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【HRアワード2022】「書籍部門」は石山恒貴さん&伊達洋駆さん『越境学習入門』が最優秀賞を受賞 「人材開発・育成部門」優秀賞にオトバンク「audiobook.jp 法人版」

【HRアワード2022】「書籍部門」は石山恒貴さん&伊達洋駆さん『越境学習入門』が最優秀賞を受賞

【HRアワード2022】「書籍部門」は石山恒貴さん&伊達洋駆さん『越境学習入門』が最優秀賞を受賞

人と組織の成長を促す取り組みを表彰する日本の人事部「HRアワード2022」(主催:日本の人事部「HRアワード」運営委員会、後援:厚生労働省)が最優秀賞・優秀賞13件を発表しました。

 

『越境学習入門』が「HRアワード2022」書籍部門 最優秀賞を受賞!

「HRアワード」は、人・組織に関わる領域において、企業や個人の成長を促す取り組みに着目し、HRパーソンに広く伝えることで、HRを通じた全国の企業の発展を目指す表彰制度です。公正な運営方法と、会員参加型の納得感ある選考過程から、透明性が高く、HR関連で最も権威ある賞として信頼されている制度で、本年で11回目を迎えました。「企業人事部門」、「書籍部門」、「プロフェッショナル部門」の3部門が設けられています。

書籍部門には388件がエントリーし、一次選考では12件が入賞しました。さらに、全国24万人のHRパーソンによる投票および選考委員会による最終選考を経て、2022年のHRを代表する事例として、『越境学習入門』が書籍部門の最優秀賞に選出されました。

 
なお、「HRアワード2022」の書籍部門での受賞作品は次の通りです。

 
<「HRアワード2022」書籍部門 受賞作品>

■最優秀賞

石山恒貴さん・伊達洋駆さん『越境学習入門 組織を強くする冒険人材の育て方』(日本能率協会マネジメントセンター)

 
■優秀賞

◎濱口桂一郎さん『ジョブ型雇用社会とは何か――正社員体制の矛盾と転機』(岩波書店)

◎Kate Murphyさん『LISTEN ――知性豊かで創造力がある人になれる』(訳:松丸さとみさん、監訳:篠田真貴子さん/日経BP)

 

「書籍部門」最優秀賞受賞者 プロフィール&コメント

 
■石山恒貴(いしやま・のぶたか)さん [法政大学大学院政策創造研究科 教授]

一橋大学社会学部卒業、産業能率大学大学院経営情報学研究科修士課程修了、法政大学大学院政策創造研究科博士後期課程修了、博士(政策学)。NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事、人事実践科学会議共同代表、一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会顧問、NPO法人二枚目の名刺共同研究パートナー、フリーランス協会アドバイザリーボード、専門社会調査士等。

主な著書:『日本企業のタレントマネジメント』中央経済社、『地域とゆるくつながろう!』静岡新聞社(編著)、『越境的学習のメカニズム』福村出版、『パラレルキャリアを始めよう!』ダイヤモンド社、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)ダイヤモンド社、Mechanisms of Cross-Boundary Learning Communities of Practice and Job Crafting, (共著)Cambridge Scholars Publishing.
主な論文:Role of knowledge brokers in communities of practice in Japan, Journal of Knowledge Management, Vol.20,No.6,2016.
主な受賞:経営行動科学学会優秀研究賞(JAASアワード)(2020)、人材育成学会論文賞(2018)等

<受賞コメント>

この度は、栄えある賞をいただき誠にありがとうございます。受賞の知らせをいただいた際には、身に余る光栄と感じるとともに、越境学習に関わるすべての方々へのエールだと感じて、とても感激し嬉しく思いました。本書のきっかけは、経済産業省のプロジェクトで、越境学習の効果測定をおこなったことにあります。そのプロジェクトにおいては、越境学習事業者、越境学習者本人、越境学習の受け入れ先など、多くの方々のご協力のもと、研究チームが一丸となり、調査を進めていきました。 また本書が世に出てからは、主体的に学びを進めているが、所属組織の理解を得られないと悩んでいた方々から、「自分たちが経験していたことが越境学習だったと気がつき、今後の新たな道を切り拓くことができた」という嬉しい反響をいただきました。

