「第23回大藪春彦賞」候補作が決定 赤神諒さん、宇佐美まことさん、坂上泉さん、新庄耕さんの計4作品
大藪春彦賞選考委員会は12月23日、第23回大藪春彦賞の候補作を発表しました。
「第23回大藪春彦賞」候補作が決定!
大藪春彦賞選考委員会は、2019年10月から2020年9月までの選考対象期間に刊行された作品の中から、次の作品を「第23回大藪春彦賞」候補として選出しました。
<第22回大藪春彦賞 候補作>
◎赤神諒(あかがみ・りょう)さん
『計策師 甲駿相三国同盟異聞』(朝日新聞出版)
◎宇佐美まこと(うさみ・まこと)さん
『ボニン浄土』(小学館)
◎坂上泉(さかがみ・いずみ)さん
『インビジブル』(文藝春秋)
◎新庄耕(しんじょう・こう)さん
『地面師たち』(集英社)
なお、2021年1月22日に大沢在昌さん、黒川博行さん、東山彰良さんによる選考会が開催され、受賞作が決定します。受賞作には、2021年3月5日開催予定の贈賞式において、大藪春彦賞正賞(顕彰牌)と副賞(賞金300万円)が贈られます。
大藪春彦賞について
大藪春彦賞は、作家・大藪春彦さんの業績を記念し徳間書店が創設、「優れた物語世界の精神を継承する新進気鋭の作家及び作品」に贈られる文学賞です。
大藪春彦賞選考委員会が主催し、毎年10月1日から翌年9月末日までに発表された小説作品の中から選ばれます。
計策師 甲駿相三国同盟異聞 赤神 諒 (著) 刀槍を用いず策と舌を駆使して、人を動かす男の「正義」「人情」「虚無」を描き、戦国外交の熾烈な舞台裏を描く意欲作 甲斐・武田晴信(信玄)に仕える「槍も取らず、舌先で戦う男」計策師・向山又七郎の名は諸国に轟いていた。晴信に命じられて調略・交渉・謀略…外交にまつわるすべてを請け負い、時には主君すら欺く。元来春風駘蕩、飄々として捉えどころのない美男の剣の達人だが、荒涼とした戦場において使い捨ての駒であると自嘲するうちに、いつしか又七郎の心も荒んでいた。 半ば捨て鉢な生き方で、虚言すらも弄して人を欺く一流の計策師となった又七郎だが、かつてある事件で妻子を失っていたのだった。そして安曇野の平瀬城に降伏勧告で単身乗り込んだ又七郎は、平瀬義兼の娘・薫姫とも友の契りを交わし、城兵たちの助命を嘆願するも、晴信は冷酷に断を下す。より深い虚無を感じる又七郎。 計策師として主君の敵を滅ぼしてきた又七郎が、暇乞いと引き換えに晴信から下された最後の仕事が、武田が戦国の世を生き抜くための「甲駿相三国同盟」の締結という巨大な外交課題であった。足を引っ張る武田の家臣たち、次々と現れる諸国のくせもの軍師・計策師たち。利害・打算・謀略に翻弄されつつ、又七郎は同盟を実現できるのか!? |
ボニン浄土 宇佐美 まこと (著) 刺客は、思わぬところからやって来た。 1840年、気仙沼から出航した五百石船・観音丸は荒天の果てに、ある島に漂着する。そこには、青い目をした先住者たちがいた。彼らは、その地を「ボニン・アイランド」と告げた。 |
インビジブル 坂上 泉 (著) 【昭和29年、大阪を襲う連続猟奇殺人】 実在した「大阪市警視庁」を舞台に新鋭が放つ、戦後史×警察サスペンス 昭和29年、大阪城付近で政治家秘書が頭を麻袋で覆われた刺殺体となって見つかる。大阪市警視庁が騒然とするなか、若手の新城は初めての殺人事件捜査に意気込むが、上層部の思惑により国警から派遣された警察官僚の守屋と組みはめに。帝大卒のエリートなのに聞き込みもできない守屋に、中卒叩き上げの新城は厄介者を押し付けられたと苛立ちを募らせるが―。はぐれ者バディVS猟奇殺人犯、戦後大阪の「闇」を圧倒的リアリティで描き切る傑作長篇。 |
地面師たち 新庄 耕 (著) ある事件で母と妻子を亡くした辻本拓海は、大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。ハリソン一味のメンバーは、元司法書士の後藤、土地の情報を集める図面師の竹下、土地所有者の「なりすまし役」を手配する麗子の五人。彼らはひと仕事を終え再集結し、ハリソンの提案で次に狙いをつけたのが泉岳寺駅至近にある広大な土地。市場価格100億円という前代未聞の案件だった。一方、定年を間近に控えた刑事の辰は、かつて逮捕したが不起訴に終わったハリソン山中を独自に追っていた。 |
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