【2020年本屋大賞】凪良ゆうさん『流浪の月』が受賞
「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」を決める「2020年本屋大賞」の受賞作が決定しました。
なお、今回はコロナウィルスの感染拡大の抑止のため、発表会自体を行わず、事前録画による動画配信にて発表されました。
「2020年本屋大賞」が決定!
2020年本屋大賞では、一次投票には全国の477書店より書店員586人、二次投票では300書店、書店員358人がノミネート作品をすべて読んだ上でベスト3を推薦理由とともに投票しました。
順位と得票は次の通りです。
【ノミネート作品 順位】
大賞 凪良ゆうさん『流浪の月』(東京創元社)432点
2位 小川糸さん『ライオンのおやつ』(ポプラ社)380点
3位 砥上裕將さん『線は、僕を描く』(講談社)327点
4位 横山秀夫さん『ノースライト』(新潮社)275.5点
5位 川越宗一さん『熱源』(文藝春秋)214点
6位 相沢沙呼さん『medium霊媒探偵城塚翡翠』(講談社)198点
7位 川上未映子さん『夏物語』(文藝春秋)156点
8位 知念実希人さん『ムゲンのi』(双葉社)147.5点
9位 早見和真さん『店長がバカすぎて』(角川春樹事務所)105.5点
10位 青柳碧人さん『むかしむかしあるところに、死体がありました。』(双葉社)91.5点
大賞を受賞した凪良ゆうさんは、滋賀県生まれ。2006年に『小説花丸』2006年冬の号に中編「恋するエゴイスト」が掲載され、2007年に長編『花嫁はマリッジブルー』で本格的デビュー。以降、各社でBL作品を精力的に刊行し、デビュー10周年を迎えた2017年には初の非BL作品『神さまのビオトープ』を発表、作風を広げます。今回の受賞作は初の一般文芸作品。
翻訳小説部門の結果について
2020年本屋大賞の翻訳小説部門の結果は次の通りです。
1位 ソン・ウォンピョンさん『ア-モンド』(訳:矢島暁子さん/祥伝社)
2位 ルシア・ベルリンさん『掃除婦のための手引き書』(訳:岸本佐知子さん/講談社)
3位 劉慈欣さん『三体』(訳:大森望さん、光吉さくらさん、ワン・チャイさん/早川書房)
本屋大賞について
本屋大賞は、出版不況の中、「商品である本と、顧客である読者を最も知る立場にいる書店員が、売れる本を作っていく、出版業界に新しい流れをつくる、ひいては出版業界を現場から盛り上げていけないか」という趣旨で設立され、「NPO法人 本屋大賞実行委員会」が運営。書店(オンライン書店を含む)の書店員の投票によってノミネート作品および受賞作が決定されます。
【発表会 動画】
◆ロング版30分
◆ショート版3分
流浪の月 凪良 ゆう (著) 2020年本屋大賞受賞 せっかくの善意をわたしは捨てていく。 あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。 |
アーモンド ソン・ウォンピョン (著), 矢島暁子 (翻訳) “感情”がわからない少年・ユンジェ。 「ばあちゃん、どうしてみんな僕のこと変だって言うの」 |
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