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【第13回小野市詩歌文学賞】島田修三さん歌集『秋隣小曲集』と大石悦子さん句集『百囀』が受賞

第13回小野市詩歌文学賞が決定!

第13回小野市詩歌文学賞が決定!

小野市(兵庫県)は4月7日、第13回小野市詩歌文学賞の受賞作品を発表しました。

 

第13回小野市詩歌文学賞が決定!

第13回小野市詩歌文学賞の「短歌部門」「俳句部門」の受賞作品は次の通りです。

 
■短歌部門
島田修三(しまだ・しゅうぞう)さん
歌集『秋隣小曲集(しゅうりんしょうきょくしゅう)』(砂子屋書房)

■俳句部門
大石悦子(おおいし・えつこ)さん
句集『百囀(ひゃくてん)』(ふらんす堂)

 
短歌部門を受賞した島田修三さんは、1950年生まれ。神奈川県横浜市出身。横浜市立大学文理学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士前期課程修了、同大学院博士後期課程単位取得満期退学。愛知淑徳大学学長。「まひる野」同人。第7回寺山修司短歌賞、第9回山本健吉文学賞、第15回若山牧水賞、第15回若山牧水賞など受賞歴多数。

俳句部門を受賞した大石悦子さんは、1938年生まれ。京都府舞鶴町(現・舞鶴市)出身。「鶴」同人。第30回角川俳句賞、第10回俳人協会新人賞、第5回俳句四季大賞、第53回俳人協会賞、第10回桂信子賞など受賞歴多数。

島田さんと大石さんには賞金100万円が贈られます。

 
選考委員は、馬場あき子さん、宇多喜代子さん、永田和宏さん。

 

小野市詩歌文学賞

小野市詩歌文学賞は、兵庫県小野市が、同市出身の歌人・上田三四二(うえだ・みよじ)さんにちなみ、三四二さんの没後20周年にあたる2009年に創設した文学賞です。

「日本人の感性の原型である詩歌の一層の発展」を願い、前年の1月1日から12月31日までに刊行された短歌・俳句に関する文芸作品の中から最も優れたものを顕彰します。
創設当初は「短歌部門」「俳句部門」「詩部門」の3部門で構成されていましたが、第6回より短歌部門と俳句部門のみとなっています。

選考は、全国の著名な歌人、俳人にアンケートを行い、その結果を参考にして、3名の選考委員が決定します。

 

秋隣小曲集―島田修三歌集 (まひる野叢書)
島田 修三 (著)

◆第9歌集

「自分の歌を読み直していて、私は失われかけた記憶と時間が鮮やかに復元していく手ごたえを感じることがあった。啄木の記した「いのちの一秒」が確かにあったのだ、という手ごたえである。」(本書「あとがき」より)

百囀 (鶴叢書―令和俳句叢書)
大石 悦子 (著)

◆第六句集

画眉鳥を加へ百囀ととのひぬ

『百囀』は『有情』につづく私の第六句集にあたります。平成二十四年から平成の代の終わる平成三十一年四月までの三五七句をもって一集としました。
書名とした「百囀」は多くの鳥の囀りのことで、大阪の郊外にあるわが家へ、四季をとおしてやってくる野鳥への親近の思いをこめて名づけました。(著者)

◆自選十五句より
天地を束ねし結柳かな
一人居る五日となれば糟湯酒
負暄してうまうま老いぬわれながら
硯北といふみどりさすひとところ
オリオンに一献シリウスと一献
鴛鴦の絢爛と流れゆきたる
根のもの厚く切つたる雑煮かな
春の山とは父もゐき母もゐき
擬態して自切して竹節虫枯る
蕪村忌の青楼の黒框かな
画眉鳥を加へ百囀ととのひぬ

 
【関連】
第13回小野市詩歌文学賞受賞者決定 / 兵庫県小野市行政サイト

 


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