本のページ

SINCE 1991

懐かしくて新しい〈永遠の名作〉を読み返そう!『教科書で出会った名作小説一〇〇』が刊行

こころ、山月記、走れメロス、ごんぎつね…小学校、中学校、高校の国語教科書の定番作品を100作選出し、冒頭を掲載するとともに、早稲田大学教育学部教授・石原千秋さんによる「読みのポイント」を全作に付した『教科書で出会った名作小説一〇〇』が新潮文庫より刊行されました。

 

なぜ時代を超えて読まれ続けるのか、私たちの心に何をもたらしたのか――慣れ親しんだ物語も、忘れていた物語も、いま読むと懐かしくて新しく、心に沁みる!

新潮文庫では、2014年に「新潮ことばの扉」というシリーズを立ち上げ、『新潮ことばの扉 教科書で出会った名詩一〇〇』を第一作目として刊行しました。その後も、『新潮ことばの扉 教科書で出会った名句・名歌三〇〇』『新潮ことばの扉 教科書で出会った古文・漢文一〇〇』と続き、今回シリーズ最終巻となる『新潮ことばの扉 教科書で出会った名作小説一〇〇』が完成しました。

 
「こころ」「山月記」「走れメロス」「ごんぎつね」など、1950年代から2010年代までの小学校・中学校・高校の国語教科書に収録された作品のなかから100作を選び、冒頭の400字ほどを掲載しています。

書き出しを読むだけでも作品の手ざわりや教室で読んだときの気持ちが思った以上に蘇ってくるのが不思議です。学生の頃に触れた物語はそれだけ心の奥深くに根付いているのだと感じます。

 
また、早稲田大学教育学部教授・近代日本文学の研究者である石原千秋さんが全作について「読みのポイント」を執筆。作品のテーマや背景、時代の移り変わりによる読まれ方の変化などについて解説しています。

 
『波』4月号では元国語教師の岡崎武志さんが「これが読解を手助けするとともに、現代に生きる作品として読み直しを図っている点が素晴らしい」と絶賛しています。

 
<内容紹介>

「私(わたくし)はその人を常に先生と呼んでいた。」「メロスは激怒した。」「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」。国語の教科書で出会った名作は、心の奥深くに息づいています。書き出しを読めばそのリズムが蘇り、教室で感じた驚きや感動をふたたび味わうことができるでしょう。100作すべてに「読みのポイント」を添え、文学を深く、豊かに楽しめるガイドブックに。朝の読書や読書感想文の本選びにも最適です。

 
【収録作品一覧】

山月記/羅生門/こころ/舞姫/走れメロス/故郷/ごんぎつね/たけくらべ/山椒大夫/富嶽百景/トロッコ/あいびき/三四郎/屋根の上のサワン/武蔵野/大造じいさんとガン/最後の授業/おおきなかぶ/檸檬/吾輩は猫である/坊っちゃん/山椒魚/伊豆の踊子/鼻/生れ出づる悩み/一つの花/高瀬舟/黒い雨/少年の日の思い出/赤い繭/寒山拾得/俘虜記/夜明け前/セメント樽の中の手紙/蠅/信号/それから/レ・ミゼラブル/杜子春/川とノリオ/春の日のかげり/花いっぱいになぁれ/野火/津軽/注文の多い料理店/夏の花/浄瑠璃寺の春/オツベルと象/はだかの王さま/五重塔/ナイン/沈黙/なめとこ山の熊/浦島太郎/最後のひと葉/つり橋わたれ/バッタと鈴虫/モチモチの木/浮雲/ジュール伯父さん/一房の葡萄/旅愁/兄弟/帰郷/闇の絵巻/忘れえぬ人々/くるみ割り/赤いろうそく/最後の一句/鞄/金色夜叉/城のある町にて/ひばりの子/くじらぐも/辛夷の花/投網/田舎教師/前身/スーホの白い馬/恩讐の彼方に/とんかつ/アルプスの少女ハイジ/自転車/ヒロシマの歌/石段/高野聖/岳物語/パニック/雨傘/神馬/火垂るの墓/洟をたらした神/みどりのゆび/岩尾根にて/少年/キャラメル工場から/戦争と平和/花の精/プラネタリウム/星の王子さま

 

著者プロフィール

石原千秋(いしはら・ちあき)さんは、1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学文芸学部教授を経て、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。日本近代文学専攻。現代思想を武器に文学テキストを分析、時代状況ともリンクさせた“読み”を提出し注目される。

著書に『秘伝 中学入試国語読解法』『学生と読む『三四郎』』『秘伝 大学受験の国語力』『漱石はどう読まれてきたか』(以上、新潮選書)、『近代という教養――文学が背負った課題』(筑摩選書)、『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』(河出ブックス)などがある。

 

新潮ことばの扉 教科書で出会った名作小説一〇〇 (新潮文庫)
石原 千秋 (編集)

こころ、走れメロス、山月記、ごんぎつね……。
懐かしくて新しい〈永遠の名作〉を今こそ読み返そう。
全100作に「読みのポイント」がついて、文学をもっと深く豊かに楽しめる。
朝の読書や読書感想文の本選びにも最適です。

「私はその人を常に先生と呼んでいた。」
「メロスは激怒した。」
「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」

国語の教科書で出会った名作は、心の奥深くに息づいています。書き出しを読めばそのリズムが蘇り、教室で感じた驚きや感動をふたたび味わうことができるでしょう。100作すべてに「読みのポイント」がついて、文学を深く、豊かに楽しめるガイドブックです。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です