『弁護士だけが知っている ムダにモメない33の方法』人間関係を円滑に進めるためのコツが満載!
ディスカヴァー・トゥエンティワンより、レイ法律事務所代表弁護士で、現在多数のメディアに出演し、マルチな弁護士として活躍している佐藤大和さん著『弁護士だけが知っている ムダにモメない33の方法』が刊行されました。
仕事や家庭の9割のトラブルは少しのコツで解決できる!
弁護士である著者は、多くの事件を担当し、解決してきたなかで、事件の大半はコミュニケーションのズレから生じているということに気がつきました。大きな事件になる前には必ず、小さなモメごとが積み重なっているのです。
モメごとが小さいうちは、コミュニケーションを少し変えるだけで、驚くほどたやすく解決できます。
弁護士の仕事は、相談者の悩みを聞き、コミュニケーションをとるなかでベストな方法を探り、解決の道へと一緒に歩んでいくこと。たくさんの相談者との経験から得た、モメごとを起こさないコミュニケーションのノウハウをみなさんにお伝えすることができないか―。本書は、著者のそのような思いから生まれました。
人の顔色は、うかがってもいい 「見せ方」を意識することは、卑怯なことでも、いやらしいことでもない
人間関係は「演出」と「対応」が10割。
周囲の人々から「どう見えるのか」があなたそのものをつくりだしているのです。逆にいえば「人からどう見えるのか」ベースでふるまいを組み立てることで、好印象をつくることは可能なのです。
たとえば、どれだけ心がきれいだとしても、話しかたや対応が悪い人を、あなたは「素晴らしい人だ」と思うでしょうか?
もしかしたらあなたの身の回りで悪印象を抱いている人は、「心がきれいで、やっていることがまっすぐ」な人かもしれませんが、あなたが悪印象を抱いているということは、そのことがあなたに伝わっていないということです。このように、外見やアピールといった「見せ方」が悪い人はほぼ例外なく、そのままの印象で相手に伝わってしまうのです。
人は相手の言葉や表情を見て、その人が好きか嫌いかを判断します。残念ながら人は超能力を持っているわけではありません。心がきれいとか、やっていることがまっすぐかはわかりません。
だからこそ、見せ方が10割ということを念頭に置くことで、無駄な争いを起こしてしまう確率は格段に下がります。そこで気を抜いてはいけないのです。
印象をよくする方法をいくつか紹介しましょう。
1 自分が失敗してしまったら、「小さなおわび」を用意する。
例えば待ち合わせにどうしても遅刻してしまいそうなときは、缶コーヒーなどのすぐに買える「小さなおわび」を用意して渡しましょう。
失敗の大きさを注意深く判断しなくてはなりませんが、小さな失敗であれば大層なものを用意する必要はありません。その場で買えるようなもので構いません。
2 「小さな手伝い」を心がける。
見せ方が悪い人は、会社を定時に帰るときに、残業している人がいるのに「これから遊びに行く」と、つい言ってしまう人です。頑張っている人の耳に入る状況でそのような話をすると、周囲からの評価は下がってしまいます。
時間に余裕があるなら、「仕事が早くに終わったし、少しだったら手伝おうか?」と言うだけで相手にムッとされてしまうことがなくなります。相手は本当に手伝ってほしいわけではなく、「自分を思いやってほしい」という裏のニーズを持っています。こういった場面では、本当に手伝う必要はない場合がほとんどです。本当に時間がないときでも「お疲れさまです。頑張ってください」の一言を伝えるだけで、相手の気持ちは穏やかになるでしょう。
こういったことを言いだすのには、なかなか勇気がいります。
もしかしたら「キザ」なこと「余計な御世話」だと考えてしまうかもしれませんが、さりげなくやることで、人間関係は驚くほど円滑になります。
モメたら相手の「消火スイッチ」を探そう
著者は、争いの場で弁護士として間に入るとき、相手に隠された「消火スイッチ」はどこか、ということをよく考えるそうです。
ここでいう「消火スイッチ」を探すということは、相手が求めている答えを探す、ということです。相手が求めているものを探すことができれば話はたいてい、よい方向に向かっていきます。
著者は、争いを前に気が立っている相談者であれば、何がゴールなのか、何が目的なのかをまず聞きます。お金を取り戻したいのか、仲直りしたいのか?
それに合わせて、和解につながるストーリーを組み立てます。
人間関係において何を求めているのかというのは、多くの場合、なかなか知ることはできません。ましてやそれが争いの状況であればなおさらです。だから、会話の中で探していくしかないのです。
聞き出すためには自分の話をするより聞き役に徹しましょう。口論になっていたり、常日頃から険悪な関係が続いていたりすると、なかなか会話を成立させることが難しいと思います。しかし、ここは勇気を出して、「どうしたいのか?」と聞いてみましょう。
観察で本質を見定める
労働トラブルや夫婦間のトラブルで著者を訪ねてくる相談者の多くは、相手の「消火スイッチ」を探すだけで、わざわざ弁護士に相談したり、訴訟を起こしたりしないで済むケースが大半です。
相手の訴えの全容を開くと「これは、攻撃的にならずに、ちゃんと最初に謝ればすぐに終わる話なのに」と思うことが多々あるそうです。
複雑な人間関係、もちろん争いの原因はこの限りではありませんが、相手に会うと「お金の問題ではなく、謝ってくれればそれでいい」と話す人は多いということもまた事実なのです。
怒りの根底にある本質をつかまず、頭ごなしに攻撃し合い、互いに嫌い合ってしまうから、より燃えあがってしまう。それはもちろん怒りもありますが、これ以上争いごとを発展させたくないという気持ちから消火スイッチを探すことを恐れてしまう、という本音もあるのかもしれません。
相手と普通に接しているだけでは、それ以上嫌われはしなくとも、関係の改善はありません。火傷を我慢して消火のスイッチを探すことで、関係改善への道が開けます。
本書の目次
第1章 人間関係が円滑な人が知っている8つのこと
第2章 無駄にトラブルを起こさない人になる15のコミュニケーションの技術
第3章 起こってしまったモメごとを解決する10のトラブル対応術
佐藤大和さん プロフィール
著者の佐藤大和(さとう・やまと)さんは、レイ法律事務所代表弁護士(東京弁護士会所属)、芸能人の権利を守る「日本エンターテイナーライツ協会(ERA)」共同代表理事、厚生労働省「労働教育に関する支援対策」教材作成委員。
1983年生まれ、宮城県石巻市出身。2014年4月にレイ法律事務所を設立。2016年1月には同事務所を国内の法律事務所でTOP5%以内の事務所規模にまで成長させる。現在は多数のメディアに出演する、マルチな弁護士として活躍中。
仕事や家庭の9割のトラブルは簡単になくせます!各種メディア出演のマルチ弁護士が教える、コミュニケーションの技術。人間関係を円滑に進めるためのコツが満載!