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「メガネ=ガリ勉」「デブ=食いしん坊」って、誰が決めた!? 南信長さん『メガネとデブキャラの漫画史』が刊行

取り上げられるのは総勢130人超、マンガの中の定番として欠かせない「メガネキャラ」と「デブキャラ」たちに初めてスポットを当てた、南信長さん著『メガネとデブキャラの漫画史』が左右社より刊行されました。

 

ただのガリ勉、食いしん坊なんて一人もいない!

マンガに欠かせない「メガネキャラ」「デブキャラ」。
全体的に脇役で冴えない……、メガネキャラ=ガリ勉、デブキャラ=食いしん坊というイメージを持ってしまっていませんか?

 
そんな彼らに初めてスポットを当て、これまでの印象や固定概念を覆す類のない一冊が誕生。
1970年代の少女マンガのヒロインから現在連載中の青年マンガまで取り上げ、登場するキャラクターは総勢130人超!

情熱家、文武両道、天才、中間管理職、メガネオタクのメガネキャラ、無敵のデブキャラなどなど、これまでの「ガリ勉」「食いしん坊」といった固定イメージを大きく外れる、自由で多種多様、魅力と個性に溢れるキャラクターたちが大集結。

 
彼らの多様性を追うことで、時代とともに進化、アップデートし続けるマンガとキャラクターの変遷も追うことができます。

 
【本書に登場するキャラクターたち】

◎国民的ヘタレ男子・『ドラえもん』野比のび太
◎「君のためなら死ねる」正義感あふれる情熱家・『愛と誠』岩清水弘
◎笑顔なき天才ヒーロー・『ピンポン』月本誠
◎努力と冷静な判断力でチームを支える名脇役・『スラムダンク』木暮公延
◎ダメな中間管理職の典型・『美味しんぼ』富井富雄
◎優等生を逆手にとったボンクラ男子・『町田くんの世界』町田一
◎真面目な現実主義者・『巨人の星』左門豊作
◎心身ともにブレない・『銀の匙』稲田多摩子
◎ダイエットの呪いにかかった・『脂肪という名の服を着て』花沢のこ
◎鈍足が唯一にして最大の弱点・『ドカベン』山田太郎
◎デブキャラにして最強の殺し屋・『SAKAMOTO DAYS』坂本太郎

 

本書の目次

序 メガネキャラとデブキャラのイメージはいかにして生まれたか

 
【メガネキャラ編】

[PART1]メガネはガリ勉の証?
本当は情熱家の岩清水弘(『愛と誠』梶原一騎・ながやす巧)
恋と友情に揺れた秀才・西見薫(『坂道のアポロン』小玉ユキ)
ガリ勉なのに超ド級バカ・東大通(『東大一直線』小林よしのり)
ウルトラ真面目女子・七瀬春子(『あたしのバンビ』尾崎あきら)
日本最古の“リケジョ”高橋景保(『大奥』よしながふみ)
メガネコラム(1)【ガリ勉メガネイメージの誕生】

[PART2]文武両道の“メガネくん”
メガネなのにエースで四番の倉橋永二(『ナイン』あだち充)
チームを支える名脇役・木暮公延(『スラムダンク』井上雄彦)
笑顔なき天才・月本誠(『ピンポン』松本大洋)
明訓から東大に入った男・北満男(『ドカベン』水島新司)
メガネコラム(2)【現実でも活躍する文武両道メガネキャラ】

[PART3]悩めるメガネっ娘たち
ド近眼が功を奏した長島アコ(『メガネちゃんのひとりごと』くらもちふさこ)
メガネがないと何も見えない西園寺まりい(『究極超人あ~る』ゆうきまさみ)
純粋メガネヒロイン・大滝篠奈(『屈折リーベ』西川魯介)
ビクトリア朝の奇跡のメガネ女子・エマ(『エマ』森薫)
メガネコラム(3)【メガネ女子はいつ市民権を得たか?】

[PART4]「メガネを外すと美人」幻想
“ミスめがね”近藤咲子がメガネを外すと……(『ミスめがねはお年ごろ』山岸凉子)
元祖キャリアウーマン・桂菊子の選んだ道は?(『スタンバイOKで~す!』大和和紀)
“経理部のAI”が大変身する田中京子(『セクシー田中さん』芦原妃名子)
おっさんドリームを体現する隠れ美女・椎名まなか(『踊れ獅子堂賢』常喜寝太郎)
あるあるネタを戯画化したメガ澤(『まかろにスイッチ』川田大智)
メガネコラム(4)【「メガネを外すと美人」のルーツは?】

[PART5]中間管理職の両極端メガネ
ダメな中間管理職の典型・富井富雄(『美味しんぼ』雁屋哲・花咲アキラ)
切れ者メガネコンビ・内海&黒崎(『機動警察パトレイバー』ゆうきまさみ)
時には体も張る愛すべき上司・西谷(『ドーベルマン刑事』武論尊・平松伸二)
哀れな末路をたどった憎まれ役・今野輝常(『課長島耕作』弘兼憲史)
メガネコラム(5)【学園ドラマの教頭はだいたいメガネ】

[PART6]文学少女にはメガネが似合う
男性読者にもウケた花岡数子(『花岡ちゃんの夏休み』清原なつの)
自己評価が低い文系サブカル女子・林田凛子(『アレンとドラン』麻生みこと)
稀少本のためなら手段を選ばない紙魚子(『栞と紙魚子』シリーズ・諸星大二郎)
傍若無人な天才文学少女・鮎喰響(『響~小説家になる方法~』柳本光晴)
メガネコラム(6)【メガネをかけた女性作家たち】