私自身は10年ほど前から、コツコツと越境学習の研究を進めて参りましたが、こんなに多くの方々が関心を寄せる概念になるとは夢にも思いませんでした。越境学習を実践することで、現在進行形で苦悩と葛藤のただなかにいる方にとっても、この受賞が葛藤を乗り越えて喜びへと変わる、大きな原動力となってくれることを確信しております。本書の編集チームが投じた一石はさざ波のようなものだと思いますが、この越境学習へのエールがさらに大きなうねりになることを心から願う次第です。

 
■伊達洋駆(だて・ようく)さん [株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役]

神戸大学大学院経営学研究科 博士前期課程修了。修士(経営学)。
2009年にLLPビジネスリサーチラボ、2011年に株式会社ビジネスリサーチラボを創業。以降、組織・人事領域を中心に、民間企業を対象にした調査・コンサルティング事業を展開。研究知と実践知の両方を活用した「アカデミックリサーチ」をコンセプトに、組織サーベイや人事データ分析のサービスを提供している。

主な著書:『オンライン採用』(JMAM)、『採用力検定公式テキスト』(共著、JMAM)、『組織論と行動科学から見た人と組織のマネジメントバイアス』(共著、ソシム)、近刊に『現場でよくある課題への処方箋 人と組織の行動科学』(すばる舎)。

<受賞コメント>

この度は名誉ある賞をいただき、大変嬉しく思います。『越境学習入門』の制作に関わっていただいた方々、そして、本書を手に取っていただいた方々に、心よりお礼申し上げます。

本書を制作する過程では、編集チームの中で「越境学習の『核』とは何だろうか」を繰り返し検討しました。最終的には、「葛藤」というキーワードと「冒険」というメタファーに、その核を見出すに至りました。越境学習は、私たちが当然視しているものを浮き彫りにし、より良いものにしていこうとすることを含みます。それは大変でありながら楽しく、苦しさと同時に心地よさがあり、個人にとっても組織にとっても有意義な学びです。葛藤を味わう冒険としての越境学習。その魅力と可能性を感じていただける本になったとすれば幸甚です。越境学習を実践する方がさらに増えることを祈っています。

 

「プロフェッショナル部門」人材開発・育成部門で、オトバンクの法人向けオーディオブック聴き放題プラン「audiobook.jp 法人版」が優秀賞を受賞!

プロフェッショナル部門では、企業人事部に採用・人材開発・労務管理などHR領域での変革や生産性の向上を実現する、優れたサービスを提供したと認定されるHRソリューション企業が選出・表彰されます。

同部門は「人材開発・育成部門」「組織変革・開発部門」「人材採用・雇用部門」「人事労務管理部門」で構成されており、今回「人材開発・育成部門」で株式会社オトバンクの法人向けオーディオブック聴き放題プラン「audiobook.jp 法人版」が優秀賞を受賞しました。

 
「audiobook.jp 法人版」は、ビジネス書を中心に15,000冊以上の書籍を全て音声で聴くことができます。通勤中や家事中、就寝前など、耳さえ空いていれば「ながら読書」ができるため、学習のハードルがグッと下がります。また、日々PCやスマートフォンで酷使している目に負荷をかけず、倍速再生で効率的にインプットできます。経営・人事側はもちろん、ビジネススキル向上のために読書したいがその時間を確保できないという従業員にも好評で、提供開始9カ月で70社以上の企業に導入されています。

