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藤原氏が怖れた〈大怨霊〉を突き止める――高田崇史さん『采女の怨霊 小余綾俊輔の不在講義』が文庫化

古代史の真相を解明し続けてきた歴史ミステリー作家・高田崇史さんの著書『采女の怨霊 小余綾俊輔の不在講義』が文庫化され、新潮文庫より刊行されました。

 

奈良・猿沢池の闇に迫る!

藤原氏が怖れた〈大怨霊〉は、奈良の「猿沢池」のほとりにある小さな神社と、深くつながっていました。その神社とは、「采女神社」。

観光客はあまり関心を持たずに通り過ぎてしまうこの神社は、不思議なことに、猿沢池に「背を向けて」鎮座しています。平素は固く門を閉ざしていて、容易に内側に入ることも難しいのです。

はるか昔に、猿沢池に入水した采女の霊を慰める祭事の時だけ、その門が開かれます。この「采女祭」を見た人は多いのではないでしょうか。

 
ところが、奇妙なのはここからです。
なぜ采女という下級女官の鎮魂が連綿と続いているのか、という点なのです。

仮に身分の高い人物ならば、長く後世にわたって御魂をお慰めするのは自然でしょう。しかし采女とは、その名さえ残らない下級の女性です。古代史の数々の謎に迫ってきた著者は、見逃しがちなこの謎に着目しました。

 
主人公の民俗学者・小余綾俊輔の推理は、春日大社につながり、壬申の乱から皇位継承の闇へと展開、そして〈隠された古代史〉の封印を解いていきます。ついに明かされる「采女」とは、何者なのか。

読めば奈良の町を見る目が一変する歴史真相ミステリーです。

 
【あらすじ】

奈良・猿沢池の畔に鎮座する「采女神社」は池に背を向け、平素は固く門を閉ざしている。昔、入水した采女の霊を慰める祭では、門が開かれるというのだが……。そもそも、なぜ下級女官の鎮魂が連綿と続いているのか。春日大社から壬申の乱、皇位継承の闇、平城京の怨霊封じに続く謎。民俗学者、小余綾俊輔の推理が、隠された古代史を解き明かす。鍵を握る采女とは何者か。歴史真相ミステリー。 

 

本書の目次

《プロローグ》

《九月十一日(木)仏滅 望月》

《九月十二日(金)大安 十六夜月》

《九月十三日(土)赤口 立待月》

《九月十四日(日)先勝 居待月》

《九月十五日(月)友引 臥待月》

《エピローグ》

参考文献
解説 北 夏輝

 

著者プロフィール

高田崇史(たかだ・たかふみ)さんは、1958年生まれ、東京都出身。明治薬科大卒業。1998年『QED 百人一首の呪』でメフィスト賞を受賞し、作家デビュー。

QEDシリーズ、毒草師シリーズ、カンナシリーズなど著書多数。古代から近現代まで、該博な知識に裏付けられた歴史ミステリーを得意分野とする。近著に『卑弥呼の葬祭』『源平の怨霊』『采女の怨霊』『QED 神鹿の棺』『古事記異聞 陽昇る国、伊勢』『江ノ島奇譚』などがある。

 

采女の怨霊:小余綾俊輔の不在講義 (新潮文庫)
高田 崇史 (著)

藤原氏が怖れた〈大怨霊〉の正体とは。
奈良・猿沢池の畔に鎮座する「采女神社」は池に背を向け、平素は固く門を閉ざしている。はるか昔、池に入水した采女の霊を慰める祭の時だけ、門が開かれるというのだが……。なぜ下級女官の鎮魂が連綿と続いているのか。謎は春日大社に及び、民俗学者・小余綾俊輔の推理が壬申の乱と皇位継承の闇、平城京の〈鬼封じ〉を解き明かしていく。古代史の鍵を握る采女とは何者か。歴史真相ミステリー。

 
【関連】
試し読み | 『采女の怨霊―小余綾俊輔の不在講義―』高田崇史 | 新潮社

 


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