本のページ

SINCE 1991

内田康夫さんが休筆宣言 浅見光彦シリーズ「完結編」を公募

フリーのルポライター・浅見光彦を主人公とする「浅見光彦シリーズ」などで知られる内田康夫さんが病気療養のため「休筆宣言」を行い、休載中の作品『孤道』の完結編を一般公募することになりました。

 
内田康夫さんは、2014年12月より、毎日新聞夕刊で浅見光彦シリーズ『孤道』の連載を開始しましたが、翌年7月に脳梗塞で倒れ、連載は8月12日の204回で中断していました。完結することを目指し療養に励んでいましたが、「左半身にまひが残り、執筆を断念」(毎日新聞より)し、休筆宣言に至りました。

 
『後鳥羽伝説殺人事件』から始まる浅見光彦シリーズは累計発行部数9600万部という人気シリーズ。今回の『孤道』は、熊野古道と阿武山古墳(大阪府高槻市)をつなぐ謎を追う歴史ロマンで、3年ぶり、シリーズ114冊目となります。

 
『孤道』は未完のまま、単行本が5月12日に毎日新聞出版から刊行されます。そして・・・

 2015年夏、僕は脳梗塞に倒れて、左半身にマヒが残りました。以降リハビリに励みましたが思うようにはいかず、現在のところ小説を書き続けることが難しくなりました。そこで思いついたのが、未だ世に出られずにいる才能ある方に完結させてもらうということでした。

 思えば僕が作家デビューしたのも、思いがけないきっかけでした。1980年、当時の仕事の営業用に自費出版した『死者の木霊』が、ひょんなことで評論家の目に止まったのでした。そういうこともあり、世に眠っている才能の後押しができれば……と。

 うれしいことに毎日新聞出版、毎日新聞社、講談社、内田康夫財団が<『孤道』完結プロジェクト>を立ち上げてくれました。

 僕が休筆すると聞いて、浅見光彦は「これで軽井沢のセンセに、あることないことを書かれなくてすむ」と思うことでしょう。でも、どなたかが僕の代わりに、浅見を事件の終息へと導いてください。
『孤道』特設サイトより)

という内田さんの思いにより、続編となる完結編を一般募集することとなりました。

 
なお、内田さん自身の情報発信は講談社BOOK倶楽部によるWebサイト「内田康夫と早坂真紀の夫婦短歌」で行っていくとのことで、妻・早坂真紀さんさんとリハビリを兼ねた短歌作りに励むそうです。

 
【『孤道』完結編 募集概要】

●募集内容:
  浅見光彦が主人公の未完小説『孤道』を完結させる長編小説を募集。プロ・アマを問いません。
  『孤道』の続きとして書き始めること。書き出しの形式は自由。

●原稿の種類と枚数:自作未発表の小説。400字詰め原稿用紙換算350枚~500枚以内(枚数厳守)。

●原稿の締切:2018年4月末日(当日消印有効)
    ※ただし、応募フォームは5月12日より開設。

●原稿送り先:〒102-0074 東京都千代田区九段南1-6-17 千代田会館5階  毎日企画サービス「孤道」係 宛

●選考:
  〔スーパーバイザー〕内田康夫さん
  〔選考委員〕 山前譲さん(推理小説研究家)、一般財団法人内田康夫財団、講談社文庫出版部・毎日新聞社学芸部・毎日新聞出版図書第一編集部 各部員

●受賞発表:毎日新聞 小説現代(2018年秋予定)

●副賞:講談社文庫より出版。当該作の著者分印税相当額。

●主催:「孤道」完結プロジェクト 一般財団法人内田康夫財団 講談社 毎日新聞社 毎日新聞出版

※詳細はhttp://www.mainichi.co.jp/kodo/outline.htmlをご覧ください。

 

孤道
3年ぶりの浅見光彦シリーズ最新作!
熊野古道を舞台にした、壮大な歴史ロマンミステリー。
未完小説『孤道』、2017年5月12日刊行。

 
【関連】
あなたの「浅見光彦」が事件の謎を解く!未完小説『孤道』を完結させてください。 – 毎日新聞社
内田康夫と早坂真紀の夫婦短歌|講談社BOOK倶楽部
内田康夫さん:未完の「孤道」完結編を一般募集 – 毎日新聞

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です