[PART7]オタクはメガネをクイッとする!?
オタクの中のオタク・班目晴信(『げんしけん』木尾士目)
マッドなさびしんぼう・すげこま(『GOD SAVE THE すげこまくん!』永野のりこ)
奇妙なメガネカップル・白山辰彦&三田民子(『白山と三田さん』くさかべゆうへい)
究極のメガネオタク・眼鏡橋華子(『眼鏡橋華子の見立て』松本救助)
メガネコラム(7)【漫画家&漫画家志望のメガネキャラ】

[PART8]ひ弱さの象徴としてのメガネ
復讐のいじめられっ子・浦見魔太郎(『魔太郎がくる!!』藤子不二雄(A))
国民的ヘタレ男子・野比のび太(『ドラえもん』藤子・F・不二雄)
一見優等生なボンクラ男子・町田一(『町田くんの世界』安藤ゆき)
本当は地上最強な川端強(『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』丸山恭右)
コラム(8)【メガネキャラ百花繚乱】

メガネとメガネキャラ年表

 
【デブキャラ編】

[PART1]デブ、それは食いしん坊
肉と油を愛する男・保ヶ辺勉(『めんつゆひとり飯』瀬戸口みづき)
デブでも人としてカッコいい大森利夫(『おいピータン!!』伊藤理佐)
試合中でも食事をとる向太陽(『あした天気になあれ』ちばてつや)
「うんまー!!」が決めゼリフ・丸山杏(『ぽちゃこい』ムラタコウジ)
デブコラム(1)【歴史上の食いしん坊たち】

[PART2]気は優しくて力持ち
真面目な現実主義者・左門豊作(『巨人の星』梶原一騎・川崎のぼる)
鈍足が唯一にして最大の弱点・山田太郎(『ドカベン』水島新司)
怪力だけど純情な巨漢・ヘボピー(『ワイルド7』望月三起也)
「鼻からうどん」の名演技・西寛一(『あしたのジョー』高森朝雄・ちばてつや)
デブコラム(2)【デブキャラというポジション】

[PART3]動けるデブ
食いしん坊でスケベだが強い猿飛肉丸(『さすがの猿飛』細野不二彦)
最強の殺し屋は太っても最強! 坂本太郎(『SAKAMOTO DAYS』鈴木祐斗)
規格外のパンチ力を誇る秋野おこめ(『ライスショルダー』なかいま強)
走攻守そろったデブ・結城愛(『オール・ザ・マーブルズ!』伊図透)
デブコラム(3)【この動けるデブがすごい!】

[PART4]ぽっちゃりに癒される
いつも笑顔で気遣い細やかな本橋紬(『ぽちゃまに』平間要)
名前のとおり上品で優雅な花鳥風月(『かろりのつやごと』小田ゆうあ)
仲良し4人組のいじられ役・桃苗あけび(『純情クレイジーフルーツ』松苗あけみ)
ついついイイ女ぶっちゃう月夜野真宵(『ぽちゃ娘は小悪魔ムーブがやめられない』房)
デブコラム(4)【ドラマ&CMのぽっちゃり癒しキャラ】

[PART5]無敵のポジティブデブ
心身ともにブレない稲田多摩子(『銀の匙』荒川弘)
記憶喪失で性格激変! 幸田夢子(『デブとラブと過ちと!』ままかり)
カワイコブリッコの怪人・大森似久子(『怪奇大盛!!肉子ちゃん』)
なぜか存在感バツグンの名古屋和彦(『柔道部物語』小林まこと)
デブコラム(5)【デブのステレオタイプを超えた人たち】

[PART6]ネガティブ&ダイエット
非モテをこじらせた獅子丸忍(『ボクはイケメン』きづきあきら+サトウナンキ)
仮想現実に夢を託した坂本拓郎(『ルサンチマン』花沢健吾)
小柄美人との格差を痛感した各務明子(『鏡の前で会いましょう』坂井恵理)
ダイエットの呪いにかかった花沢のこ(『脂肪という名の服を着て』安野モヨコ)
コラム(6)【ダイエット信仰はどこまでも】

デブとデブキャラ年表

 
あとがき

 

著者プロフィール

南信長(みなみ・のぶなが)さんは、1964年生まれ。マンガ解説者。朝日新聞読書面コミック欄のほか、各紙誌でマンガ関連記事を企画・執筆。

著書に『現代マンガの冒険者たち』『マンガの食卓』(ともにNTT出版)、『やりすぎマンガ列伝』(角川書店)、『1979年の奇跡』(文春新書)、『もにゅキャラ巡礼』(楠見清さんとの共著/扶桑社)など。2015年より手塚治虫文化賞選考委員も務める。

 

メガネとデブキャラの漫画史
南信長 (著)

魅力あふれるキャラたちに焦点を当て、60超の作品から変遷を紐解く「類のない」一冊!

マンガの中の定番として欠かせない「メガネキャラ」と「デブキャラ」。1970年代の少女マンガのヒロインから現在連載中の青年マンガまで幅広く取り上げ、マンガというメディアにおいて、メガネキャラとデブキャラがどのように描かれてきたのか、時代の変遷をたどる!

 


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