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「心とは何か」の答えにダンゴムシへの実験から迫る『ダンゴムシに心はあるのか』が文庫化

山と溪谷社は、森山徹さんが「心とは何か」の答えにダンゴムシへの実験から迫る『ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学』をヤマケイ文庫より刊行しました。

 

「ダンゴムシに心はあるのか」――衝撃的なタイトルで話題となったベストセラーがヤマケイ文庫化

本書では、ダンゴムシへのさまざまな実験を通して、「心とは何か」の問いの答えに迫ります。

T字迷路・行き止まり実験・水包囲実験・綱引きなどユニークな実験の中で、未知な状況に遭遇するダンゴムシは自発的に壁を登る、水に入る、馬乗りになるなど予想外の行動をとり、わたしたちにこの身近で小さな生物に「心」があることを示唆します。

ダンゴムシ以外にも心の科学の新展開として、タコやミナミコメツキガニの実験も紹介のほか、文庫化にあたり、心の実験のその後を紹介するあとがきを収録しています。

 

本書の構成

はじめに

第1章 心とは何か―「心の定義」を提案する
心とは言葉である/日常的な心の概念/内なるわたくし/心の気配/隠れた活動部位/心の実体とその遍在性/心と脳/感情としての心/器官としての心/「裏」としての心/魔の二歳児/心の成長/魔の出来事/心は現前するか/思いもかけない大泣き/未知の状況/心の現前/空は緑色/オレンジの絵を見ながらメロンジュースを飲む実験/甘いみそ汁の味がする水/抑制と潜在/石の心/心を見いだす流儀/ジュラルミン板の心と職人の流儀

第2章 ダンゴムシの実験
会社で学んだこと/ダンゴムシとの出会い/ダンゴムシの生態と分類/ダンゴムシの体と生活/あなどれない飼育/交替性転向/交替性転向の意味と仕組み/特定行動としての交替性転向/未知の状況としての多重T字迷路実験/変則転向の発現/行き止まり実験/壁登り行動の発現/水包囲実験/泳ぐダンゴムシ/壁登り行動、再び/ 意味深長なパターンを見つける/「ジップの法則」と予想外の行動/アリも泳ぐ/ダンゴムシで世界へ/勇気と確信/何とかなるさ/北の大地でダンゴムシ/環状通路実験/障害物へ乗り上がる/壁境界群の行動/水境界群の行動/ダンゴムシの自律性/障害物を伝う行動/道具使用の萌芽――ダンゴムシの知能/ダンゴムシの綱引き/アンテナにチューブ/弓なりのアンテナ/チューブの杖で、距離を探る/丸くなるのは反射的、元に戻るのは自律的/ダンゴムシの心、再考

第3章 ダンゴムシ実験の動物行動学的意味
心の研究と動物行動学/動物行動学における四つの「なぜ」/擬人化/動機づけ/定型的活動パターンと動物の心/研究者と動物の心/葛藤行動と動物の心/「心の科学」という遺産

第4章 「心の科学」の新展開
心とは何であったか/知能の遍在性/タコとの出会い/タコの分類と生態/エサをせがむタコ/迷路でのタコの行動/予想外の「歩き」の発現/タコの問題解決/ミナミコメツキガニとの出会い/ミナミコメツキガニの分類と生態/予想外の迷走者と小集団/ミナミコメツキガニは社会を作るか/待つ科学/結び――心の科学と社会

あとがき
文庫版あとがき

 

著者プロフィール

森山徹(もりやま・とおる)さんは、1969年生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科知能科学専攻博士後期課程修了(博士・理学)。公立はこだて未来大学複雑系科学科助手、信州大学ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点特任助教、同大学繊維学部助教を経て、現在、同学部准教授。専門は比較心理学。ダンゴムシ、オオグソクムシ、ミナミコメツキガニ、そして、モノゴトの心を探究中。

著書に『オオグソクムシの謎』(PHPエディターズ・グループ)、『モノに心はあるのか』(新潮選書)など。

 

ヤマケイ文庫 ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学
森山 徹 (著)

「心」とは何かを、ダンゴムシに問う。

T字迷路、行き止まり実験、水包囲実験、綱引き……
ユニークな実験の中でダンゴムシが取る行動は、この身近で小さな生物に「心」があることを示唆する。

ダンゴムシへのさまざまな実験を通して、「心とは何か」の問いの答えに迫る科学書の名作がヤマケイ文庫化。

 


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