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辞書編集者が仕事で悩まされている日本語の不思議に迫った『悩ましい国語辞典』が緊急重版! カズレーザーさんが「激ハマリ本」として紹介 「すいぞっかん」はOKなのに「せんたっき」はダメ?

『悩ましい国語辞典』(著:神永曉さん/角川ソフィア文庫)オビ付き書影

『悩ましい国語辞典』(著:神永曉さん/角川ソフィア文庫)オビ付き書影

KADOKAWAは、5月24日に放送されたテレビ番組でカズレーザーさん(メイプル超合金)が「激ハマリ本」として紹介した『悩ましい国語辞典』(著:神永曉さん/角川ソフィア文庫)の緊急重版を決定しました。
今回の重版出来分からはカズレーザーさんの「切れ味よくてよみやすい」というコメントを付したオビを巻いて出荷されます。

 

「切れ味よくて読みやすい」カズレーザーさん激ハマリ本!

本書は、30年以上にわたって辞書の編集に携わってきた神永曉さんによるエッセイで、角川ソフィア文庫より2019年2月に刊行されました。

業界内でも名を知られた神永さんが、辞書編集者としての仕事で悩まされている日本語の不思議に迫った本書は、多くの読者の共感を呼び、ロングセラーとなっています。

 
今回はカズレーザーさんの紹介の後、書店から多数の注文が寄せられ、さらなる追加の重版についても検討中とのことです。

書店店頭用POP

書店店頭用POP

 

カズレーザーさんが本書のなかで「一番感心した」という【水族館】のエピソード(本書P.180~P.182より引用)

すいぞくかん【水族館】 〔名〕

「すいぞっかん」と言うのは大阪のおっさんだけ?

 
大晦日の夜は、お酒をちびりちびりやりながらテレビ漬けになるのが慣例になっている。その年の大晦日もチャンネルをいろいろ変えながらそうしていたところ、お笑いコンビのダウンタウンの二人が、何やら力の抜けたいい雰囲気で会話をしている場面に出くわした(日本テレビ系列「ダウンダウンのガキの使いやあらへんで!!」) 会話の内容は正確ではないかもしれないが、以下のようであった。

 
松本人志さんが「パンツを洗う機械って何て言う?」という質問をしたところ、相方の浜田雅功さんは「せんたっき」と答えた。さらに「魚がいっぱい泳いでいるのをガラスの向こうから見るところを何と言う?」という質問に、浜田さんは「すいぞっかん」と答える。それを聞いた松本さんが、お前のそういうとこ嫌やねん、大阪のおっさんみたいで、気色の悪い、とツッコミを入れていた。

 
だが、〝大阪のおっさん〟ではない筆者も、浜田さんと同じように、「せんたっき」「すいぞっかん」と言っているのである。もちろん「洗濯機」「水族館」の正しい読みは、「せんたくき」「すいぞくかん」で、国語辞典の見出し語もすべてその語形で表示されている。「せんたっき」「すいぞっかん」で引ける辞典はひとつもない。

 
ところが、日常語の標準的なアクセントと発音を示し、NHKアナウンサーのアクセントや発音の指標ともなっている『NHK日本語発音アクセント辞典』(日本放送出版協会)には、「せんたっき」はないのだが、「すいぞっかん」の方は記載されており、しかも「すいぞくかん」が併記されているのである。つまり、「すいぞっかん」の方が標準的な発音であるとNHKも認めているというわけである。

 
これは、NHKのアクセント辞典と並んで定評のある『新明解アクセント辞典』(三省堂)も同様である。

 
どちらの辞典も、「すいぞっかん」は認めて「せんたっき」を認めない理由は不明である。というのも、たとえば「濯(タク)」「族(ゾク)」のような二拍目が「ク」となる漢字は、その後に「k」の音で始まる漢字が続くと促音化、すなわち小文字の「ッ」で表記される発音になることがあるからである。「学校」を「ガッコウ」と発音するのもそれである。

 
もちろんすべてそのようになるというわけではなく、また、促音化は二拍目が「ク」となる漢字以外でも起こるのだが、「すいぞっかん」「せんたっき」はどちらもまさしくそれに当てはまるのである。

 
上記のアクセント辞典で示された発音は共通語の発音で、共通語=東京語ではないのだが、だからといって大阪語だというわけではない。松本さんが抱いている「大阪のおっさん」のイメージはよくわからないが、「すいぞっかん」「せんたっき」と言っているのは、浜田さんや「大阪のおっさん」だけでないことは確かである。

 

著者プロフィール

著者の神永曉(かみなが・さとる)さんは、1956年、千葉県生まれ。辞書編集者。元小学館辞書編集部編集長。

1980年、小学館の関連会社・尚学図書に入社。1993年、小学館に移籍。尚学図書に入社以来37年間辞書編集一筋の人生を送る。担当した辞典は『日本国語大辞典 第二版』『現代国語例解辞典』『使い方の分かる類語例解辞典』『標準語引き日本方言辞典』『例解学習国語辞典』『日本語便利辞典』『美しい日本語の辞典』など多数。2017年2月に小学館を定年で退社後も、『日本国語大辞典 第三版』に向けての編纂事業に参画している。

著書に『悩ましい国語辞典』(角川ソフィア文庫)、『さらに悩ましい国語辞典』(時事通信社)、『微妙におかしな日本語』『辞書編集、三十七年』(いずれも草思社)。

 

悩ましい国語辞典 (角川ソフィア文庫)
神永 曉 (著)

舌鼓は「したつづみ」か「したづつみ」か? 編集者泣かせの日本語表現。

辞書編集37年の立場から、言葉が生きていることを実証的に解説。意外だが、江戸時代にも使われた「まじ」。「お母さん」は、江戸後期に関西で使われていたが、明治の国定読本で一気に全国に。「がっつり」「ざっくり」「真逆」は最近使われ出した新しい言葉……。思いがけない形で時代と共に変化する言葉を、どの時点で切り取り記述するかが腕の見せ所。編集者を悩ませる日本語の不思議に迫る、蘊蓄満載のエッセイ。
カズレーザーさんが「激ハマリ本」としてテレビで紹介!!

 


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