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没後10年、安西水丸さん幻の未発表小説を初書籍化『1フランの月』が刊行

没後10年となる安西水丸さんの幻の未発表小説を初めて書籍化した『1フランの月』が小学館より刊行されました。

 

『手のひらのトークン』の続編となる未完の小説『1フランの月』

雑誌の表紙や挿絵をはじめ、書籍の装画の他にも、小説、エッセイ、絵本、漫画など数々の功績で知られるイラストレーター/作家・安西水丸さん。2024年3月で没後10年を迎えます。

 
小説「1フランの月」は、1990年に刊行された『手のひらのトークン』(新潮社)の続編となる未完の小説で、1970年代初頭のパリ、リスボン、マドリード、ローマを舞台に、安西さん自身と思われるイラストレーターである主人公の様々な出会いと別れが描かれます。

 
本作に加え、「旅」をテーマにした未刊行エッセイ、イラスト、スケッチなどを加え、懐かしくも新しい、イラストレーター/作家・安西水丸さんの世界を凝縮した一冊です。

 

編集者コメント

今回、安西水丸さんと交流のあった様々な皆さんとの出会いにより、安西水丸事務所より未発表原稿をお預かりすることになりました。手書きの原稿用紙にブルーの万年筆で書かれていたのは、まだメールやインターネットがなかった時代に海外を旅したことがある方ならきっと懐かしく感じるだろう、またそんな時代を知らない方にはきっと新しく感じるだろう「旅の日常」でした。小説自体は未完となりますが、それにもかかわらず不思議な余韻があるのは、まるで10年前に突然、私たちの目の前からいなくなってしまった安西水丸さんが、今でもその膨大な作品を通して「生き続けている」ことと似ているかもしれません。

 
書籍は、この小説に加え、エッセイやイラスト、スケッチを通して、「安西水丸さんと旅」を存分に感じていただける一冊となっています。この本のために、素晴らしい「あとがき」を書いてくださった作家・中上紀さんの文章とあわせてお楽しみください。

 

著者プロフィール

安西水丸(あんざい・みずまる)さんは、イラストレーター/作家。1942(昭和17)年生まれ、東京都出身。重いぜんそくのため、三歳から中学卒業までは母の郷里、千葉県千倉町で育つ。日本大学芸術学部美術学科卒業。電通、ニューヨークのデザインスタジオ(ADAC)、平凡社に勤めた後、独立。広告、雑誌の表紙や挿絵、書籍の装画の他にも、小説、エッセイ、絵本、漫画などの執筆でも活躍。朝日広告賞、毎日広告賞、日本グラフィック展年間作家優秀賞など、受賞多数。2014(平成26)年3月19日逝去。

 

1フランの月
安西 水丸 (著)

安西水丸、幻の未発表小説を初めて書籍化

ニューヨークからパリ、リスボン、マドリード、ローマへ。イラストレーターである主人公のモノローグと日本にいる恋人への手紙、そして現地でのさまざまな出会い……。これまで日の目をみることのなかった幻の小説「1フランの月」(未完)を没後10年となる2024年春に初めて書籍化。「旅」をテーマにした未刊行エッセイ、イラスト、スケッチなどを加え、懐かしくも新しい、イラストレーター/作家・安西水丸の世界をこの一冊に凝縮。

 
【関連】
試し読み|1フランの月|小学館

 


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