衝撃のパリコレデビューから50年、山口小夜子さんが残した言葉『この三日月の夜に』が刊行
伝説のモデル山口小夜子さんが残した言葉を集めた書籍『この三日月の夜に』が講談社より刊行されました。
衝撃のパリコレデビューから50年、いまよみがえる伝説のモデル山口小夜子さんが残した言葉
1970年代はじめにパリでコレクション・モデルとしてデビューし、一世を風靡したトップモデル・山口小夜子さん。
黒髪・おかっぱというスタイルを貫き、「小夜子マネキン」が世界のショーウィンドウを飾りました。
モデル・俳優の冨永愛さんは、もっとも尊敬する存在と公言します。
マツコ・デラックスさんは美の化身と絶賛。
亡くなって15年以上が経ちますが、いまも多くの女性がそのファッションやメイクに憧れ、模倣。東京都現代美術館の「山口小夜子 未来を着る人」展覧会(2015年)には5万6000人もの人が来場しました。
山口小夜子さんは、印象的な言葉を数多く残した人でもありました。
「10代は今でいう、引きこもり気味の少女。20代は仕事をしているものの、先が見えないことのつらさで落ち込むこともよくあった。
ダウンしたときは街に出て、様々な本や美術、映画や絵画、音楽などに助けられた。
そして同じ思い、同じ感性の人たちと出会い、人前に出て恥もかいて、そこからさらに何かができるようになって、どんどん楽しくなっていった。薄紙を1枚1枚はぐように、ページを1枚ずつめくるように、少しずつ自由になっていったの」
「着るという意識さえあれば、何でも着ることができるだろうと思っているんですよ。空気も今着ているかも知れないし、水も着ることができるかも知れないし、着るという観点ですべてを見ていけば、私たちはすべてを着ているのかも知れない。この今私たちがいる空間も、そうかも知れないですよね。それは意識の問題ですよね」
「なにか意図的なものを排除する。自分をなくす――そこから入ることが、一番、本質に触れることなんじゃないかなと思います。
地球をとりまくエネルギーとか、人の心とか、木とか風とか、すべていまここの現実にあるもの、それが、ひとつに融合すること。そういうことが最終的に形に、私なりの答えとして形になればいいなと思って」
本書は、横須賀功光さんの残した圧倒的に美しい写真と、山口小夜子さんの「天につながる」言葉でつむぐ、唯一無二の本です。
著者プロフィール
山口小夜子(やまぐち・さよこ)さんは、横浜市出身。幼いころからファッションに強い興味を示し、高校卒業後、杉野学園ドレスメーカー女学院に学ぶ。170センチの長身とスタイルの良さから、ファッションモデルになるよう勧められる。
1970年代はじめからモデルとしての活動を始め、瞬く間に世界のトップモデルへの道を駆け上がる。山本寛斎、髙田賢三、三宅一生ら日本人デザイナーのほか、イヴ・サンローラン、クロード・モンタナ、ティエリー・ミュグレー、ジャン・ポール=ゴルチエなどトップデザイナーの「ミューズ」として数々のショーに出演。アメリカのロックバンド、スティーリー・ダンの名盤「彩(エイジャ)」のジャケットを飾るなど、世界に知られる存在となった。
また、パフォーマーとして寺山修司作品や山海塾との共演など多数の舞台に出演した。創作舞踊家・勅使川原三郎と共演し、ダンサーとして印象的な舞台をつくり上げた。舞台衣裳やアクセサリーを自らデザインするなど、表現者として多面的な才能を示した。
2007年8月、急性肺炎で急逝。
この三日月の夜に 山口 小夜子 (著) |
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