「第10回山田風太郎賞」候補作が決定 今村翔吾さん、小野不由美さん、川越宗一さん、月村了衛さん、葉真中顕さんの計5作品
KADOKAWAは9月30日、過去一年間で最も「面白い」と評価されたエンタテインメント小説に贈られる「第10回山田風太郎賞」の候補作品を発表しました。
「第10回山田風太郎賞」候補作品を発表!
第10回山田風太郎賞の候補作品は、次の5作品です。
■「第10回山田風太郎賞」候補作品
◎今村翔吾さん『童の神』(角川春樹事務所)
◎小野不由美さん『営繕かるかや怪異譚 その弐』(KADOKAWA)
◎川越宗一さん『熱源』(文藝春秋)
◎月村了衛さん『欺す衆生』(新潮社)
◎葉真中顕さん『Blue』(光文社)
本賞の選考委員は奥泉光さん、京極夏彦さん、筒井康隆さん、林真理子さん、夢枕獏さん(※下記写真左より/五十音順)が務めます。選考会は10月18日に東京會舘にて開催。
山田風太郎賞について
山田風太郎賞は、戦後日本を代表する大衆小説作家・山田風太郎さんの独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するため、2010年にスタート(創設は2009年)された文学賞です。株式会社KADOKAWAと公益財団法人角川文化振興財団が主催。
毎年9月1日から翌年8月31日までに書籍として発表された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと評価された日本の小説作品に贈られます。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。受賞者には、正賞として記念品、副賞として賞金100万円が贈られます。
童の神 今村翔吾 (著) 平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。彼らは鬼、土蜘蛛、滝夜叉、山姥……などの恐ろしげな名で呼ばれ、京人から蔑まれていた。 |
営繕かるかや怪異譚 その弐 小野 不由美 (著) かつて花街だった古い町の実家に戻ってきた貴樹。書斎として定めた部屋の鏡を何気なくずらしてみると、芸妓のような女が見えた。徐々にその女から目が離せなくなり…。(「芙蓉忌」より)。佐代は『通りゃんせ』の歌が嫌だ。子供のころ、夕暮れの闇が迫る中、怖いのを我慢して神社への石畳の道を走っていると、袴を穿いた鬼に出会い―。(「関守」より)。三毛猫の小春は交通事故で死んでしまった。あるとき息子が裏の古い空家から小春の声がするという。得体の知れない「何か」は徐々に迫ってきて―。(「まつとし聞かば」より)。住居にまつわる怪異や障りを、営繕屋・尾端が、いとも鮮やかに修繕し、解決へと導く―極上のエンターテインメント。 |
熱源 川越 宗一 (著) 故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。北海道のさらに北に浮かぶ島、樺太(サハリン)。人を拒むような極寒の地で、時代に翻弄されながら、それでも生きていくための「熱」を追い求める人々がいた。明治維新後、樺太のアイヌに何が起こっていたのか。見たことのない感情に心を揺り動かされる、圧巻の歴史小説。 |
欺す衆生 月村 了衛 (著) 人はなぜ、人を欺し続けなければ生きていけないのか。 戦後最大かつ現代の詐欺のルーツとされる横田商事事件。その目撃者であり末端の営業マンであった隠岐は、かつての同僚の因幡と再開。導かれるがまま〈ビジネス〉を再興する。 人間の業と欲を徹底的に炙り出す、規格外の犯罪巨編。 |
Blue 葉真中 顕 (著) 平成元年に生まれた男。平成15年に迷宮入りした教員一家惨殺事件。平成が終わる直前に起きた男女殺人事件。ひとつの時代の中でつながっていく真実。児童虐待、貧困、外国人労働者。格差社会の生んだ闇に迫る、クライムノベルの決定版! |
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