花村萬月さん〈リアルな“戦争”小説〉『槇ノ原戦記』が刊行 後日譚『夜半獣』も発売中
作家・花村萬月さんの新作長篇小説『槇ノ原戦記』が徳間書店より刊行されました。
数多の文学賞を受賞し、多くの小説家に影響を及ぼす日本文学界の異端児が戦時下の極限状況を活写する!
【あらすじ】
これが戦争だ。
今、世界で何が起きているのか。
太平洋戦争。
寒村で起きた悲喜劇。
靜と綾。上槇ノ原で生まれた双子の姉妹には不思議な力が宿っていた。
天才的な頭脳と統率力を持つ靜。絶対に死なない綾。
そんな二人が成長したとき、太平洋戦争が勃発する。
食料が枯渇した村は強烈な飢えに襲われ、打開策として靜がとった行動は、長年対立してきた下槇ノ原への襲撃だった。
戦火の中、二人が人々を導く先は天国か地獄か――。
<担当編集者コメント>
第二次世界大戦下の寒村が舞台となっている『槇ノ原戦記』。
死ねない、力を持つ者を惹きつける能力、発光する人(!)など、特殊な力が出てくるエンターテインメントでありながら、飢え、苦しみと虚無感など、描かれているのは紛れもないリアルな戦争です。
作中、この現実に辛くなることもあるかもしれません。
しかし読後に与えられる「愛」がこれほどまでに豊かな戦争小説はない。
槇ノ原戦記のその後として描かれている前作『夜半獣』とともにお愉しみいただけましたら嬉しいです。
『槇ノ原戦記』の後日譚『夜半獣』について
【あらすじ】
血と暴力と愛の郷
上槇ノ原へようこそ!
気付けば無人の車両に乗っていて、わけもわからず上槇ノ原へとたどり着いた省悟。癖のあるどこか愛くるしい住民達と共に生活をするうち、省悟は郷にとってなくてはならない存在となった。
ある日、省悟は上槇ノ原と下槇ノ原の抗争に巻き込まれてしまう。
古より続く上下抗争だった。
そんななか省悟は「夜半獣」として圧倒的な力を得ると共に、村民から敬われる存在となり……。
夢か現か、異世界での戦争が始まった。
著者プロフィール
著者の花村萬月(はなむら・まんげつ)さんは、1955年生まれ、東京都出身。1989年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。
1998年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。
その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』、「武蔵」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『対になる人』『ハイドロサルファイト・コンク』『姫』など。
槇ノ原戦記 花村萬月 (著) 靜と綾。上槇ノ原で生まれた双子の姉妹は人智の及ばぬ力を持つ。戦火の中、二人が人々を導く先は、天国か地獄か――。 |
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