★audiobook.jp 法人版の詳細:https://pages.audiobook.jp/business/

 
<オトバンク代表取締役会長・上田渉さん コメント>

この度の受賞を大変嬉しく思います。
当社は日本最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」を運営しております。創業の背景には緑内障で失明し本が読めなくなった祖父の存在があります。「耳でも当たり前に本を楽しめる世の中にしたい」という思いから2004年に当社を立ち上げました。
現在、「教養をつけたい」「仕事のための学習」などを目的に、オーディオブックを利用する方が増えており、2022年6月には「audiobook.jp」の会員数が250万人を突破。多くのお客さまにご利用いただいております。
そして今年1月末、日本で初めての法人向け聴き放題サービス「audiobook.jp 法人版」をリリースしました(※自社調べ/国内オーディオブックサービス提供企業において)。導入企業の皆さまからは、「オーディオブックで毎月20冊以上聴く社員が出てきた」や「社員間でのコミュニケーションが増えた」という声も寄せられています。コロナ禍でリモートワークが増え、目を酷使している時代だからこそ、耳のスキマ時間を使って効率的に学びをインプットできることをご評価いただき、導入企業はすでに70社を超えました。
今後も音声学習で、皆さまの組織の人材育成に貢献できるよう、尽力してまいります。

 

日本の人事部「HRアワード」とは

日本の人事部「HRアワード」は、人・組織に関わる領域において、企業や個人の成長を促す取り組みに着目し、HRパーソンに広く伝えることで、HRを通じた全国の企業の発展を目指す表彰制度です。

最優秀賞・優秀賞は、全国24万人のHRパーソンによる投票で決定。選考委員会による承認を経て、各賞が正式に贈呈されます。公正な運営方法と、会員参加型の納得感ある選考過程から、透明性が高く、HR関連で最も権威ある賞として多くの方々に信頼され、本年で第11回を迎えました。

選考委員は、守島基博さん(学習院大学 経済学部経営学科 教授、一橋大学 名誉教授/選考委員長)、坂東眞理子さん(昭和女子大学 理事長・総長)、水田正道さん(一般社団法人 人材サービス産業協議会 前理事長/ パーソルホールディングス株式会社 取締役会長)、宮城まり子さん(キャリア心理学研究所 代表/臨床心理士)、八木洋介さん(株式会社people first 代表取締役/株式会社ICMG 取締役)、
『日本の人事部』編集部。
 
【各賞の構成】

<企業人事部門>
最優秀賞/優秀賞/最優秀個人賞

<書籍部門>
最優秀賞/優秀賞

<プロフェッショナル部門>
◎人材開発・育成部門:最優秀賞/優秀賞
◎組織変革・開発部門:最優秀賞/優秀賞
◎人材採用・雇用部門:最優秀賞/優秀賞
◎人事労務管理部門:最優秀賞/優秀賞

 
【選考基準】

◎明確且つ一貫性のある、戦略や方針を描けていること
◎人と組織の可能性を広げ、企業や個人の成長を促していること
◎社会や市場に影響を与える新規性、独創性を有していること
◎将来にわたって継続性や拡大性を期待できること

 

越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方
石山 恒貴 (著), 伊達洋駆 (著)

越境学習とは 〝冒険者〞を育てる学習のメカニズムである

日本企業にはイノベーションが足りない、と言われるようになって久しい。
足りないイノベーションを求め、多くの企業で毎日のように会議が行われている。
だが、足りないのは、イノベーションではなく、〝冒険〞なのではないだろうか。
「冒険だなんて、中二病じゃあるまいし…」と笑わずに聞いてほしい。

未知なる領域に足を入れ、思いもよらないような出会いをしたり、
これまでの常識が通じない世界で、自分の意外な能力に目覚めたり、
仲間と共に困難を乗り越える経験を通して、新たな智恵を授かったり、
広い世界を知ることで、自らの新たな使命に気づいたりする〝冒険〞。
トラブルに巻き込まれて道に迷ったり、
リスクを取って挑戦してみたものの、大失敗したり、
想定外のことばかり起きる〝冒険〞。
苦い現実と格闘し、泥沼を夢中で進んでいった先に見える新しい世界、新しい道、
新しい自分、なにか新しいものを手に入れる〝冒険〟。
ドキドキハラハラする…からこそ、ワクワクする〝冒険〟

