文庫書き下ろし6,900万部超!人気シリーズ多数の佐伯泰英さんが齢80を前に年1作の単作に挑戦 江戸時代の船のレースを描く『新酒番船』を刊行
光文社は、文庫書き下ろし作品の総刊行点数6,900万部を超える人気作家・佐伯泰英さんの新作『新酒番船』を、6月10日に光文社文庫より刊行します。
江戸時代、人々が熱狂した船のレースの世界が生き生きと蘇る!
タイトルの「新酒番船」とは、江戸時代に酒造りの発達した関西から江戸まで、その年の新酒を運ぶレースをした船のことです。
到着地の品川沖まで一番乗りを果たした船は「惣一番」の称号を得て、一年間、その銘柄の酒は高額で取引されたといいます。
本社尾は、実際に江戸時代におこなわれていた船のレースを題材に、海に憧れる若い主人公・海次が冒険に飛び出していく爽やかな小説です。主人公の幼なじみ・小雪との淡い恋愛模様も描かれます。
『新酒番船』は、堅苦しくなく読める「読み切り」の作品。若い男女が置かれた境遇や運命に悩みながらも、自らの未来を切り開いていく物語は、現代にも共通する価値を描いています。
カバーは、文庫では珍しく、裏表紙側まで全面にイラストが入った特別仕様。小林万希子さんの描く美しい浜辺と海の風景が広がる、美しい一冊となっています。
<あらすじ>
海次は18歳。丹波杜氏である父に倣い、灘の酒蔵・樽屋の蔵人見習となったが、海次の興味は酒造りより、新酒を江戸に運ぶ新酒番船の勇壮な競争にあった。番船に密かに乗り込む海次だったが、その胸にはもうすぐ兄と結婚してしまう幼なじみ、小雪の面影が過っていた――。海を、未知の世界を見たい。若い海次と、それを見守る小雪、ふたりが歩み出す冒険の物語。
佐伯泰英さんコメント――「『新酒番船』に挑戦した理由」
時代小説に転じて二十余年、主にシリーズものを手掛けてきた。どのシリーズも十数年書き続けて結構な巻数になった。作者八十歳を前に、なじみの主人公の名前を思い出せなくなった。まして脇役だと、「そんな人、このシリーズにいた」って感じだ。額にかけた眼鏡を探すように長い付き合いの主人公や脇役の名前を、既刊本をひっくり返して探して回っている。
新作を書けばそんなバカげた時間の浪費はあるまいと、書いたのが『新酒番船』です。というのは半分ほんと、半分は嘘の経緯だ。
ともかく新たな作風の小説に挑戦したかったのだ。あるいは酒にまつわる話にとりこになったというべきか。
そんなわけで久しぶりの新作刊行です。
楽しんでいただければ幸甚です。
あとがきにも書きましたように一年に一作のペースで単作の物語に挑戦したい、と思っています。
次作刊行の折は、コロナ・ウイルスめ、世界から収束していろよ!
佐伯泰英さん プロフィール
著者の佐伯泰英(さえき・やすひで)さんは、1942年、北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、おもにノンフィクション作品を発表する。
1999年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書き下ろし作品のみで累計6,900万部突破の快挙を成し遂げる。大好評の「吉原裏同心」「夏目影二郎始末旅」シリーズ(光文社)のほか、2019年に映画化された「居眠り磐音」や、「酔いどれ小籐次」「新・酔いどれ小籐次」「交代寄合伊那衆異聞」「古着屋総兵衛影始末」「新・古着屋総兵衛」「鎌倉河岸捕物控」「空也十番勝負 青春篇」などの各シリーズで幅広い読者層から支持を得ている。
★佐伯泰英さん公式サイト:https://www.saeki-bunko.jp/
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