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『翻訳地獄へようこそ』刊行記念!宮脇孝雄さんが翻訳家の天国と地獄を語る

宮脇孝雄さん著『翻訳地獄へようこそ』刊行記念!トークイベント「翻訳家の天国と地獄」開催

宮脇孝雄さん著『翻訳地獄へようこそ』刊行記念!トークイベント「翻訳家の天国と地獄」開催

アルクは宮脇孝雄さん著『翻訳地獄へようこそ』を刊行しました。本書の刊行を記念して、著者のトークイベント「『翻訳地獄へようこそ』(アルク)刊行記念 翻訳家の天国と地獄」が7月28日(土)にジュンク堂書店 池袋本店にて開催されます。

 

宮脇孝雄さんがエッセー集を刊行!翻訳家が日々味わう「天国と地獄」の世界について、著者自ら語るトークショーも!

翻訳業界の中でもその博識ぶりと名訳者ぶりがリスペクトされている宮脇孝雄さんによる、翻訳者と志望者、英語学習者、海外文学愛好家に有用なエッセー集が発売されました。

 
「翻訳は難しい」とはよく言われること。文法的に一応正しく訳したつもりなのに、著者が本当に言いたいことはまるっきり伝わっていない―――そんなことがままあるのが「翻訳の世界」です。

表層的な訳から脱したい、時代や文化背景の違いを乗り越えて、より正確でより魅力的な訳にたどりつきたい、ともがき苦しむ翻訳者たち。知恵を振り絞りあらゆる手段を使い、正しく訳せた時の歓びは格別ながら、心残りのある訳文しかひねり出せなかった時には悔いがいつまでも尾を引き……。

本書は、そんなちょっとマゾヒスティックな翻訳者や翻訳コンシャスな人々に贈る一冊です。古今のさまざまなジャンルの英語の読み物に通じ、英語圏の文化や言葉への造詣が深い宮脇さんが、数多くの翻訳実例も引用しつつ、翻訳のやり方、アプローチ法を実践的に紹介します。読めば読むほど翻訳者の苦悩と奮闘、そして翻訳の奥深さ面白さがじわじわ伝わってきます。

 
本書の刊行を記念し、著者の宮脇孝雄さんのトークショーが開催されます。書籍の内容に沿って、翻訳家が日々味わう「天国と地獄」の世界について、著者自らつぶさに語ります。

 

トークイベント「『翻訳地獄へようこそ』(アルク)刊行記念 翻訳家の天国と地獄」開催概要

■日時:2018年7月28日(土) 19:30~(開場:19:00)

■会場:ジュンク堂書店 池袋本店

■入場料:1,000円(ドリンク付き)

※詳細は、https://honto.jp/store/news/detail_041000026113.html をご覧ください。

 

書籍『翻訳地獄へようこそ』概要

●エッセー41篇が3つの章に分かれています。
1. 翻訳ビギナー講座:単語の意味の選択の間違い、イディオム、構文のまずい訳し方など、翻訳者が最低限心得ておきたいこと
2. 翻訳に必要な文化背景:歴史、習慣、風俗などについてのさまざまな調査をした上でさらに推理をすることが必要
3. 実践的翻訳講座:「表現の翻訳」とはどういうことか。長めの英文を使った翻訳過程を実況中継的に

<目次より>
慣用句は時に破壊力のある地雷となる
謎の人物が出て来たらディケンズを当たれ!
翻訳で失われるものは意味だけではない
なぜカウボーイは独立分詞構文で描かれたのか?

 

宮脇孝雄さん プロフィール

著者の宮脇孝雄さんは、翻訳家。40年以上にわたり、ミステリ『死の蔵書』や文学作品『異邦人たちの慰め』など多様なジャンルの作品を手掛けてきた。翻訳に関するエッセイをはじめ、料理や英米文学・ミステリに関するエッセイ、評論も多い。現在、(株)日本ユニ・エージェンシーで翻訳教室を開講、専修大学で非常勤講師を務める。

主な著書に『翻訳の基本』『続・翻訳の基本』『英和翻訳基本事典』(研究社)、主な訳書に『死の蔵書』『幻の特装本』『異邦人たちの慰め』(早川書房)、『ジーン・ウルフの記念日の本』『ソルトマーシュの殺人』(国書刊行会)がある。

 

翻訳地獄へようこそ
【目次】
はじめに 翻訳とは外国語の言葉を訳すだけの作業ではないのです

1章 翻訳基礎トレーニング
注意深く読み適切な訳語を見つけだそう

多くの誤訳は名詞の意味の取り違えから生まれる
翻訳者にとって辞書は引くものではなく読みこむものである
慣用句は時に破壊力のある地雷となる
「秋の男」はカモかスケープゴートか
“ダーリン”などの愛情表現用語を訳文にどう生かすか?
謎のカタカナ言葉が多い翻訳には誤訳の香りがする
修飾する相手によって英語の形容詞は意味が変化する!
打ち方で意味ががらりと変わる句読点にご用心
翻訳の二つのやり方「英文解釈」方式と「流れにまかせる」方式
慣用句の定番訳にとらわれて文意を読みそこなうな
英和辞典で訳語選定に迷ったら英英辞典を読もう
似かよった意味を持つ単語の使い分けに注意
米国の名校閲者にならいハイフンにこだわって訳してみると

2章 翻訳フィールドワーク
背景となる文化や歴史や地形を徹底調査せよ!

ジャンパーはイギリスではセーターのことなり!
ケンジントンのオランダ屋敷が翻訳小説に登場する謎
ドアの開け方はミステリ翻訳の重要なポイントとなる
小説で知ったイギリスにおけるcityの意味
悩ましい英語と悩ましい日本語そして悩ましい翻訳
アベラールの削除問題について調べて翻訳に生かす
ナースとは何者? 意味が変化してきた名詞に注意せよ
翻訳で失われるものは意味だけではない
たとえ理解されずとも古典の引用やもじりを訳文で表現したい
グレアム・グリーンが嫌がらせに贈ったプレゼントの中味
英国中流階級が舞台のナンセンスな味わいの童話を訳すには
言葉の語感の変化を敏感に感じ取って訳語を選ぼう
英語翻訳家の鉄則:謎の人物が出て来たらディケンズを当たれ!
本を勧めたら友人から苦情の手紙が届いた

3章 翻訳実践ゼミナール
「表現」の翻訳を目指し試行錯誤の日々を送ろう

007原作者フレミングの小説は翻訳修行に向いている
英語の小説に登場する日本人の京都弁をどう訳すか
なぜカウボーイは独立分子構文で描かれたのか?
安房直子作品の英訳本を使って学ぶ童話の翻訳術
小説のだいご味である比喩表現で翻訳者の腕も試される
ダイアローグ・タグを訳さないのも訳すのも翻訳の技法
小説の視点人物を見つけて「翻訳弁」を減らそう
小説とノンフィクションの翻訳作法の違いは何か?
語順に従って訳す手法が最近の翻訳の原則
エリザベス・テイラーの小説で英国中流階級の生活感覚を養おう
フロイトの孫が書いたイギリス流ウィットに富む児童小説
英語の文法書が教える「情報伝達」の観点に立って翻訳すると
翻訳家志望者よミステリの翻訳を甘く見ることなかれ

 
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