慶應高校野球部の「常識を覆す」チーム作りとは? 『慶應高校野球部――「まかせる力」が人を育てる』が刊行
2023年夏の甲子園で107年ぶりに全国制覇を果たした慶應義塾高校野球部の指導法を描く、加藤弘士さん著『慶應高校野球部――「まかせる力」が人を育てる』が新潮新書より刊行されました。
著者の加藤弘士さんは、「スポーツ報知」編集委員として2023年夏の同校の快進撃に密着。選手、OB、ライバル校の監督等、関係者に徹底取材を行い、慶應高校野球部の「組織論」と「教育論」の核心に迫ったノンフィクション作品です。
「高校野球の常識を覆す」指導法とは?
指導者が勝利への最短距離を「教える」従来の指導法に対して、慶應高校の森林監督が重視するのは、選手に「まかせて」「考えさせる」ことです。
「勝利至上主義」の対極にある「成長至上主義」とは何か? チーム関係者のみならず、甲子園の決勝で対戦した仙台育英・須江航監督へのインタビューも交えて、「まかせて伸ばす」指導法に迫ります。
◆「失敗の機会」を奪ってはいけない
全国制覇の一方で、過去4代のキャプテンが語ったのは軒並み「失敗の歴史」であり、そこから得た「学びの経験」でした。それは慶應高校野球部が「最短距離を提示して成功させる」ことよりも「試行錯誤を経て人間的に成長する」ことを重視しているからです。
私たちも普段、職場や家庭において、「よかれ」と思って手を差し伸べることで、貴重な「失敗」と「成長」の機会を奪っているのではないか? 教育現場だけに留まらない、示唆に富んだ実体験が語られます。
◆「点が取れない弱い代」はなぜ日本一になれたのか?
甲子園で優勝した2023年の代は新チーム発足当初、「どうやって点を取ればいいんだ……」と学生コーチが嘆くほどの「弱い代」でした。そんな彼らがなぜ全国制覇を成し遂げられたのか?
その背景には、107年前に遡る「エンジョイ・ベースボール」の伝統と、個性豊かな選手たちが生んだ「化学反応」がありました。奇跡ともいえる縁に導かれた感動のドラマを描きます。
【本書の内容】
107年ぶり全国制覇を成し遂げた「常識を覆す」チーム作りとは?
なぜ選手は「自ら考えて」プレーできるのか?
選手、OB、ライバル校の監督等に徹底取材。伝統と試行錯誤の末に生まれた「まかせて伸ばす」革新的指導法に迫る。
本書の構成
はじめに
第1章 「KEIO日本一」の象徴
第2章 「価値」と「勝ち」――監督・森林貴彦の目指す場所
第3章 「エンジョイ・ベースボール」の系譜
第4章 「まかせる」から成長する
第5章 「考えさせる」技術
第6章 「やりがい」で組織を一つに
第7章 「失敗の機会」を奪わない
第8章 「化学反応」で甲子園制覇
第9章 仙台育英・須江監督の目
おわりに
著者プロフィール
加藤弘士(かとう・ひろし)さんは、1974年4月7日生まれ、茨城県水戸市出身。水戸一高、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、1997年に報知新聞社入社。2003年からアマチュア野球担当としてシダックス監督時代の野村克也さんを取材。2009年にはプロ野球楽天担当として再度、野村さんを取材。その後、アマチュア野球キャップ、巨人、西武などの担当記者、野球デスク等を経て、現在はスポーツ報知編集委員。YouTube「報知プロ野球チャンネル」のMCも務める。
著書に『砂まみれの名将――野村克也の1140日』(新潮社)がある。
慶應高校野球部:「まかせる力」が人を育てる 加藤 弘士 (著) 「高校野球の常識を覆す!」を合言葉に、慶應高校野球部は107年ぶりに全国制覇を成し遂げた。彼らの「常識を覆す」チーム作りとは、どんなものなのか? なぜ選手たちは「自ら考えて動く」ことができるのか? 選手、OB、ライバル校の監督等、関係者に徹底取材。見えてきたのは、1世紀前に遡る「エンジョイ・ベースボール」の系譜と、歴代チームの蹉跌、そして、森林監督の「まかせて伸ばす」指導法だった。 |
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