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『伝わるシンプル文章術』早稲田大学で文章の書き方を教えてきた人気講師が学生の文章を目覚ましく上達させた方法を公開

『伝わるシンプル文章術』早稲田大学で文章の書き方を教えてきた人気講師が学生の文章を目覚ましく上達させた方法を公開

『伝わるシンプル文章術』早稲田大学で文章の書き方を教えてきた人気講師が学生の文章を目覚ましく上達させた方法を公開

ディスカヴァー・トゥエンティワンより、飯間浩明さん著『伝わるシンプル文章術』が刊行されました。本書は2008年に同社より刊行された『非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門』のリメイク版です。

 

誰でも簡単に論理的な文章力が身につく!

「文章の書き方」の本の多くは、内容が盛りだくさんすぎる。たった一言で文章がみるみるうまくなるというわけにはいかないだろうか?
著者が出した答えは、「クイズ文」で書けば、自分の考えたことを読者に間違いなく伝えることができるということでした。

本書では、早稲田大学で文章の書き方とディベートを教えてきた人気講師が、実際に学生の文章を目覚ましく上達させた方法を惜しみなく公開しています。

 

はっきり理解してもらえるような文章を書くためには「クイズ文」を書けば良い!

自分の考えを読者に伝え、「なるほど、あなたの考えることはこうですね」とはっきり理解してもらえるような文章を書くためには、どうすればいいでしょうか。それには、「クイズ文」を書けばいい、というのが著者の答えです。クイズ文とは耳慣れない言葉ですが、著者が作った用語です。具体的に言えば、「問題・結論・理由」の三つを備えた文章のことです。

クイズ文の例を一つ挙げます。次のような具合に組み立てた文章です。

 
# 議題:学生の私語を防止するには

【問題】
大学の教室で私語に悩む教員は多い。放置すると、教室中に蔓延し、手がつけられなくなる。私も、新米のころは手を焼いた。学生たちの私語を防止するためには、どうすればいいだろうか。

【結論】
私語を交わした学生を、まず一組注意し、無条件で退去させる。かつ、当人たちを欠席扱いにするというルールを決めておくことが望ましい。

【理由】
なぜなら、このルールには一罰百戒(一人を罰して他のいましめにする)の効果があるからだ。実際に退去処分を受けた学生を見て、なおも私語を続ける学生はいない。

【想定される反論とそれへの再反論】
あちこちで私語があるとき、一組みだけ退去させるのは不公平だと言う意見もあるだろう。だが、最も教員の注意をひいた学生を退去させるわけだから、不公平ではない。

【結論の確認】
私語を軽く考える学生が多いが、まじめに授業を受けたい学生の権利を奪う、罪の重い行為だ。そのことを最初に説明しておけば、学生はこのルールを受け入れてくれる。

 
この文章では、一段落目で読者にクイズ(問題)を出しています。「学生の私語を防止するには、どうすればいいのか」というクイズです。クイズの答え(結論)が読者に分かってもらえれば、この文章の目的は達成したことになります。今、読者の中で、著者の出したクイズの答えが分からなかった人は、おそらくいないでしょう。とうことは、著者の文章は読者に完全に伝わったことになります。

クイズ文では、このように、一つの問題を出すことによって、筆者と読者とが問題意識を共有します。筆者は、その出発点から、読者を一つの到達点、すなわち一つの結論に導きます。出発点(問題)・到着(結論)がそれぞれ一つですから、読者は、文章から何を読み取ればいいか、迷うことはありません。こういう理由で、著者は、考えを伝えるためにはクイズ文が有効だという結論に至ったそうです。

ちなみに、この例題について著者は、「私がルールでがんじがらめの重苦しい授業をしていると誤解しないでください」とコメントされています。

 
クイズ文のように「問題・結論・理由」の備わった、ものごとを筋道立てた文章は、レポートや論文、企画書、提案書などといった、誰もが書く文章の形式に適しています。論理的な文章を書こうと心がけてはいるもののなかなか実践できない。自分の説明したいことがなかなか理解してもらえない。そんな経験が多い人に役立つ一冊です。

 

本書の構成

第一章:伝えたいことは「クイズ文」で書く

第二章:クイズ文の型を理解しよう

第三章:実践! クイズ文を書いてみよう

 

飯間浩明さん プロフィール

著者の飯間浩明(いいま・ひろあき)さんは、1967年、香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同大学院博士課程単位取得。専門は日本語学。

『三省堂国語辞典』編集委員。国語辞典の編纂のため、新聞・雑誌・書籍・インターネット・街の中など、あらゆる所から現代語の用例を採集する日常を送っている。

早稲田大学などで非常勤講師。クイズやディベートなどを取り入れた独自の文章指導を十年以上続ける。NHK Eテレ『どうも! にほんご講座です。』講師。

著書に『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』(ディスカヴァー携書)、『辞書を編む』(光文社新書)など。

 

伝わるシンプル文章術
言いたいことがスラスラ書けるたった一つの「型」

ベストセラー新装版
早稲田・成城大学の名講義が書籍化!

「問題」「結論」「理由」の備わった論理的な文章のことを、私は「クイズ文」と呼んでいます。 私が編み出した形式ではなく、論理的な文章では普遍的に使われる形式です。 優れたクイズ文を読んだ読者は、納得し、書き手を支持し、場合によっては書き手の望む行動を取ってくれます。

私が大学で担当している文章指導の授業では、クイズ文の型を習得することを最終目標にしています。 私は受講者たちに対し、「クイズ文が書けるようになれば、大学の課程を終えたも同然です」と言うことがあります。 決して言いすぎではありません。
学問とは結局、今まで明らかでなかったことを、クイズ文の形式で明らかにすることだからです。

ことさら学問的な文章でなくても、何かを筋道立てて述べようとすれば、クイズ文の形式が必要になります。
慣れた書き手であれば、これを少し変形させても差し支えありませんが、まずは、型どおりのクイズ文を書く練習をしましょう。

 


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