高知東生さん初小説『土竜(もぐら)』が刊行
高知東生さんの初小説集『土竜(もぐら)』が光文社より刊行されました。帯には、直木賞作家・重松清さんから推薦文が寄せられています。
高知東生の凄絶なる初小説『土竜』
『小説宝石』掲載時から、さまざまな読書人を唸らせてきた独特の世界観、底なしの寂しさを切々と綴る圧倒的筆致に、「本当に高知東生が書いたのか!?」と文芸界でも話題となっていた高知東生さんの短編小説がこの度まとまり、単行本化されました。
高知さんのひた隠されてきた生い立ちと半生を切り取り、物語というかたちで描き切った、覚悟の自伝的小説集です。
【本の帯には、重松清さんよりコメント】
このようにしか生きられなかった男と女の、哀しさと愚かさと愛おしさが胸に迫る。
すべてを曝け出す覚悟と、さらけ出したことに甘えない覚悟とを胸に刻んだ人
――すなわち「作家」の、始まりの一冊なのだ。
重松清
<著者の言葉>
「土竜」というタイトルが浮かんだ。生涯土の中に埋めておこうと思った話がひょっこり顔を出した。恥だと思って隠し続けてきた心の内を小説という形で表現できた。土竜なりに一生懸命生きてきたなと思う。
----高知東生
『土竜(もぐら)』執筆の経緯&作品のあらすじ
【経緯】
2016年6月、高知東生さんは愛人とホテルにいるところを覚醒剤と大麻の取締法違反の容疑で逮捕された。懲役2年、執行猶予4年の判決後には、女優との離婚、芸能界からの追放、友人知人も離れていき、何度も死のうと自暴自棄となった。
そんな中、ひそかにTwitterを発信する。どん底まで堕ち、それでも誠実に生き直そうともがく彼の語り口に、フォロワーたちが魅了されていく。母親の自死に触れたtweetには、16、2万ものいいねがついた。腹をくくりすべてをさらけ出す彼の姿勢は、たくさんの人の生きる力となっている。そして、2020年9月に執行猶予が明け、自身と向き合いながら小説を書き始めることになる。
【あらすじ】
侠客の父と、ネグレクトの果てに自死した母。17歳で天涯孤独となった彼は、喧嘩と女に明け暮れ、全財産6万円を握りしめ上京する。そして、薬物に溺れ逮捕された――。
昭和の高知を舞台に、どん底まで堕ちていく男のやるせない人生と、彼を巡る人間たちに光をあてる、絶望と再生の物語。壮絶な過去と向き合いすべてをさらけ出した、自伝的小説集。読書人を唸らせた唯一無二の世界がここに。
著者プロフィール
著者の高知東生(たかち・のぼる)さんは、1964年生まれ、高知県出身。1993年芸能界デビューし、俳優として、大河ドラマ「元禄繚乱」、映画「新仁義なき戦い」などドラマや映画で活躍。2016年覚醒剤と大麻の所持容疑で逮捕。現在は、俳優復帰を果たしたほか、依存症の啓発や人が再起していく様子を描く「リカバリーカルチャー」を広める活動を行っている。
著作に『生き直す 私は一人ではない』がある。
【活動】
◎メンタルケアについて語る動画配信
YouTube「たかりこチャンネル」@taka-rico
◎自身と向き合い日々をつぶやくTwitter @noborutakachi
◎雑誌「一個人」冬号(12月28日発売)から連載エッセイスタート
◎「全国ギャンブル依存症家族の会」講演活動(https://gdfam.org/)
土竜 高知東生 (著) |
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