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【第69回芸術選奨】文部科学大臣賞に山尾悠子さん、吉田修一さん、荒木飛呂彦さんら 新人賞に谷崎由依さんら

文化庁は3月6日、平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者を発表しました。

 

第69回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者が決定!

平成30年度(第69回)芸術選奨では、文部科学大臣賞には11部門で計19名の方が、新人賞には計11名の方が選ばれました。主な受賞者と業績は次の通りです。

 
■文部科学大臣賞

<文学>
◎山尾悠子さん(作家)=『飛ぶ孔雀』

◎吉田修一さん(小説家)=『国宝』

<評論等>
◎岡崎乾二郎さん(造形作家・批評家)=『抽象の力 近代芸術の解析』
◎古井戸秀夫さん(東京大名誉教授)=『評伝 鶴屋南北』

<メディア芸術>
荒木飛呂彦さん(漫画家)=「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」

 
■文部科学大臣新人賞

<文学>
◎谷崎由依さん(小説家)=『鏡のなかのアジア』

<評論等>
◎菅原真弓さん(大阪市立大教授)=『月岡芳年伝 幕末明治のはざまに』

 
全部門の受賞者の一覧および受賞理由、選考経過など詳細は、http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/__icsFiles/afieldfile/2019/03/05/a1414075_02_1.pdf をご覧ください。

なお、贈呈式は3月12日(火)に都内のホテルで開催されます。

 

芸術選奨について

「芸術選奨」は、芸術各分野において、優れた業績を挙げた者、またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨し、芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞を贈ることによって芸術活動の奨励と振興に資するものです。

演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論等、メディア芸術の11部門にて実施され、受賞者には賞状と、大臣賞には30万円、新人賞には20万円の賞金が贈られます。

 

飛ぶ孔雀
伝説の幻想作家、8年ぶりとなる連作長編小説。

シブレ山の石切り場で事故があって、火は燃え難くなった。
シブレ山の近くにあるシビレ山は、水銀を産し、大蛇が出て、雷が落ちやすいという。真夏なのに回遊式庭園で大茶会が催され、「火を運ぶ女」に選ばれた娘たちに孔雀は襲いかかる。
――「I 飛ぶ孔雀」
秋になれば、勤め人のKが地下の公営浴場で路面電車の女運転士に出会う。若き劇団員のQは婚礼を挙げ、山頂の頭骨ラボへ赴任する。地下世界をうごめく大蛇、両側を自在に行き来する犬、男たちは無事に帰還できるのか?
――「II 不燃性について」

「彗星のごとく戻ってきた山尾悠子が新たな神話圏を築いた」(清水良典氏)

国宝 (上) 青春篇
1964年元旦、長崎は老舗料亭「花丸」―侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、この国の宝となる役者は生まれた。男の名は、立花喜久雄。任侠の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。舞台は長崎から大阪、そしてオリンピック後の東京へ。日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか?朝日新聞連載時から大きな反響を呼んだ、著者渾身の大作。

抽象の力 (近代芸術の解析)
20世紀美術を動かした真の芸術家たちは誰か―。近代芸術はいかに展開したか、その根幹から把握する、美術史的傑作。

評伝 鶴屋南北(全2巻・分売不可)
《第一人者が半生を賭して著す空前絶後の大作歌舞伎を歌舞伎たらしめた狂言作者の生涯》

江戸歌舞伎の発展と成熟に多大な業績を残した狂言作者の生涯と作品を、第一人者が半生を賭し、同時代の人間模様と共に描く渾身の大作。

坪内逍遥が、日本のシェイクスピアに譬えた四世鶴屋南北、いわゆる大南北の生涯と作品を、同時代の役者や作者などの動向をふまえながら、第一人者が長年にわたる研究成果を基に書き下ろした畢生の大作。
中村座や市村座が立ち並ぶ芝居町の一角にある紺屋で産声をあげたとされる南北は作者部屋へと飛び込み、爾来75年に及ぶ生涯の50余年をその作者部屋で過ごしながら、押しも押されぬ狂言作者へと上り詰めた。
その自由自在な演劇構造──悪人が善人になり、善人は悪人に変わる。女だと思えば男、男が女にもなり、姫は遊女にもなった。歴史という名の時間も、人格も、男女の性までも自在に操られ、鮮やかな仕掛けで見物を引き込む筆づかいを見せた。
作品数は「九十数点に及ぶ」と著者は類推する。現在『鶴屋南北全集』には62作品が収録されているが、こぼれ落ちた写本も少なくはない。
一度は途絶えた南北再評価の動きは、大正の震災後、渥美清太郎を中心にするものだった。そしてそれ以降、日本の演劇は南北を求め続けている。五代目松本幸四郎をはじめとする役者を通して、南北の筆が探し求めて動いたものは何か。本書は南北を取り巻いて渦巻く「畸人」たちの群像ドラマでもある。

鏡のなかのアジア
チベット、台湾、クアラルンプール、京都……。
言葉の魔力がいざなう、アジアへの旅路。

はるかな歴史を持つ僧院で少年僧が経典の歴史に触れる「……そしてまた文字を記していると」、
雨降る村でかつて起こった不思議な出来事を描く「Jiufenの村は九つぶん」、
時空を超え、熱帯雨林にそびえる巨樹であった過去を持つ男の物語「天蓋歩行」など、
アジアの土地をモチーフに、翻訳家でもある気鋭の著者が描く、全五編の幻想短編集。

月岡芳年伝 幕末明治のはざまに
滅びゆく浮世絵の歴史の掉尾に位置し、今なお鮮烈な印象を与え続ける月岡芳年(1839-1892)。三十歳で明治維新に立ち会った絵師は、激動の時代を直視し、変転する「浮世」をリアルに描ききった―。報道、伝記・回顧録などの資料を博捜し、作品主題と構図に緻密な分析を加えることで、血肉を備えた一人の浮世絵師の人物像を浮かび上がらせる。

 
【関連】
平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について | 文化庁
平成30年度(第69回)芸術選奨受賞者一覧〔PDF〕

 


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