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『脱税の世界史』元税務調査官が世界史を“お金”の観点から読み解く

大村大次郎さん著『脱税の世界史』

大村大次郎さん著『脱税の世界史』

大村大次郎さん著『脱税の世界史』が、宝島社より刊行されました。

 

古今東西、“税金”が嫌い! 国の崩壊は「脱税」と「大増税」が引き金だった!

本書は、税制の歴史と問題点を長年調べてきた元税務調査官の著者が、「脱税」を通じて古代ギリシャ・エジプトから現代まで、歴史的な事件の背景を読み解いた一冊です。

 
ローマ帝国の崩壊、アメリカ独立戦争など、歴史の転換期の背景には、大規模な「脱税」と「税システムの機能不全」の問題がありました。

国が税金を多く徴収しようとすると、庶民は疲弊し、金持ちは税逃れに必死になる。その行動が時に歴史をも動かしてしまい、国家滅亡の危機へつながってゆく……。

世界史を「脱税」という視点で見つめることで、新たな歴史的事実を想像して楽しめます。

 

4000年前から税金に苦労していた世界の裏話が満載!

◆古代ギリシャにあったユニークな脱税密告制度

古代ギリシャには課税は少なかったとみられていますが、「アンチドシス」という脱税密告制度がありました。
「アンチドシス」は、富裕層に対して税金の支払いを命じるものです。自分より資産を多く持っている人がいれば、密告する制度でもありました。

 
◆古代中国で行われていた「戸籍のごまかし」

秦では人一人あたりにかけられる「算賦」と呼ばれる税がありました。15歳から30歳までの「未婚女子」には5倍の額がかけられたこともあり、重税から逃れようと戸籍のごまかしを行う動きがありました。秦の時代の遺跡からは、戸籍の虚偽申告をした者に対する罰則が書かれた文書が発見されています。

 
◆17世紀のイギリスに存在していた「窓税」

イギリスでは、窓は、建物の大きさに比例して作られるという考えから、窓の数によって税金が課せられていました。17世紀のイギリスの古い家に窓が少ないのは、税金が関係していたと言われています。

 
◆ヒトラーが発明!「源泉徴収制度」

日本人にもお馴染みの「源泉徴収制度」の原型を作ったのはナチスと言われています。一括で税金を支払うのではなく、会社が給料から天引きする制度は、世界各国で採用されました。

 

本書の構成

はじめに ~国家とは税金である~

第1章 古代ギリシャと古代エジプトの脱税事情

第2章 秦の始皇帝を悩ませた高度な脱税

第3章 脱税で崩壊したローマ帝国

第4章 イスラム帝国とモンゴル帝国の税金戦略

第5章 ヨーロッパ国王たちによる教会税の脱税

第6章 大航海時代は関税を逃れるために始まった

第7章 ヨーロッパ市民革命は脱税から始まった

第8章 脱税業者が起こしたアメリカ独立戦争

第9章 ロスチャイルド家は相続税で衰退した

第10章 ヒトラーの「逃税術」と「徴税術」

第11章 ビートルズ解散の原因は税金だった?

第12章 タックスヘイブンとパナマ文書

第13章 プーチン大統領は脱税摘発で国民の支持を得た

第14章 「中国版タックスヘイブン」の甘い罠

第15章 GAFAの逃税スキーム

あとがき

参考文献

 

大村大次郎さん プロフィール

著者の大村大次郎(おおむら・おおじろう)さんは、元国税調査官。国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、 ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ系)や『ナサケの女』(テレビ朝日系)の監修等で活躍している。

ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』(中公新書ラクレ)をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史研究を続けており、『お金の流れでわかる世界の歴史』(KADOKAWA)など「歴史を経済で読み解く」というジャンルの本も多く執筆し好評を博している。

 

脱税の世界史
大村 大次郎 (著)

古代エジプトの時代からローマ帝国の崩壊、西洋各国の興亡、宗教改革、産業革命、アメリカ南北戦争……大きな歴史の転換期の背景には、大規模な脱税問題がありました。
本書では、税制の歴史と問題点を長年調べてきた元税務調査官の著者が、「脱税」というキーワードを通じて歴史的な事件の背景を読み解きます。

 


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