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『まんがでわかる「学力」の経済学』科学的根拠のある「伸びる子ども」の育てかた 30万部突破のベストセラーをマンガ化

中室牧子さん著・松浦はこさん作画『まんがでわかる「学力」の経済学』

中室牧子さん著・松浦はこさん作画『まんがでわかる「学力」の経済学』

中室牧子さん著・松浦はこさん作画『まんがでわかる「学力」の経済学』が、ディスカヴァー・トゥエンティワンより刊行されました。

 
「うちの子が全然勉強しない」
「ほめて育てるべき?」
「ゲームやテレビは制限すべき?」
このような悩みは、お子さんをお持ちの方なら一度は抱えたことがあるのではないでしょうか?
そして、それに関する世間のうわさや情報を鵜呑みにしていませんか?

本書では、特定の個人の成功体験ではなく、教育経済学の研究者による科学的な分析によって「効果的な教育法」を導きだします。

なお、本書は、30万部突破のベストセラー『「学力」の経済学』をマンガ化したものです。

 

科学的根拠に基づいた教育法をまんが形式で分かりやすく解説!

この物語では、小学校三年生の娘を持つ主人公・海老名ユリが、教育経済学者の中山千恵との出会いによって自らの教育方法を見直し、成長していきます。

 
■第1話 子どもを「ご褒美」で釣ってはいけない?

ご褒美で釣っては「いけない」、というのがこれまで多く主張されてきた考え方です。しかし、教育経済学者の千恵は、ご褒美で釣っても「よい」と提案しています。

子どもは「勉強は将来のために大切」と頭では分かっていても、目の前の誘惑を優先してしまうもの。裏を返せば、「目の前にご褒美をぶら下げられると、今、勉強することの利益や満足が高まり、それを優先する」ということです。

ただし、目の前のご褒美は「アウトプット」ではなく、「インプット」に与えなくてはいけません。

ハーバード大学のフライヤー教授が行った実験によれば、成績が上がったというアウトプットにご褒美を与えるのと、本を読む・宿題をするといったインプットにご褒美を与えるのとでは、後者の方が子どもたちの学力を上げるのに効果的だそうです。

この他にも、「子どもは褒めて育てるべき?」「読書で学力は上がる?」といった疑問に、科学的根拠や過去の実験データをもとに答えながら、効果的な子育てを明らかにします。

 
■第2話 男女別学よりも共学のほうが学力は高くなるのか?

つづいて、「子どもの能力を伸ばせる学校」とはどのような学校か、を考察していきます。

たとえば、「男女別学の学校と共学の学校のどちらにするか」、ということは学校選択の大事な基準の一つです。特に、受験を控えている家庭にとっては、選択肢を絞る上でも重要なポイントかもしれません。

韓国で行われた実験では、「同じ学力の子どもでは、共学に進学した子よりも男女別学に進学した子の方が学力が上がる」という結果になりました。これは、男女別学の方が男子と女子それぞれの考え方や特性にあった教育手法を実践しやすいからです。

また、学力だけでなく、「いじめを解決するには」「いい先生とはどんな先生か」といった子どもに関わる環境について幅広く紹介しています。

 
■第3話 「生きる力」は「学力」よりも大切なのか?

最後は、人生を成功に導く「非認知能力」の鍛えかたを学びます。

非認知能力とは、学力テストでは計測できない能力、いわば「生きる力」のことです。

この能力は、認知能力に比べると過小評価されがちですが、認知能力の形成に影響を与えるだけでなく、将来の学歴や年収などにも大きく影響することが明らかになっています。

本書で経済学者の千恵は、非認知能力の中でも「自制心」と「やり抜く力」が特に重要であるとしています。

この二つは一見、生まれつきの性格的なものように思えますが、努力や心の持ち方によって、後天的に伸ばすことができます。第3話では、その鍛え方も紹介しています。

 

本書の目次

はじめに

プロローグ

第1話 子どもを「ご褒美」で釣ってはいけないのか?
科学的根拠が明らかにする効果的な子育て

第2話 男女別学よりも共学のほうが学力は高くなるのか?
本当に子どもが成長できる学校とは

第3話 「生きる力」は「学力」よりも大切なのか?
人生を成功に導く「非認知能力」の鍛えかた

あとがき

参考文献

 

著者プロフィール

■著者:中室牧子(なかむろ・まきこ)さん

1998年、慶応義塾大学卒業。米ニューヨーク市のコロンビア大学で博士号を取得(Ph.D)。日本銀行や世界銀行での実務経験を経て2013年から慶応義塾大学総合政策学部准教授に就任し、現在に至る。専門は教育を経済学的な手法で分析する「教育経済学」。

