吉田修一さん『湖の女たち』が刊行 『悪人』『怒り』を超える衝撃!”吉田修一史上”「最悪の罪」と対峙せよ
新潮社は、『週刊新潮』連載時から過激なテーマと怒涛の展開で読者をざわつかせた問題作、吉田修一さん最新刊『湖の女たち』を刊行しました。
昨年デビュー20周年を迎えた吉田修一さんによる本作は、「上級国民」「優生思想」「組織的隠蔽」「倒錯性愛」……現代社会を象徴するテーマに斬り込みながら、それでも失われない希望を読者に与える、渾身の長編ミステリーです。
『悪人』『怒り』を超える衝撃! 吉田修一さんが挑む、刑事と容疑者に芽生えた“異端の愛”
琵琶湖に近い介護療養施設で、100歳の男が殺された。事件を追う刑事・圭介と、施設で働く佳代。男と女が出会ったとき、平穏だが退屈な日常は一変する。一方、週刊誌記者・池田は、死亡した男の過去に導かれ、旧満州・ハルピンにたどり着いた。やがて、被害者の秘められた過去によって、3人は追い詰められていくが……。
この憎悪が連鎖する時代だからこそ読んでほしい、希望と再生の物語です。
【あらすじ】
琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。事件を担当することになった圭介は、施設の関係者全員に事情聴取をするが、有力な情報が得られない。そして豪雨の夜、捜査に進展がなく苛立つ圭介が運転する車に、不注意運転の乗用車が衝突した。車を運転していたのは、施設で働くスタッフの一人、佳代だった――。
「会いたかったって言えよ」。事故の夜をきっかけに、二人の関係はねじれ、捜査が難航するのと比例するかのように深く絡まっていく。一方、事件を取材する若手週刊誌記者・池田は、死亡した男の過去に興味を抱き、旧満州・ハルピンを訪ねるが、そこで「日本の闇」ともいうべき真実と対峙する。
「この悔しさに、慣れてもいいのだろうか」――昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。
【著者コメント】
「流れの中へ飛び込んで、そこで夢のように過ごして、やがて小説ができる――そういう書き方じゃないと、この小説は書けなかった」(『波』2019年10月号より抜粋)
【推薦コメント】
「胸の奥が疼いている。ものすごい小説を吉田修一は書いた」――大森立嗣さん(映画監督)
「殺す者と殺される者、男と女、被虐者と嗜虐者――二者の関係は固定され、覆すことは不可能なのか」――中野信子さん(脳科学者・医学博士)
著者プロフィール
著者の吉田修一(よしだ・しゅういち)さんは、1968年生まれ。長崎県出身。法政大学卒業。1997年「最後の息子」で文學界新人賞を受賞し、デビュー。
2002年『パレード』で山本周五郎賞、同年発表の「パーク・ライフ」で芥川賞、2007年『悪人』で大佛次郎賞、毎日出版文化賞を、2010年『横道世之介』で柴田錬三郎賞、2019年『国宝』で「芸術選奨」文部科学大臣賞と中央公論文芸賞を受賞。
ほかに『橋を渡る』『犯罪小説集』『逃亡小説集』『続 横道世之介』など著書多数。
映像化された作品も多数で、『東京湾景』『女たちは二度遊ぶ』『7月24日通り』『悪人』『横道世之介』『さよなら渓谷』『怒り』『楽園』『路』に続き、『太陽は動かない』が映画化され(藤原竜也さん主演)2021年3月5日から公開予定。
湖の女たち 吉田 修一 (著) 琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。捜査で出会った男と女―謎が広がり深まる中、刑事と容疑者だった二人は、離れられなくなっていく。一方、事件を取材する記者は、死亡した男の過去に興味を抱き旧満州を訪ねるが……。昭和から令和へ、日本人が心の底に堆積させた「原罪」を炙りだす、慟哭の長編ミステリ。 |
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