ユヴァル・ノア・ハラリさん『ホモ・デウス』が文庫化 「序文」を緊急寄稿
河出書房新社は、ユヴァル・ノア・ハラリさんの主著『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』を文庫化し、河出文庫より刊行しました(上・下巻)。
ハラリさんが2016年に著した『ホモ・デウス』は今世紀私たちが直面する衝撃の未来を描いた作品で、世界で1,000万部以上発行の大ベストセラー。また今回、日本での文庫化に際し、ハラリさんが巻頭に8ページもの「文庫版への序文」を緊急寄稿。コロナ禍、ウクライナ侵攻を受け、『ホモ・デウス』で訴えたことを検証しつつ、未来に向けての新たな重大な提言が掲載されています。
人類の「いま」の選択肢を示す、ハラリさん氏の最新重大提言掲載!
『ホモ・デウス』は2018年9月に河出書房新社が刊行し、日本で43万部を超えるベストセラーです。人類史を大胆に再定義した『サピエンス全史』(世界2,300万部、日本110万部)、今日の諸課題を斬新に提起する『21Lessons』(世界600万部、日本24万部)と並ぶ大著であり、深い考察に満ちた著者ユヴァル・ノア・ハラリさんの代表作の一つです。
旧来の神話や宗教、イデオロギーが斬新なテクノロジーと結びついたときに何が起きるのかを考えて書かれた『ホモ・デウス』では、「新たなエボラ出血熱が発生したり、未知のインフルエンザ株が現れたりして地球を席巻し、何百万もの人命を奪うことがないと言い切れないものの、私たちは将来そういう事態を、避けようのない自然災害と見なすことはないだろう。むしろ、弁解の余地のない人災と捉え」るはずだ、と主張し、現在世界に蔓延する新型コロナウイルスを予見しつつ、疫病や感染症への政治的対応について強い警鐘を鳴らしていました。
本作については、世界の多くの著名人・知識人から推薦の言葉が寄せられています。
◆カズオ・イシグロさん「優れた作品である『サピエンス全史』よりも面白く読める、より重要な作品である」(ノーベル文学賞受賞者)
◆ビル・ゲイツさん「人類にとって何が待ち受けているのか、思慮深い考察を著している」(マイクロソフト創業者)
◆ダニエル・カーネマンさん「あなたに衝撃を与え、楽しませ、そしてなによりも以前は考えたこともないような方法であなたを考えさせる」(ノーベル経済学賞受賞者)
◆山極壽一さん「科学技術の終焉か? パンドラの箱が今開く。」(総合地球環境学研究所所長)
◆佐々木俊尚さん「人類史と先端テクノロジーを見事に融合した傑作。」(作家、ジャーナリスト)
新規収録「文庫版への序文」の内容とは
「人類の未来」を著した本書『ホモ・デウス』ですが、発表から6年経過するなかで、当時予測していた内容と現在が交錯し、懸念していたことが予想よりも早く現実化してしまったこともあります。特に〈コロナ禍〉と〈戦争〉は、ハラリさんが近未来を心配しつつ、これを乗り越えることもできると期待をしていながらも、悪い予測が現実となってしまいました。
戦争と貧困と病気の新時代、さらに世界秩序が揺らぐ中、人類に残された可能性を提示しつつ、賢明な選択を取ることを心から願うハラリ氏のメッセージが込められた序文です。
この序文と合わせて『ホモ・デウス』で訴えていることの重要性が、いま高まっています。「文庫版への序文」全文については、本書をお読みください。
著者プロフィール
著者のユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)さんは、1976年生まれのイスラエル人歴史学者・哲学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。
軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行い、多くの受講者を獲得している。著書『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』(いずれも河出書房新社)は世界的なベストセラーとなっている。
ホモ・デウス 上: テクノロジーとサピエンスの未来 (河出文庫) ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田 裕之 (翻訳) ついに待望の文庫版登場! 世界的ベストセラー『サピエンス全史』に続いて放つ衝撃の未来。カズオ・イシグロ、ビル・ゲイツ絶賛。 |
ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来 (河出文庫) ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田 裕之 (翻訳) |
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