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『CREATIVE SCHOOLS 創造性が育つ世界最先端の教育』能力開発の第一人者が示す「変わる社会を先取りする最先端の教育」

ケン・ロビンソンさん&ルー・アロニカさん著『CREATIVE SCHOOLS 創造性が育つ世界最先端の教育』(訳:岩木貴子さん)

ケン・ロビンソンさん&ルー・アロニカさん著『CREATIVE SCHOOLS 創造性が育つ世界最先端の教育』(訳:岩木貴子さん)


ケン・ロビンソンさん&ルー・アロニカさん著『CREATIVE SCHOOLS 創造性が育つ世界最先端の教育』(訳:岩木貴子さん)が、東洋館出版社より刊行されました。

本書は、TED史上最大の5000万再生超となる「学校教育は創造性を殺してしまっている」で圧倒的な知名度を誇るケン・ロビンソン卿が、TEDでの問いかけに対して「創造性を育てる教育」を示したものです。大きく変化する社会を生き抜く子どもたちを育てる、世界最先端の驚くべき教育を取り上げ、その未来を提示しています。

 

3億人の視聴者に語りかけた問いに答える

2006年、能力開発・教育の専門家ケン・ロビンソン卿は、TED(各分野の第一人者がプレゼンテーションを行う、世界規模の講演会)で「学校教育は創造性を殺してしまっている」と題した講演を行いました。

その主張の中核は、「多くの生徒が優れた才能を持って生まれてくるのに、学校の中でそれが評価されず、むしろ抑圧されてしまうために、自分をダメだと思い込み、その才能を鈍らせてしまう」というものです。

 
この講演は大変な反響をよび、2019年4月時点で再生回数5000万超(閲覧人数3億人超)とTED史上最大の影響を及ぼしています。

もし、本当に学校が創造性を殺してしまうなら、「創造性を育み、子どもたちが能力を高める教育・学校にすればいい」。それこそが、TEDで提起した問題への答えである、と著者ケン・ロビンソン卿は述べています。

 

標準化をめざした「教育改革」の問題点

現在世界中で、「教育改革」が叫ばれ、行われ続けています。しかし、著者によると、そこには大きな問題があるといいます。

 
著者が指摘する「教育改革」の特徴として、生徒間の競争を励行し、学習基準や評価の数値化を推し進めることで、学力を高めようとすることが挙げられます。しかし著者によれば、これは問題を解決するどころか、むしろ悪化させてしまうというのです。

 
それは、数値化・標準化を指標として過度に推し進めることで、結果的に個性や想像力、創造性は抑圧されてしまうためです。

子どもたちは多くの才能と能力を持って生まれ、学校に通います。しかし、標準化・数値化の枠に当てはまらない才能や能力は無視され、スポイルされてしまい、それゆえ膨大な子どもたちの可能性が失われてしまいます。これこそが、今世界中で起こっている「教育改革」の停滞と失敗の姿にほかなりません。

 

世界最先端の教育から学ぶ、未来の教育の姿

そこで著者が提示するのが、子どもたちが創造性を損なうことなく高め、学びあっていくことができる「教え」と「学び」の新しいカタチです。

 
例えば、荒れ続けた地域にある中学校で生徒たちと向き合いつづけ、学ぶことの楽しさを目覚めさせた校長。

学校の「落ちこぼれ」が多くを占める中で、自動車の設計・走行を子どもたちが行うなかで技術の楽しさを実感させた教育プログラム。

覚えたことをテストするのではなく、自ら疑問を持って問いができるようになることを目標とする、新しい学びのカリキュラム。

自らのペースで学ぶための反転学習や、それを可能にするオンライン学習のシステム。

 
……世界中の優れた最先端の実践を通じて、著者が示すのは、標準テストや管理ではない形で子どもの能力を育て、創造性を豊かにする教育の姿、そして未来の社会像そのものなのです。

 

未来の教育の種はすでに広く撒かれている

本書で示される創造性を育む教育像は、ゼロから新しく作りあげるものではありません。

多くの事例からも明らかなように、すでに存在する最先端の取り組みの中に、創造性を育む未来の教育を見て取ることができるのです。

 
そこに着目することで、現在の多くの教育や、「教育改革」の名の下に行われている、過剰な数値主義や競争原理がもつ弊害が見えてくることでしょう。そして同時に、目指すべき教育と、社会の姿も。

本書を通じて、変化し続ける社会で個性や才能を発揮できるための、未来の教育の姿を読み取ることができます。

 

著者プロフィール

■ケン・ロビンソン(Ken Robinson)さん

創造性とイノベーション、能力開発の第一人者として世界的に活躍。TEDカンファレンスでのプレゼンテーション「学校教育は創造性を殺してしまっている」は、TED史上最高の5000万再生超。

英国ウォーリック大学で芸術教育の教授を務め、現在名誉教授。2013年に経営思想家トップ50人「Thinker 50」に選出。

著書に『才能を引き出すエレメントの法則』(祥伝社)、『才能を磨く』(大和書房)、『パワー・オブ・クリエイティビティ 個性と才能を思いっきり引き出そう!』『ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則』(以上、日経BP社)などがある。

 
■ルー・アロニカ(Lou Aronica)さん

編集者・作家。共著に『才能を引き出すエレメントの法則』(祥伝社)、『才能を磨く』(大和書房)などがある。

 
■岩木貴子(いわき・たかこ)さん

翻訳者。早稲田大学文学部、ダブリン大学文学部卒業。

訳書に『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』(海と月社)、『ミック・ジャガー:ワイルド・ライフ』『フレディ・マーキュリー:孤独な道化』(以上、ヤマハミュージックメディア)等がある。

 

CREATIVE SCHOOLS 創造性が育つ世界最先端の教育 (TOYOKAN BOOKS)
Ken Robinson (原著), Lou Aronica (原著), ケン ロビンソン (著), ルー アロニカ (著), 岩木 貴子 (翻訳)

TED史上最高の5600万再生!ノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイ絶賛!
世界中が注目する教育・能力開発の第一人者による「創造性を育てる教育の未来像」とは?

 


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