれ。京都府舞鶴町(現・舞鶴市)出身。「鶴」「紫薇」同人。第30回角川俳句賞、第10回俳人協会新人賞、第5回俳句四季大賞、第53回俳人協会賞、第10回桂信子賞など受賞歴多数。

1984年に第30回角川俳句賞、1986年『群萌』で第10回俳人協会新人賞、2005年に句集『耶々』で第5回俳句四季大賞と第1回日本詩歌句大賞、2013年に句集『有情』で第53回俳人協会賞、2018年に第10回桂信子賞を受賞。今月、今回の受賞作である第6句集『百囀』で第13回小野市詩歌文学賞を受賞

 
選考委員は片山由美子さん、高野ムツオさん、高橋睦郎さん、長谷川櫂さん。選考委員選評など詳細は、5月25日発売の『俳句』6月号(角川文化振興財団発行/KADOKAWA発売)に掲載される予定です。

 
受賞者の大石悦子さんには、賞状・記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は、6月29日(火)に開催予定。

 
なお、最終候補作は以下の5作品でした。

【最終候補作】
◎池田澄子さん『此処』(朔出版)
◎今瀬剛一さん『甚六』(本阿弥書店)
◎大石悦子さん『百囀』(ふらんす堂)
◎野中亮介さん『つむぎうた』(ふらんす堂)
◎宮坂静生さん『草魂』(角川文化振興財団)

 

蛇笏賞について

蛇笏賞は、俳人・飯田蛇笏の遺徳を敬慕し、「世世に語り継ぎ、日本詩歌の振興に一層の努力を期す」ことを目的に設立された俳句の賞です。角川文化振興財団(第9回までは角川書店)が主催。

前年の1月から12月の間に刊行された句集の中で最も優れたものに贈られます。

 

百囀 (鶴叢書―令和俳句叢書)
大石 悦子 (著)

◆第六句集

画眉鳥を加へ百囀ととのひぬ

『百囀』は『有情』につづく私の第六句集にあたります。平成二十四年から平成の代の終わる平成三十一年四月までの三五七句をもって一集としました。
書名とした「百囀」は多くの鳥の囀りのことで、大阪の郊外にあるわが家へ、四季をとおしてやってくる野鳥への親近の思いをこめて名づけました。(著者)

◆自選十五句より
天地を束ねし結柳かな
一人居る五日となれば糟湯酒
負暄してうまうま老いぬわれながら
硯北といふみどりさすひとところ
オリオンに一献シリウスと一献
鴛鴦の絢爛と流れゆきたる
根のもの厚く切つたる雑煮かな
春の山とは父もゐき母もゐき
擬態して自切して竹節虫枯る
蕪村忌の青楼の黒框かな
画眉鳥を加へ百囀ととのひぬ

 
【関連】
【決定のお知らせ】第55回蛇笏賞 | 顕彰 | ニュース | 公益財団法人 角川文化振興財団

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です