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『ゴハンですよ』新米の季節到来!東海林さだおさん珠玉の食エッセイ 椎名誠さんとの対談も

東海林さだおさん著『ゴハンですよ』

東海林さだおさん著『ゴハンですよ』

東海林さだおさんの食エッセイ『ゴハンですよ』が、大和書房より刊行されました。

 

「ゴハンを、いかにおいしく食べるか」

『ゴハンですよ』より

『ゴハンですよ』より

日本人に普遍的なこの「ゴハン」というテーマについて、東海林さだおさんは誰よりも、深く、しつこく取り組んできました。

 
本書は、そんな東海林さだおさんによる、ゴハンの食べ方、ゴハンのお供、ゴハンの思い出、そして、おにぎり、お弁当についての笑いと共感のエッセイ集です。

新米の季節、ゴハンを様々な角度から味わい尽くし、読むほどにお腹がすいてくる一冊です。

 
以下に、『ゴハンですよ』より珠玉のエッセイを一部紹介します。

 

大冒険 梅干し一ケで丼めし

飽食の時代と言われて久しい。そのアンチテーゼとしても、この試みは、時代にマッチした冒険と言えると思う。

目の前に、ホカホカと湯気をあげる丼一杯のゴハンと冷えびえと小皿の上に横たわる一個の梅干しがある。なんだか日本人の血がさわぐ。

一口め。箸の先に、ゴマ粒ほどの梅干しをけずりとってゴハンの上にのせて口に入れ、三十一回噛んで飲みこむ。むろん、一口分のゴハンに対する塩気としてはまことに不十分である。一口分のゴハンの片隅に、かすかな塩気を感じるだけだ。しかし、その分、ゴハンそのものの味を十分味わうことができる。

不思議なことに、つらい、という気持ちにはならない。むしろ、一種のさわやかささえ感じる。

『ゴハンですよ』より

『ゴハンですよ』より

なにしろ、(次のおかず、何いこうか)という迷いがない。ふだんの食事は、この迷いの連続であるが、この食事は、(梅干しの次は梅干しで、その次も梅干し)なのだ。(このあたりで、違うおかずが欲しい)とも思わない。このへんが梅干しの実力と言えるのかもしれない。結局この冒険は大成功をおさめたのである。
(本書より一部抜粋)

 

おにぎりの憂鬱

『ゴハンですよ』より

『ゴハンですよ』より

人々はおにぎりをどのように食べているのだろうか。ゴハンと、中心にある具を、どのように配分しながら食べているのだろうか、ということである。

おにぎりは中心に具、周辺にゴハンという構造になっているため、最初の一口には具が含まれない。歯の先が具のところまで届かず、ゴハンだけの一口となる。ぼくはこれが嫌なのです。

二口目あたりから、いよいよお楽しみの”具含有期”に入るわけだが、ぼくにとってはここでも問題が発生するのだ。それは”一口分のゴハンに対する具の適量問題”である。最初に書いたとおり、中の具はゴハンに包まれて見えない。したがって、一口分のゴハンに対する具の適量を選択できない。

『ゴハンですよ』より

『ゴハンですよ』より

その結果、「いまの一口はシャケの量が多過ぎた。残念」とか、「いまの一口はタラコの量が少な過ぎた。用心が足りなかった」などの、一口ごとの不平不満が発生することになる。具を目で見えるようにする方法もある。二つに割って食べる食べ方である。せっかくのおにぎりがなー。

ぼくにとっておにぎりは、無念と残念と用心とおそれと後悔と憂慮の食べ物なのだ。
(一部抜粋)

 
――自炊の機会が増え、その楽しみやたいへんさについて日々考えを巡らせる人へ贈る、笑いと共感あふれる、東海林さだおさん珠玉のゴハンにまつわる選りすぐりエッセイ集です。

 

本書の目次

1章 ゴハンの食べ方 編

2章 ゴハンのお供 編 

3章 ゴハンの文化 編 

白メシ対談(東海林さだお×椎名 誠)
僕らはカレーライスの中の肉が、ただひとつの肉だった

4章 おにぎり 編 

5章 お弁当 編

解説 スズキナオ(ライター)

『ゴハンですよ』より

『ゴハンですよ』より

 

著者プロフィール

著者の東海林さだお(しょうじ・さだお)さんは、1937年、東京都生まれ。早稲田文学露文科中退。漫画家、エッセイスト。

1970年『タンマ君』『新漫画文学全集』で文藝春秋漫画賞、1995年『ブタの丸かじり』で講談社エッセイ賞、1997年に菊池寛賞を受賞。2000年に紫綬褒章を受章。2001年『アサッテ君』で日本漫画家協会賞大賞を受賞。2011年に旭日小綬章を受章。

 

ゴハンですよ (だいわ文庫)
東海林 さだお (著)

ショージ君による、「ゴハン」をテーマにした選りすぐりのエッセイ集。「日本人の主食である白いごはんをいかにして食べるか」ということについてあらゆる角度から考察しました。われわれ日本人にとって、自炊をするということはつまり、白いご飯の食べ方を考えること。自炊の機会が増え、その楽しみやたいへんさについて日々考えを巡らせる人へ送る、笑いと共感のエッセイです。

 


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