日本企業に足りないのは、そんな〝冒険〟であり、
冒険する力を備えた〝冒険者たち〟ではないか。
そして、境界を超え、冒険に身を投じる力、冒険を楽しむ力、冒険し続ける力を持った冒険者たちを育てるプロセスこそ越境学習なのではないか。
それが、働く人たちを対象とした越境学習の研究を通して、我々が見出した仮説だ。

本書は、企業がどうすれば〝冒険者たち〟を育て、その力を企業が前進する力にできるのかを、企業における越境学習の研究を通して著したものである。
ただし、〝冒険者たち〟と共に進む道は、これまで歩んできた道から外れ、行く先も分からない道なき道になる…かもしれない。
そんな〝冒険者たち〟と共に自らも〝冒険者〟となる覚悟のある方にこそ、この『越境学習入門』を勧めたい。
 
越境学習の世界へようこそ

越境学習とは、個人にとって居心地のよい慣れた場所であるホームと、居心地が悪く慣れない場所だがその分刺激に満ちているアウェイとを往還する(行き来する)ことによる学びです。越境学習者は、アウェイで違和感を抱き、葛藤や無力感、もどかしさを味わいますが、それを乗り越えた結果、前提を疑い、不確実な状態に耐えられようになります。
つまり、越境学習とは冒険者を育てる学習のメカニズムなのです。
近年では、越境学習に多くの企業が注目していますが、そのプロセス、全体像は明らかになっていませんでした。
本書は、多くの越境学習者への詳細な調査に基づき、その全体像を解説し、企業と個人が越境学習を開始・実践する方法を詳細に提案します。

ジョブ型雇用社会とは何か: 正社員体制の矛盾と転機 (岩波新書)
濱口 桂一郎 (著)

前著『新しい労働社会』から12年。同書が提示した「ジョブ型」という概念は広く使われるに至ったが、今や似ても似つかぬジョブ型論がはびこっている。ジョブ型とは何であるかを基礎の基礎から解説した上で、ジョブ型とメンバーシップ型の対比を用いて日本の労働問題の各論を考察。隠された真実を明らかにして、この分析枠組の切れ味を示す。

LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる
ケイト・マーフィ (著), 篠田 真貴子(監訳), 松丸 さとみ (翻訳)

★自分の視野を超えた知識が持て、一生の友人をつくり、孤独ではなくなる、ただひとつの方法★

・つまらないギャグを言う人は、大抵人の話を聞いていない
・友情を深めるいちばんの方法は、「いつもの会話」
・みんな「自分には先入観がない」と思いがち
・つじつまが合わない会話をそのままにしておくとだまされる
・なぜあの人は「空気が読めない」のか
・「自分とは違う」グループに、人は「恐怖」を抱いている
・「アドバイス」をしだす人は、きちんと相手の話を聞いていない
・「だれかの悪いうわさ」を聞くと、自己肯定感があがる
・その人の話を聴くと苦しくなる人は有害な人

本当に優秀な人は聞く能力が異様に高い
「自分の話をしっかり聞いてもらえた」体験を思い出してみてください。それはいつでしたか? 聞いてくれた人は誰だったでしょうか? 意外に少ないのではないかと思います。
他人の話は、「面倒で退屈なもの」です。どうでもいい話をする人や、たくさんしゃべる人などいますよね。考えただけでも面倒です。その点、スマホで見られるSNSや情報は、どれだけ時間をかけるか自分で決められるし、面白くないものや嫌なものは、無視や削除ができます。しかし、それがどれほど大事でしょうか。
話を聞くということは、自分では考えつかない新しい知識を連れてきます。また、他人の考え方や見方を、丸ごと定着させもします。話をじっくり聞ける人間はもちろん信頼され、友情や愛情など、特別な関係を育みます。「自分の話をしっかり聞いてくれた」ら、自分の中でも思いもよらなかった考えが出てくるかもしれません。どんな会話も、我慢という技術は必要です。しかし、それを知っておくだけで、人生は驚くほど実り豊かになります。

 
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