本のページ

SINCE 1991

三島由紀夫が最も信頼した外国人ジャーナリストが息子に明かした文豪の素顔とは ハリー杉山さんロングインタビューが『yom yom』12月号に掲載

ハリー杉山さん 撮影:坪田充晃(新潮社写真部)

ハリー杉山さん 撮影:坪田充晃(新潮社写真部)

ハリー杉山さんのロングインタビュー「僕と父と三島由紀夫」が新潮社の電子書籍文芸誌『yom yom』12月号(11月20日配信)に掲載されています。

 

ハリー杉山さんが語る父と“敵国の友人”三島由紀夫の交流

モデル、タレント、俳優として幅広い活躍を続けるハリー杉山さんは、『フィナンシャル・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』などの東京支局長を歴任した英国人ジャーナリストのヘンリー・スコット=ストークスさん(82)を父に持ちます。

 
会えない三島を追いかけて、そして三島の向こうに知らない父の姿を追いかけて――昭和から令和に至る、ある父と息子の物語に映し出された文豪の素顔にご注目ください。

掲載誌『yom yom』12月号

掲載誌『yom yom』12月号

【ハリー杉山さんからのコメント】

ヘンリーの息子である僕が三島さんに「生きる情熱」に欠けることを言ったら、きっと顔を真っ赤にして怒られるんでしょうね。

 
<内容紹介>

第二次世界大戦を経験したヘンリー・スコット=ストークスさんから見れば1960年代に訪れるまでの日本は「敵」、けっして良い印象を持てる国ではありませんでした。ところが取材で出会った三島由紀夫との交流をきっかけに、やがて日本人と結婚し家庭を構えるほどこの国を愛するようになります。

後年、世界各国で読まれる三島の伝記『The Life and Death of Yukio Mishima』も記す父がハリー杉山さんに語った三島の第一印象は「小さくて顔色が悪いのに態度が大きい」。待ち合わせに遅れて三島を激怒させたこともあるものの、やがて白黒はっきりものをいう日本人らしからぬ日本人に深く魅せられ、外国人として唯一「楯の会」の自衛隊体験入隊訓練の取材なども行ないました。

書斎には三島からの手紙や写真が山のようにありながら、また「あと数年生きていたら三島さんも絶対にノーベル賞が獲れた」と悔しそうに語りながら、しかしなぜか父は息子に三島の作品を読めとは言いませんでした。

そんな近くて遠かった三島由紀夫に改めて向き合ってみて思うことは、読む人の年齢や環境の変化によって次々と新しいテーマが見えてくる三島作品の奥深さ。たとえばLGBTQというテーマと価値観を終戦直後の日本に下した『仮面の告白』を、ハリー杉山さんは「とてつもなく進んでいて、三島さんの頭の中が恐ろしい」と語ります。

 

ハリー杉山さん プロフィール

ハリー杉山(はりー・すぎやま)さんは、1985年東京生まれ。株式会社テイクオフに所属。

英ウィンチェスターカレッジを卒業後帰国し、投資銀行勤務の傍らモデル活動を開始。その後ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(中国語専攻)へ進学。現在モデル、タレント、俳優として幅広く活躍している。

 

yom yom vol.65(2020年12月号)
ハリー杉山 (著), 酒井順子 (著), 三上延 (著), 荻上チキ (著), 橘蓮二 (著), 千加野あい (著), 榎田ユウリ (著), 最果タヒ (著), 朱野帰子 (著), 小佐野彈 (著), 加藤千恵 (著), 早坂吝 (著), 馳星周 (著), 橋本長道 (著), 中江有里 (著), 燃え殻 (著), 谷口菜津子 (著), 磯谷友紀 (著), 長谷川純子 (著), 藤原辰史 (著), 丸山ゴンザレス (著), 新井見枝香 (著), 千早茜 (著), 野口あや子 (著), 北村紗衣 (著), 清田隆之 (著), カレー沢薫 (著), 南沙良 (著), 長井短 (著), 島田彩 (著), 鴻巣友季子 (著), トミヤマユキコ (著), 今祥枝 (著), 渋谷直角 (著), パリッコ (著), 恒川光太郎 (著), 新潮社 (編集)

yom yomは、あらゆるジャンルの注目作品をお届けするクロスオーバー文芸誌(毎奇数月第3金曜に電子書籍で配信)。小説、コミック、詩歌に加え、最新カルチャーや国内外の社会情勢、思想・哲学の関連記事も満載です。vol.65(2020年12月号)は新連載に荻上チキ「ポリアモリー・レポート 複数愛のリアル」、三島由紀夫没後50年特別企画(酒井順子/三上延/ハリー杉山)、俳優・中村誠治郎インタビュー、特別寄稿に藤原辰史/鴻巣友季子など。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です