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【第12回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞】歌人・小説家の小佐野彈さんが受賞

NPO法人「わたくし、つまりNobody」は1月29日、第12回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」の受賞者を発表しました。

 

第12回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」が決定!

第12回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」には、歌人・小説家の小佐野彈さんが選出されました。

 
第一歌集『メタリック』について、「男と女という二項対立を等身大のリアリティで超えるやわらかなセクシュアリティと、人を恋うる気持ちの普遍性があり、それを衒いなく描く健康な感性と、古典的でありながら新鮮な言語感覚に大きな魅力がある」と評し、「短歌以外のジャンルにも積極的に挑戦しながら、既成の価値観を超えて「未だ言葉にされ得ないもの」に迫ろうとする小佐野氏の表現に期待」しての授賞となりました。

 
受賞者の小佐野彈さんは、1983年生まれ。東京出身。慶應義塾大学経済学部卒業。2017年「無垢な日本で」で短歌研究新人賞を受賞。 2018年に第一歌集『メタリック』を刊行。 2019年、文芸誌『すばる』に掲載された中篇小説「車軸」で小説家デビュー。 「かばんの会」所属。

 
小佐野さんには、正賞として記念メダル「メビウスの帯」、副賞として賞金100万円が贈られます。

なお、表彰式と記念講演会ならびに懇親会は、3月4日(月)午後6時30分より東京・神田神保町の出版クラブホール4階にて開催。
一般の方も参加できます。参加を希望する方は、2月25日までに公式サイト(https://www.nobody.or.jp/info/detail.php?n=94)より「参加申込書」をダウンロードし、郵送/FAX/メールにて申し込みください。参加費は5,000円(同NPOの会員の方は無料)。

 
受賞者の略歴、授賞理由など詳細は、https://www.nobody.or.jp/jushou/12_osano/ をご覧ください。

 

「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」について

「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」は、日本語による「哲学エッセイ」を確立した文筆家の故・池田晶子さんの意思と業績を記念し、新しい言葉の担い手に向けて創設された文学賞です。賞の創設関係者が中心となって設立した「NPO法人 わたくし、つまりNobody」が主催し、運営。

「ジャンルを問わず、ひたすら考えること、それを言葉で表わし、結果として新たな表現形式を獲得しようとする人間の営みに至上の価値」を置き、「考える日本語の美しさ、その表現者としての姿勢と可能性」を顕彰し、応援していくことを目的とします。

なお、賞の名前は、池田晶子さんの作品「わたくし、つまりNobody」に由来しています。

 
賞の選考は、個人賛助会員をはじめとする同法人の会員が事務局に推薦した候補者のなかから、また投稿作品を添えて自らを推薦した応募者のなかから、賞の創設関係者等を中心とする会員の選考メンバーが当該年度の授賞を決定します。

 

■小佐野彈さん第一歌集
メタリック
オープンリーゲイとして、生きる自分の等身大の言葉を、短歌という、31文字の文学で表現する。
短歌界でもっとも伝統ある短歌研究新人賞を受賞!
衝撃デビューをはたした最注目歌人の第一歌集。

「無垢な日本」で生きるLGBTの青年たちは、帰る場所を持たず、夜に輝く。
社会への怒りと苦悩、希望と諦念、そして歓び・・・、
割り切れない思いを胸に抱え続ける人々のありのままの裸の姿をつむぐ、心に突き刺さる370のまったく新しい歌。

「『メタリック』、凄まじい迫力で向かって来る歌集でした。解説も覚悟して書きました」
──解説・水原紫苑

【抄出5首】
ママレモン香る朝焼け性別は柑橘類としておく いまは
セックスに似てゐるけれどセックスぢやないさ僕らのこんな行為は
どれほどの量の酸素に包まれて眠るふたりか 無垢な日本で
俺たちは帰巣本能うしなつた鴉なんだよ だから好きだよ
十字架のピアスぷつりと挿したれば側頭部から夜は始まる

 
【関連】
謹告:第12回わたくし、つまりNobody賞の受賞者発表 | お知らせ(詳細) | (池田晶子記念)わたくし、つまり Nobody賞
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