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『陰謀の日本中世史』史上有名な“陰謀”を分析し陰謀論を徹底論破!『応仁の乱』の著者が構想三年の書下ろし

『陰謀の日本中世史』史上有名な“陰謀”を分析し陰謀論を徹底論破!『応仁の乱』の著者が構想三年の書下ろし ▲画像右:呉座勇一さん 撮影/ホンゴユウジさん

『陰謀の日本中世史』史上有名な“陰謀”を分析し陰謀論を徹底論破!『応仁の乱』の著者が構想三年の書下ろし ▲画像右:呉座勇一さん 撮影/ホンゴユウジさん

KADOKAWAより、呉座勇一さん著『陰謀の日本中世史』(角川新書)が刊行されました。

 

トンデモ説が溢れる世界の中でも、「誰かが猫の首に鈴をつけなければならないのだ。それが、本書を著した理由である。」――呉座勇一さん

本書は、新書『応仁の乱』で大ブレイクした日本中世史のホープ・呉座勇一さんが構想に三年をかけた書き下ろした作品です。

史上有名な“陰謀”をたどりつつ、“陰謀論”の誤りを最新学説で徹底論破。さらに、世の中に溢れるトンデモ説やフェイクニュースに騙されないために、“陰謀論の法則”まで明らかにする画期的な歴史読み物です。

「源平合戦」に「頼朝と義経の相剋」、「観応の擾乱」に「応仁の乱」、そして「本能寺の変」に「関ヶ原の戦い」と、誰もが知っている事件の最新“事実”が明らかに。

その“事実”を読み進めるうちに、自然と“陰謀論の法則”を見抜くことができるようになるでしょう。

◆本能寺の変に黒幕あり? →いない。光秀をバカにしすぎ
◆関ヶ原は家康の陰謀? →違う。家康も追い詰められていた
◆義経は陰謀の犠牲者? →誤り。義経の権力は砂上の楼閣だった
◆後白河は頼朝の怒りを予想していなかった
◆後醍醐天皇は黒幕でなく被害者だった!?
◆足利尊氏=陰謀家説は疑わしい
◆日野富子はスケープゴートにされた
◆実は騙されやすかった信長
◆「三成が家康の伏見屋敷に逃げ込んだ」は俗説
etc.

 

各章の内容

■まえがき

■第一章 貴族の陰謀に武力が加わり中世が生まれた
第一節 保元の乱……崇徳と頼長に謀反の意思はなかった/保元の乱は合戦というより「陰謀」 etc.
第二節 平治の乱……藤原信頼有能説には無理がある/後白河黒幕説は成り立たない etc.

■第二章 陰謀を軸に『平家物語』を読みなおす
第一節 平氏一門と反平氏勢力の抗争……清盛が陰謀をでっちあげた/以仁王の失敗は必然だった etc.
第二節 源義経は陰謀の犠牲者か……腰越状は不自然な点が多い/義経襲撃は現場の独断だった/後白河は頼
朝の怒りを予想していなかった etc.

■第三章 鎌倉幕府の歴史は陰謀の連続だった
第一節 源氏将軍家断絶……源頼家暴君説は疑問/策士・時政が策に溺れた「牧氏事件」/源実朝暗殺の黒幕 etc.
第二節 北条得宗家と陰謀……時頼黒幕説は穿ちすぎ/霜月騒動は正規戦だった etc.

■第四章 足利尊氏は陰謀家か
第一節 打倒鎌倉幕府の陰謀…後醍醐天皇は黒幕でなく被害者だった!?/尊氏は後醍醐の下で満足していた etc.
第二節 観応の擾乱……「高師直暗殺計画」の真相/尊氏がつくった北朝は尊氏の手で葬られた etc.

■第五章 日野富子は悪女か
第一節 応仁の乱と日野富子……応仁の乱の原因は将軍家の御家騒動ではない etc.
第二節 『応仁記』が生んだ富子悪女説……史実は『応仁記』と正反対/富子悪女説が浸透した三つの理由 etc.

■第六章 本能寺の変に黒幕はいたか
第一節 単独犯行説の紹介……ドラマで好まれる光秀勤王家説と光秀幕臣説 etc.
第二節 黒幕説の紹介……「足利義昭黒幕説」は衝撃を与えた/荒唐無稽すぎるイエズス会黒幕説/後知恵の秀吉黒幕説 etc.
第三節 黒幕説は陰謀論……近年主流化しつつある四国政策転換説/明智憲三郎氏の奇説/共謀しなくても足止めは可能だ etc.

■第七章 徳川家康は石田三成を嵌めたのか
第一節 秀次事件……豊臣秀次は冤罪だった/新説「秀吉は秀次の命を奪う気はなかった」 etc.
第二節 七将襲撃事件……「三成が家康の伏見屋敷に逃げ込んだ」は俗説/徳川家康、「天下殿」に etc.
第三節 関ヶ原への道……「内府ちがいの条々」で家康は窮地に陥った/転換点は岐阜城攻略戦 etc.
■終章 陰謀論はなぜ人気があるのか?
第一節 陰謀論の特徴…因果関係の単純すぎる説明/結果から逆行して原因を引き出す/挙証責任の転嫁 etc.
第二節 人はなぜ陰謀論を信じるのか……インテリ、高学歴者ほど騙されやすい/疑似科学との類似性 etc.

■あとがき

■主要参考文献

 

呉座勇一さん プロフィール

著者の呉座勇一(ござ・ゆういち)さんは、1980(昭和55)年、東京都に生まれる。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は日本中世史。

現在、国際日本文化研究センター助教。2014年『戦争の日本中世史』(新潮選書)で第12回角川財団学芸賞受賞。『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中公新書)は47万部突破のベストセラーとなった。

他著に『一揆の原理』(ちくま学芸文庫)、『日本中世の領主一揆』(思文閣出版)がある。

 

陰謀の日本中世史 (角川新書)
「事実」はドラマや小説より面白い。
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