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ユヴァル・ノア・ハラリさん全文公開第3弾!新型コロナウイルス感染拡大の中、人類は「死」に対してどう向かい合うべきか 英「The Guardian」紙記事を柴田裕之さんが翻訳

ユヴァル・ノア・ハラリさん

ユヴァル・ノア・ハラリさん

世界的歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリさんは、2020年4月20日付のイギリス有力紙「The Guardian」に「新型コロナウイルスで、死に対する私たちの態度は変わるだろうか? いや、まったくその逆だ(原題:Will coronavirus change our attitudes to death? Quite the opposite)」と題した記事を寄稿しました。

『サピエンス全史』ほかハラリさんの全著作を日本において翻訳・出版する河出書房新社は、ハラリさんの著作全てを訳した柴田裕之さんによる本記事の翻訳を、4月28日より自社サイト「Web河出」で特別全文公開しました(全文日本語訳約6,000字)。

 

「科学・医療の進化による、人間の生と死についての考え方」「新型コロナウイルス流行後、政府が、そしてわれわれ一人ひとりが取り込むべきこと」を鋭く考察

<記事内でユヴァル・ノア・ハラリさんが記している見解>

■このパンデミックが終息したとき、人類はどうなっているか――

私たちは人命を守ろうと、なおさら努力するようになる可能性が高い。もっと多くの病院と医師と看護師、もっと多くの人工呼吸器や防護服や検査キットの備蓄が必要だ、未知の病原体を研究し斬新な治療法を開発するためにもっと多くの資金を投入するべきだ、と。二度と不意を衝かれないように。

■一方、科学の進化、医療の進化があっても変わらないものとは何か――

現在必要とされているのは、バランスの取れたアプローチだ。医学の進歩は寿命を延ばし革命的な治療法を開発してきた。感染症に対処するにあたってももちろん科学を信頼すべきだ。しかし、人間は一時的かつ脆弱な存在であり、必ず死ぬという事実に取り組む責務も、依然として担わなくてはならない。

■新型コロナウイルス流行後、政府が、そしてわれわれ一人ひとりが取り込むべきこととは何か――

政府はなんとしても、より良い医療制度を構築することに専念すべきだ。そして、われわれ一人ひとりは、生の意義や人間の存在にまつわる哲学的な謎について真剣に取り組むべきである。そのための時間を医学が少し延ばしてくれているのだから。

 
★Web河出:http://web.kawade.co.jp/bungei/3492/http://web.kawade.co.jp/bungei/3492/

 
なお、ハラリさんが記した新型コロナウイルスに関する寄稿文「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか」(アメリカ「TIME」誌2020年3月15日付)、「新型コロナウイルス後の世界――この嵐もやがて去る。だが、今行なう選択が、長年に及ぶ変化を私たちの生活にもたらしうる」(イギリス「FINANCIAL TIMES」紙2020年3月20日付)についても、「Web河出」で柴田裕之さんによる全文翻訳を公開中です。

★第1弾「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか」(アメリカ「TIME」誌2020年3月15日付)
http://web.kawade.co.jp/bungei/3455/http://web.kawade.co.jp/bungei/3455/

★第2弾「新型コロナウイルス後の世界――この嵐もやがて去る。だが、今行なう選択が、長年に及ぶ変化を私たちの生活にもたらしうる」(イギリス「FINANCIAL TIMES」紙2020年3月20日付)
http://web.kawade.co.jp/bungei/3473/http://web.kawade.co.jp/bungei/3473/

 

ユヴァル・ノア・ハラリさん プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)さんは、1976年生まれのイスラエル人歴史学者・哲学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。

軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。著書『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21Lessons』(いずれも河出書房新社)は世界的なベストセラーとなっている。

 

21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考
ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)

『サピエンス全史』で人類の「過去」を、『ホモ・デウス』で人類の「未来」を描き、世界中の読者に衝撃をあたえたユヴァル・ノア・ハラリ。本書『21 Lessons』では、ついに人類の「現在」に焦点をあてる―。テクノロジーや政治をめぐる難題から、この世界における真実、そして人生の意味まで、われわれが直面している21の重要テーマを取り上げ、正解の見えない今の時代に、どのように思考し行動すべきかを問う。いまや全世界からその発言が注目されている、新たなる知の巨人は、ひとりのサピエンスとして何を考え、何を訴えるのか。すべての現代人必読の21章。

★ユヴァル・ノア・ハラリ『21Lessons 21 世紀の人類のための21 の思考』特設サイト:http://www.kawade.co.jp/21lessons/

 
【関連】
全文公開第三弾! ユヴァル・ノア・ハラリ氏(『サピエンス全史』ほか)が語る、 新型コロナウイルス感染拡大のなかで、 われわれは「死」に対しどう向かい合うべきか。 The Guardian紙記事、全文翻訳を公開。|Web河出

 


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