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【第14回舟橋聖一文学賞】澤田瞳子さん『駆け入りの寺』が受賞 青年文学賞は福島優香里さん「りぃちゃん」

第14回舟橋聖一文学賞の受賞作が決定!

第14回舟橋聖一文学賞の受賞作が決定!

彦根市は12月23日、第14回舟橋聖一文学賞および第32回舟橋聖一顕彰青年文学賞の受賞作を発表しました。

 

第14回舟橋聖一文学賞および第32回舟橋聖一顕彰青年文学賞の受賞作が決定!

第14回舟橋聖一文学賞および第32回舟橋聖一顕彰青年文学賞の受賞作は、次の通りです。

 
<第14回舟橋聖一文学賞>

澤田瞳子(さわだ・とうこ)さん
『駆け入りの寺』(文藝春秋)

 
<第32回舟橋聖一顕彰青年文学賞>

福島優香里さん「りぃちゃん」

 
選考委員は、佐藤洋二郎さん(作家)、藤沢周さん(作家)、増田みず子さん(作家)、富岡幸一郎さん(文芸評論家)。

 

舟橋聖一文学賞および舟橋聖一顕彰青年文学賞について

舟橋聖一文学賞は、彦根市が2007年に彦根城築城400年を記念して創設。彦根市民が豊かな心を育み、彦根市に香り高い文化を築くため、彦根市の名誉市民である作家の故舟橋聖一さんの文学の世界に通じる優れた文芸作品に贈ります。

 
舟橋聖一顕彰青年文学賞は、1984年12月に舟橋家から「故舟橋聖一顕彰事業基金」としての寄付を受け、これを基に1989年度から、全国の青年を対象に広く作品を公募し、文学の登竜門として「青年文学賞」を贈っています。応募資格は、当年9月1日現在、満13歳以上満30歳以下の方に限定。

 
【舟橋聖一さん プロフィール】

明治37年、東京生まれ。水戸高校時代から文学に傾倒、東京帝国大学国文科在学中、村山知義さん・河原崎長十郎さんらと劇団「心座」を結成し、新劇活動に没頭した。
卒業後、明治大学で教鞭をとりつつ「文芸都市」「近代生活」等の同人に参加。初めて発表した作品は、昭和5年の戯曲集『愛慾の一匙』。

昭和9年には雑誌「行動」に『ダイヴィング』を発表、行動主義を提唱し反響を呼び、翌年「文学界」の同人となった。戦時中『悉皆屋康吉』を脱稿し、作家的地位を不動のものとした。
戦後、昭和27年から10年間書き続けた「夏子もの」では、日本の季節感を濃淡鮮やかに描き、昭和39年『ある女の遠景』で毎日芸術賞を受賞。同年6月、開国の英雄・井伊大老を描いた『花の生涯』創作の功績により、彦根市名誉市民第1号に迎えられ、昭和41年には日本芸術院会員となった。
この頃から眼を患い、不自由な口述筆記で完成した『好きな女の胸飾り』で昭和42年度の野間文芸賞を受賞。 また、昭和50年には、文化功労者に推載されたが、翌年1月13日急性心筋梗塞により、71歳の生涯を閉じた。

 

駆け入りの寺
澤田 瞳子 (著)

誰にだって、逃げ出したい時がある――
悩みを抱える人々が、駆込寺の門を叩く。

落飾した皇女が住持を務める比丘尼御所。
そのひとつである林丘寺では、前住持であり後水尾帝の皇女・元瑶と、現住持である霊元帝の皇女・元秀を中心に、宮中と同じような生活が営まれていた。

四季折々の年中行事、歴代天皇の忌日法要を欠かさず行い、出家の身でありながら、和歌管弦、琴棋書画を嗜む。
尼たちの平穏で優雅な暮らしのなかに、ある日飛び込んできたのは「助けてほしい」と叫ぶ、若い娘だった――。

現世の苦しみから逃れた、その先にあるものとは何なのか。
雅やかで心に染み入る連作時代小説。

 
【関連】
舟橋聖一文学賞受賞 – 彦根市立図書館
舟橋聖一顕彰文学賞受賞者 – 彦根市立図書館

 


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