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【訃報】俳人・後藤比奈夫さんが死去 句集『めんない千鳥』で蛇笏賞

俳人の後藤比奈夫(ごとう・ひなお=本名:後藤日奈夫)さんが6月5日、老衰のため神戸市内の病院で死去しました。103歳。大阪市出身。葬儀は近親者で営みます。喪主は長男・立夫さん(故人)の妻・久子さんと、長女・岡田方子(まさこ)さん。後日、お別れの会が開かれる予定。

 
後藤比奈夫さんは、高浜虚子の弟子だった後藤夜半の長男として、1917年に生まれます。1941年、大阪帝国大学(現・大阪大学)理学部卒業。1954年から俳誌「諷詠(ふうえい)」編集兼発行人を務め、1976年に父・後藤夜半から主宰を引き継ぎます。2012年より「諷詠」名誉主宰。

2002年に句集『沙羅紅葉』で俳句四季大賞、2006年に亡き妻・恒子さんを詠んだ句集『めんない千鳥』で蛇笏賞、2015年に山本健吉賞、2017年に句集『白寿』で詩歌文学館賞を受賞。俳人協会副会長、同顧問などを歴任。

句集に『初心』『金泥』『花匂ひ』『紅加茂』『残日残照』『夕映日記』『あんこーる』『喝采』など。

 

句集 めんない千鳥
後藤 比奈夫 (著)

平成13年から15年の間に作られた俳句を収録。

喝采
後藤 比奈夫 (著)

◆第十六句集
こんなとき喝采起こる涼しさよ

第十五句集『あんこーる』と洒落れてみた。題簽の面白さと内容の軽やかさが相俟って、次は『カーテンコール』をという提案があったが、私はコールは一回でよいと思い、次に出すなら『喝采』と心に決めた。それがこの句集である。
(著者)

 


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