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「ケーキの切れない非行少年たち」続編『どうしても頑張れない人たち』が10万部突破! シリーズ累計80万部に

宮口幸治さん著『どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2』

宮口幸治さん著『どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2』

2019年に刊行された宮口幸治さん著『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書)は、養老孟司さんやカズレーザーさん(メイプル超合金)など著名人が賛辞を送ったこともあり70万部を超えるベストセラーとなりました。宮口さん自身が原作者となったコミック版もヒットしています。

そして、この4月、続編として刊行されたのが『どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2』です。刊行直後から書店の新書ランキング上位にランクインし、ついに発売1ヵ月余で11万部に到達しました。これは前作(10万部まで約2か月)を大きく上回るペースです。 

 

「怠けているように見える人」の驚くべき真実とは

『ケーキの切れない非行少年たち』は、医療少年院にいる子供たちの衝撃的な実態を伝えて大きな話題を呼びました。そこに収容されている中には、丸いケーキを3等分するという簡単な問題に対応できない子供が少なからず存在しているのです。

 
知的障害ではないが、「境界知能」とされる人たちが、世の中には一定数いること、彼らの多くが生きていくのに困難を抱え、周囲も苦しんでいること。同書によって、そうした事実が世に広く知られるようになりました。

 
さまざまな反響の中には、こうした少年たちのその後が気になる、といった声や、またそうした人たちを支援するにはどうすればいいのか、といった疑問がありました。

『どうしても頑張れない人たち』は、そうした声や疑問に答える一冊となっています。そのため発売直後から、単なる続編というだけではなく、「実践編」あるいは「応用編」として読めた、といった感想が多く寄せられたそうです。

 
努力はとても尊いことである――そんな正論に異を唱える人はいません。

しかし一方で、「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていません。それは「ケーキの切れない非行少年たち」とかなり重なります。彼らはサボっているわけではなく、頑張り方がわからず、苦しんでいるのだ、と著者は言います。

そして、彼らは彼らで苦しみ、困っているのです。「やればできる」と安易に励まされても、そもそも「やり方」がわからないのですから。

 
そんな人たちを適切に支援するための知識とメソッドを、児童精神科医としての長年の経験をもとにまとめたのが本書です。

 

本書の構成

はじめに

第1章 「頑張ったら支援する」の恐ろしさ

第2章 「頑張らなくていい」は本当か?

第3章 頑張ってもできない人たち

第4章 やる気をうばう言葉と間違った方法

第5章 それでも認められたい

第6章 支援者は何をどうすればいいのか

第7章 支援する人を支援せよ

第8章 “笑顔”と“ホスピタリティ”

おわりに

 

著者プロフィール

著者の宮口幸治(みやぐち・こうじ)さんは、立命館大学産業社会学部教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。

児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、2016年より現職。医学博士、臨床心理士。

著書に『ケーキの切れない非行少年たち』などがある。

 

どうしても頑張れない人たち~ケーキの切れない非行少年たち2 (新潮新書)
宮口 幸治 (著)

「頑張る人を応援します」。世間ではそんなメッセージがよく流されるが、実は「どうしても頑張れない人たち」が一定数存在していることは、あまり知られていない。彼らはサボっているわけではない。頑張れないがゆえに、切実に支援を必要としているのだ。大ベストセラー『ケーキの切れない非行少年たち』に続き、困っている人たちを適切な支援につなげるための知識とメソッドを、児童精神科医が説く。

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書)
宮口 幸治 (著)

児童精神科医である著者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

 


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