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『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』チェーンストアの謎から日本の都市の現在を描き出す!

谷頭和希さん著『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 写真提供:Rodrigo Reyes Marinアフロ

谷頭和希さん著『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』 写真提供:Rodrigo Reyes Marinアフロ

谷頭和希さん著『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』(集英社新書)が集英社より刊行されました。

 

32期連続増収を続けるドン・キホーテ――各地の店舗を巡って見えてきた日本の都市の現在

私たちの生活に欠かせないチェーンストア。それらは都市を均質にし、街の歴史を壊すとして批判を受けてきました。

 
ですが、チェーンは本当に都市を壊したのでしょうか。その謎を解き明かすべく、若き「街歩き」ライター谷頭和希さんはディスカウントストア、ドン・キホーテを巡りました。そうして見えてきたのは、日本の都市の「いま」と未来の可能性でした。新しいチェーンストア都市論の誕生です。

 
<主な内容>

◆なぜドンキの外観はさまざまなのか
◆レヴィ=ストロースが語るドンペン
◆テーマソング「ミラクルショッピング」の歌詞のヒミツ
◆驚くほど似ているドンキとヴィレヴァン
◆コンビニとどう共存するか
◆ドンキの「権限委譲」がもたらす多様性
◆メディアが生み出したドンキとヤンキー・DQNのつながり
◆ファミリー需要を生み出したMEGAドンキ
◆町おこしに利用されるドンキ
◆「ユートピア」を目指すショッピングモールと「祭り」を目指すドンキ
◆マンハッタンとドンキから見えてくるもの
◆「呼び込み君」が私たちに伝えてくれているもの
◆地域共同体のなかに生まれる新しい共同体
◆チェーンは歴史を壊すのか?
◆ドンキ的な資本主義のルートへ
◆チェーンストアから「現実」を考えてみる
◆オンライン化する世界におけるチェーンストアの可能性

 
【推薦コメント】

◎石田英敬さん(東京大学名誉教授)
ドンキめぐりはクセになる、読み出したら止まらない、ドンペン探偵が読み解くチェーンストア記号論。

◎宮沢章夫さん(作家・早稲田大学教授)
まず「肯定する」という態度がここにはある。正直、ドンキが渋谷にできたとき、80年代の渋谷を知る者は苦い気持ちを味わった。世代的にそんなことなど関係ない著者はドンキを中心にロードサイドやショッピングモールを肯定する。そしてその「肯定」が、いま私たちを取り巻く資本の構造への、見事な批評になっている。

 

本書の構成

序章 日本中がチェーンストア
チェーンのイメージをときほぐす

第一章 なぜ過剰な外観は生まれるのか
レヴィ=ストロースが語るドンペン / なぜドンキの外観はさまざまなのか

第二章 都市のなかの「ジャングル」
「ジャングル」としての店舗構造 / 驚くほど似ているドンキとヴィレヴァン / コンビニとどう共存するか

第三章 チェーンストアは新たな地域共同体である
ヤンキーとDQNとドンキと / 「呼び込み君」が私たちに伝えてくれているもの / 地域共同体のなかに生まれる新しい共同体

第四章 ドンキから見える日本のいま
チェーンは歴史を壊すのか? / ドンキ的な資本主義のルートへ

終章 チェーンストアの想像力
チェーンが生み出す「ゆるやかな連帯感」 / オンライン化する世界におけるチェーンストアの可能性

 

著者プロフィール

著者の谷頭和希(たにがしら・かずき)さんは、ライター。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業後、早稲田大学教育学術院国語教育専攻に在籍。

「デイリーポータル」「オモコロ」「サンポー」などのウェブメディアにチェーンストア、テーマパーク、都市についての原稿を執筆。批評観光誌「LOCUST」編集部所属。2017年から2018年に「ゲンロン 佐々木敦 批評再生塾 第三期」に参加し宇川直宏賞を受賞。本作が初の著書。

 

 


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