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歌舞伎町ホストが短歌を詠み、俵万智さん・野口あや子さん・小佐野彈さんが2年間にわたる歌会をまとめた『ホスト万葉集』刊行

『ホスト万葉集』(作:手塚マキさんと歌舞伎町ホスト75人 from Smappa!Group)

『ホスト万葉集』(作:手塚マキさんと歌舞伎町ホスト75人 from Smappa!Group)

短歌専門出版社の短歌研究社は、営業前のホストクラブで開催される「ホスト歌会」にて、短い言葉を駆使して生きるホストたちが詠んだ歌300首を集録した『ホスト万葉集』(作:手塚マキさんと歌舞伎町ホスト75人 from Smappa!Group)を7月6日に講談社より刊行されました。編者は、俵万智さん、野口あや子さん、小佐野彈さん。

 

約900首より厳選の300首を集録

2018年より出勤前のホストが月に一度集い、開催された「ホスト歌会」。
歌会に参加したのは、歌舞伎町のホストクラブ「スマッパ!グループ」の会長・手塚マキさんと所属するホスト75人。

2年間、彼らに伴走し、選歌・指南をしたのは、ベストセラー『サラダ記念日』の著者・俵万智さんと、歌壇で活躍する若手歌人の野口あや子さん、小佐野彈さん。ホスト歌会は、NHKも注目。BS『平成万葉集』も取り上げました。

本書には、ホスト歌会の約900首から、笑って泣けて、ちょっと切ない珠玉の300首が集録されています。

 

ホスト短歌の原点は、元祖チャラ男、光源氏です

短歌とは、感情を乗せる言葉の器です。客との掛け合い、LINEでの営業など、短い言葉を駆使して日常をおくるホストたち。彼らと、千三百年の歴史をもつ日本最古の表現形式=短歌。実は、これほど相性の良いものはないかもしれません。

 
編者の俵万智さん、野口あや子さん、小佐野彈さんとSmappa!Group会長・手塚マキさんによる座談会「ホスト短歌の原点は、元祖チャラ男・光源氏です」も必読。

 
【「ホスト万葉集」より抜粋】
「嘘の夢 嘘の関係 嘘の酒 こんな源氏名サヨナライツカ」
「見つめ合い あ、これダメだね 照れ笑い カラダは離すもココロは密で」
「夜が更けて意外と広いゴジラ前 静けさ光る靖国通り」
「君からの返信ないが既読付く 俺に連絡いま自粛かな」
「自粛中ライトも消えた看板の 君の笑顔がなんか寂しい」
「錆びてなお耐えて耐えて耐え抜いて 磨き続ける輝く日まで」
「「ごめんね」と泣かせて俺は何様だ誰の一位に俺はなるんだ」
「眠らない街といわれたネオン街 たまにはゆっくりおやすみなさい」

 
[Youtube_BundanTV]

 

 

著者プロフィール

 
■作者:手塚マキと歌舞伎町ホスト75人 from Smappa! Group

手塚マキ(てづか・まき)さんは、1977年、埼玉県生まれ。1997年から歌舞伎町で働き始め、ナンバーワンホストを経て、26歳で起業。現在は歌舞伎町でホストクラブ、BAR、飲食店、美容室など十数軒を構える「Smappa! Group」会長。歌舞伎町商店街振興組合常任理事。NPO法人グリーンバード理事。JSA認定ソムリエ。ホストのボランティア団体「夜鳥の界」を仲間と立ち上げ、深夜の街頭清掃活動をおこなう。

2017年歌舞伎町初の書店「歌舞伎町ブックセンター」をオープンし、話題に。2018年には接客業で培ったおもてなし精神を軸に介護事業もスタート。

近著に『裏・読書』がある。手塚さんとともに短歌を作ったのは、Smappa! Groupの在籍ホスト75人。

★URL:https://www.smappa.net/

 
■編者:俵万智(たわら・まち)さん

1962年大阪生まれ。280万部という現代短歌では最大のベストセラーとなった歌集『サラダ記念日』の著者。同歌集で現代歌人協会賞を受賞。日常で使われる「口語」を用いて、短歌という詩型の幅を大きく広げた。

ほかの歌集に『かぜのてのひら』、『チョコレート革命』、『プーさんの鼻』(若山牧水賞受賞)、『オレがマリオ』などがある。近著『牧水の恋』で宮日出版大賞特別賞を受賞。読売歌壇選者も務める。

 
■編者:野口あや子(のぐち・あやこ)さん

1987年岐阜県生まれ。短歌新人の登竜門「短歌研究新人賞」を、寺山修司さmm以来の十代で受賞。2010年に第一歌集『くびすじの欠片』で現代歌人協会賞を受賞し、最年少記録を作った。

ほかの歌集に『夏にふれる』、『かなしき玩具譚』、『眠れる海』がある。人工知能歌人(AI歌人)への短歌アドバイザーなど活動の幅を広げ、2019年、短編小説「ジュリアナ様」が『小説新潮』に掲載され、小説家デビュー。

 
■編者:小佐野彈(おさの・だん)さん

1983年東京生まれ。国際興業グループ創業者の小佐野賢治さんは大伯父。1990年、慶應義塾幼稚舎に入学し博士課程に至るまで慶應義塾に学ぶ。台湾に在住し抹茶カフェチェーンを経営。同性愛者であることを公表している。

2017年短歌研究新人賞、2018年に第一歌集『メタリック』で現代歌人協会賞、2019年、新たな表現者を顕彰する「(池田晶子記念 )わたくし、つまりNobody賞」を受賞。また、2019年に中篇小説『車軸』で小説家デビュー。

 

ホスト万葉集 嘘の夢 嘘の関係 嘘の酒 こんな源氏名サヨナライツカ
手塚マキと歌舞伎町ホスト75人from Smappa! Group (著), 俵 万智 (編集), 野口 あや子 (編集), 小佐野 彈 (編集)

いまだからこそ、君に届けたい。おれたちの、五・七・五・七・七を!
「コロナ」という、歌舞伎町最大の危機との戦いのなか、ホスト達は生きている。そして、愛について考えている。――愛ってなんだ? 恋愛を、悩みを、希望、欲望、本音を叫ぶ。五・七・五・七・七の短歌で!
短歌を作ったのは、歌舞伎町に6店舗のホストクラブがあるスマッパ!グループの会長・手塚マキ氏とホスト75人。
編者(選歌・構成)は、280万部のベストセラー歌集『サラダ記念日』の著者・俵万智氏と、野口あや子氏、小佐野彈氏という短歌界の第一線で活躍する歌人。
2年前、小佐野彈氏の歌集『メタリック』の発売イベントで短歌を作って以来、ホストたちは、ほぼ月一回、歌会を開催し続けた。選者・指導役として、俵・野口・小佐野各氏が加わり本格化。NHKBS番組「平成万葉集」でも紹介された。ホスト歌会は20回以上。5月にはコロナ下で、Zoom歌会も。作った短歌900首から、俵・野口・小佐野各編者が300首を厳選!
五・七・五・七・七の短歌だから語れる本当の気持ち。得意客(姫と呼ぶ)との会話、おもてなし、仕事で割り切れない男女の感情。コロナ下での焦燥。
もともと短歌とは、愛を語り合う言葉の器だ。ホストと短歌。実は、これほど相性の良いものはなかった。まさにいまだからこそ届けたい、感動の短歌集。

 


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