著書に『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『原因と因果の経済学』(共著:津川友介さん/ダイヤモンド社)などがある。

 
■作画:松浦はこ(まつうら・はこ)さん

2008年、集英社ウルトラジャンプで商業誌デビュー後、ネーム構成や児童書の挿絵も手がける。

2015年からビジネスコミックにも活躍の場を広げ、『マンガでよくわかる 怒らない子育て』(フォレスト出版)、『マンガでわかる ディズニー そうじの神様が教えてくれたこと』(SBクリエイティブ)などでは作画を担当。

 

まんがでわかる「学力」の経済学
特定の個人の成功体験ではなく、教育経済学の研究者らが、科学的な方法を用いて、大規模なデータを分析した結果から導きだした「効果的な教育法」

30万部突破のヒット作 ついにまんが化!
その教育に科学的根拠はありますか?
科学的根拠のある「伸びる子ども」の育てかた、教えます。

データと理論が明らかにした本当に子どもが伸びる教育とは?
●子どもの「能力」をほめるのではなく、「努力」をほめてあげる
●「相関関係」と「因果関係」を混同しないように注意する
●成績のいい友だちがいることは、必ずしもわが子の成績向上につながらない
●重要な非認知能力「やり抜く力」と「自制心」を鍛える

本書で紹介するのは、特定の個人の成功体験ではなく、教育経済学の研究者らが、科学的な方法を用いて、大規模なデータを分析した結果から導き出した「効果的な教育法」です。
私は、教育経済学の発見は、子育て中のお父さんやお母さんが知っておく価値のあること―
いや、むしろ知っておかないともったいないことだとすら思っています。
(「はじめに」より)

 
■既刊
「学力」の経済学
TBS系列「林先生が驚く 初耳学」(2016/9/25,10/9,11/6放送)で「日本国民全員が一冊持つべき」と紹介された話題の一冊!
「思ったよりカンタンだった!」
「わかりやすくてスラスラ読めた!」
など反響続々! 教育書として異例の30万部突破!

「ゲームは子どもに悪影響?」
「子どもはほめて育てるべき?」
「勉強させるためにご褒美で釣るのっていけない?」
個人の経験で語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!

「データ」に基づき教育を経済学的な手法で分析する教育経済学は、「成功する教育・子育て」についてさまざまな貴重な知見を積み上げてきた。
そしてその知見は、「教育評論家」や「子育てに成功した親」が個人の経験から述べる主観的な意見よりも、よっぽど価値がある―むしろ、「知っておかないともったいないこと」ですらあるだろう。
本書は、「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊である。

 
【「はじめに」より一部抜粋】

教育経済学は、教育を経済学の理論や手法を用いて分析することを目的としている応用経済学の一分野です。
そして、私が、教育や子育てを議論するときに絶対的な信頼を置いているもの、それが「データ」です。

大規模なデータを用いて、教育を経済学的に分析することを生業としている私には、子育て中のご両親や学校の先生にわからないことがわかるときがあります。
先日、とあるテレビ番組を観ていたら、やはり「ご褒美で釣ること」「ほめて育てること」「ゲームを持たせること」について、その是非が議論されていました。
子どもを育てる親にとっては、切実な悩みなのでしょう。
そしてそのテレビ番組で、教育評論家や子育ての専門家と呼ばれる人たちは、満場一致で次のような見解を述べていました。

・ご褒美で釣っては「いけない」
・ほめ育てはしたほうが「よい」
・ゲームをすると「暴力的になる」

司会者などの反応を見ても、その教育評論家たちの主張はすんなりと受け入れられていたように思います。
もしかしたら、そうした主張のほうが多くの人の直感には反しないのかもしれません。
しかし、教育経済学者である私が、自分の親しい友人に贈るアドバイスは、それとは正反対のものです(根拠については第2章でご紹介します)。

・ご褒美で釣っても「よい」
・ほめ育てはしては「いけない」
・ゲームをしても「暴力的にはならない」

私は、教育評論家や子育ての専門家と呼ばれる人たちを否定したいわけではありません。
しかし、彼らがテレビや週刊誌で述べている見解には、ときどき違和感を拭えないときがあります。
なぜなら、その主張の多くは、彼らの教育者としての個人的な経験に基づいているため、科学的な根拠がなく、それゆえに「なぜその主張が正しいのか」という説明が十分になされていないからです。

私は、経済学がデータを用いて明らかにしている教育や子育てにかんする発見は、教育評論家や子育て専門家の指南やノウハウよりも、よっぽど価値がある―むしろ、知っておかないともったいないことだとすら思っています。
本書は、その教育経済学が明らかにした「知っておかないともったいないこと」を読者のみなさんに紹介することを目的にしています。

 


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