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【2023年度 野間賞】野間文芸賞は川上弘美さん、野間文芸新人賞に朝比奈秋さんと九段理江さん、野間出版文化賞に芦田愛菜さん&黒柳徹子さん&藤井聡太さんら

講談社は11月6日、第76回野間文芸賞、第45回野間文芸新人賞、第61回野間児童文芸賞、第5回野間出版文化賞の受賞者・受賞作品を発表しました。

 

2023年度「野間賞」各賞が決定!

各賞の受賞者・受賞作品は次の通りです。

 
第76回野間文芸賞

川上弘美(かわかみ・ひろみ)さん
『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』(講談社)

 
第45回野間文芸新人賞

◎朝比奈秋(あさひな・あき)さん
『あなたの燃える左手で』(河出書房新社)

◎九段理江(くだん・りえ)さん
「しをかくうま」(「文學界」2023年6月号掲載)

 
第61回野間児童文芸賞

該当作なし

〔特別賞〕はやみね かおるさん

 
第5回野間出版文化賞

◎芦田愛菜(あしだ・まな)さん
◎黒柳徹子(くろやなぎ・てつこ)さん
◎藤井聡太(ふじい・そうた)さん

〔特別賞〕福澤克雄(ふくざわ・かつお)さん

 

「野間賞」について

野間文芸賞、野間文芸新人賞、野間児童文芸賞の各賞は、講談社初代社長・野間清治さんの遺志により設立された財団法人野間文化財団が主催。「日本の文芸の質的向上を図り、その発展に寄与することを願って」設けられた文学賞です。

野間文芸賞は、純文学の小説や評論を対象とし、受賞者には正賞として賞牌、副賞として300万円が贈られます。
選考委員は、奥泉光さん、佐伯一麦さん、多和田葉子さん、町田康さん、三浦雅士さん。

野間文芸新人賞は、純文学の新人の作品を対象とし、受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。
選考委員は、小川洋子さん、川上弘美さん、高橋源一郎さん、長嶋有さん、保坂和志さん。

野間児童文芸賞は、児童向けの文学やノンフィクションを対象とし、受賞者には正賞としてブロンズ像、副賞として200万円が贈られます。
選考委員は、あさのあつこさん、いとうひろしさん、金原瑞人さん、富安陽子さん。

 
また、野間出版文化賞は2019年度より新設されたもので、「出版の再発明」をめざす講談社が創業110周年の記念事業の一環として、「出版にまつわるすぐれた表現活動を行った個人・団体を顕彰」することを目的としています。受賞者には、正賞として賞牌、副賞として100万円が贈られます。
選考委員は、林真理子さん、弘兼憲史さん、茂木健一郎さん、野間省伸さん(講談社代表取締役社長)。

 

恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ
川上 弘美 (著)

あ、また時間に捕まえられる、と思った。
捕まえられるままに、しておいた。

小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。
カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、半世紀ほどの後、東京で再会した。
積み重なった時間、経験、恋の思い出。
それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。

じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。

あなたの燃える左手で
朝比奈 秋 (著)

麻酔から覚めると、見知らぬ他人の手になっていた。
ハンガリーの病院で、手の移植手術を受けたアサト。しかし、麻酔から覚めると、繋がっていたのは見知らぬ白人の手で――。
自らの身体を、そして国を奪われることの意味を問う、傑作中篇!

凄い! 肉体の無意味な分断と不自然な結合が、現実の世界に重なる。
入念な構成の冒頭から最後まで、1㎜の緩みもない。凄い!
――皆川博子氏(作家)

切断され、奪われ、接ぎ合わされるのは、体なのか、国なのか、心なのか。
これは「境界」をめぐる、今まさに読まれるべき物語。
――岸本佐知子氏(翻訳家)

喪って初めて大事さが判る。身体、そして故郷。自分とは何かを問う小説だ。
――杉江松恋氏(書評家)

文學界2023年6月号(創作 乗代雄介「それは誠」 九段理江「しをかくうま」)
文學界 (編集)

九段理江「しをかくうま」(270枚)
乗れ。声はどこからともなく聞こえた。乗れ。過去、現在、未来へ、馬と人類の歴史を語り直す壮大な叙事詩!

 
【関連】
野間文芸賞 : 講談社
野間文芸新人賞 : 講談社
野間児童文芸賞 : 講談社
野間出版文化賞 : 講談社

 


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