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芥川賞&直木賞(平成29年上半期) 候補作が決定

日本文学振興会は6月20日、第157回芥川龍之介賞(平成29年上半期)および第157回直木三十五賞(平成29年上半期)の候補作品を発表しました。

芥川龍之介賞、直木三十五賞ともに、平成29年7月19日(木)午後5時より築地・新喜楽で選考委員会が開催され、それぞれ受賞作品が決定します。

 
芥川賞と直木賞は、1935(昭和10)年に制定され、芥川賞は新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品の中から優れた作品に贈られます。

芥川賞は主に無名・新進作家が、直木賞は無名・新進・中堅作家が対象となります。受賞者には正賞として時計、副賞として賞金100万円が授与されます。

 

芥川賞 候補作

候補作は以下の通りです。〔敬称略〕

 
【芥川賞 候補作】

今村夏子(いまむら・なつこ)『星の子』(小説トリッパー 春号 掲載)
温又柔(おん・ゆうじゅう)『真ん中の子どもたち』(すばる 4月号 掲載)
沼田真佑(ぬまた・しんすけ)『影裏(えいり)』(文學界 5月号 掲載)
古川真人(ふるかわ・まこと)『四時過ぎの船』(新潮 6月号 掲載)

 
【候補者 プロフィール】

今村夏子さんは、1980年広島県広島市生まれ。2010年に『あたらしい娘』(のちに「『こちらあみ子』に改題)で第26回太宰治賞を受賞。『こちらあみ子』は、第24回三島由紀夫賞も受賞。2016年に文学ムック『たべるのがおそいvol.1』掲載の『あひる』が2016年上半期芥川賞候補となっています。同作はのちに単行本化され、第5回河合隼雄物語賞を受賞

 
温又柔さんは、1980年台湾・台北市生まれ。3歳より東京在住。法政大学大学院国際文化専攻修士課程修了。2009年に『好去好来歌』で第33回すばる文学賞佳作を受賞。2011年、同作品を収録した『来福の家』を刊行。2016年に『台湾生まれ 日本語育ち』で第64回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。

 
沼田真佑さんは、1978年北海道小樽市生まれ。西南学院大学卒。2017年に『影裏』で第122回文學界新人賞を受賞。

 
古川真人さんは、1988年福岡県福岡市生まれ。2016年に『縫わんばならん』で第48回新潮新人賞を受賞しデビュー。同作は、第156回芥川賞の候補にもなっています。

 

直木賞 候補作

候補作は以下の通りです。〔敬称略〕

 
【直木賞 候補作】

木下昌輝(きのした・まさき)『敵の名は、宮本武蔵』(KADOKAWA)
佐藤巖太郎(さとう・がんたろう)『会津執権の栄誉』(文藝春秋)
佐藤正午(さとう・しょうご)『月の満ち欠け』(岩波書店)
宮内悠介(みやうち・ゆうすけ)『あとは野となれ大和撫子』(KADOKAWA)
柚木麻子(ゆずき・あさこ)『BUTTER』(新潮社)

 
【候補者 プロフィール】

木下昌輝さんは、1974年大阪府大阪市生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業。ハウスメーカーに勤務後、フリーライターとして活動。2012年に『宇喜多の捨て嫁』で第92回オール讀物新人賞を受賞。2014年、同作を収録した『宇喜多の捨て嫁』でデビュー。同作は第152回直木賞の候補にもなっています。

 
佐藤巖太郎さんは、1962年福島県福島市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。会社員を経て、2011年に『夢幻の扉』で第91回オール讀物新人賞を受賞。2016年に『啄木鳥』で第1回決戦!小説大賞を受賞。2017年に『会津執権の栄誉』で単行本デビュー。

 
佐藤正午さんは、1955年長崎県佐世保市生まれ。北海道大学文学部中退。1983年に『永遠の1/2』で第7回すばる文学賞を受賞。同作品でデビュー。2014年刊行の『鳩の撃退法』で第6回山田風太郎賞を受賞。

 
宮内悠介さんは、1979年東京都生まれ。早稲田大学第1文学部卒業。2010年に『盤上の夜』で第1回創元SF短編賞山田正紀賞を受賞、2012年に同作収録の『盤上の夜』で単行本デビュー。『盤上の夜』は第147回直木賞候補にもなっており、また第33回日本SF大賞も受賞。『ヨハネスブルグの天使たち』で第149回直木賞候補。『アメリカ最後の実験』で第29回山本周五郎賞候補。『カブールの園』(2016年『文學界』10月号掲載)で第156回芥川賞候補。『カブールの園』は2017年に単行本化され、第30回三島由紀夫賞を受賞

 
柚木麻子さんは、1981年東京都生まれ。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に『フォーゲットミー・ノットブルー』で第88回オール讀物新人賞を受賞。同作を含めた単行本『終点のあの子』でデビュー。
『伊藤くんAtoE』で第150回直木賞候補、『本屋さんのダイアナ』で第151回直木賞候補、『ナイルパーチの女子会』で第153回直木賞候補。なお、同作は第28回山本周五郎賞と第3回高校生直木賞を受賞しています。

なお、選考委員は次の通りです。〔敬称略〕
●芥川賞:小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、高樹のぶ子、堀江敏幸、宮本輝、村上龍、山田詠美、吉田修一

●直木賞:浅田次郎、伊集院静、北方謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、東野圭吾、宮城谷昌光、宮部みゆき

 

敵の名は、宮本武蔵
自らの命と引き替えに、その強さを知った―剣聖と呼ばれた男の真の姿とは―。7人の敗者たちから描く、著者渾身の最新歴史小説。

 
会津執権の栄誉
相次ぐ当主の早世により、男系の嫡流が途絶えた会津守護、芦名家。近隣の大名から婿養子として当主を迎えることになったが、それをきっかけに家中に軋轢が生じる。一触即発の家臣たちをなんとかまとめていたのは家臣筆頭であり「会津の執権」の異名を持つ金上盛備。しかし彼も老齢にさしかかり、領土の外からは伊達政宗の脅威が迫っていた。

 
月の満ち欠け
新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし
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あとは野となれ大和撫子
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BUTTER
結婚詐欺の末、男性3人を殺害したとされる容疑者・梶井真奈子。世間を騒がせたのは、彼女の決して若くも美しくもない容姿と、女性としての自信に満ち溢れた言動だった。週刊誌で働く30代の女性記者・里佳は、親友の伶子からのアドバイスでカジマナとの面会を取り付ける。だが、取材を重ねるうち、欲望と快楽に忠実な彼女の言動に、翻弄されるようになっていく―。読み進むほどに濃厚な、圧倒的長編小説。

 
【関連】
芥川龍之介賞|公益財団法人日本文学振興会
直木三十五賞|公益財団法人日本文学振興会

 


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