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小川哲さんが「競技クイズ」を題材に書き上げたエンターテインメント小説『君のクイズ』が刊行

小川哲さん著『君のクイズ』

小川哲さん著『君のクイズ』

作家・小川哲さんが「競技クイズ」を題材に書き上げた、直球のエンターテインメント小説『君のクイズ』が朝日新聞出版より刊行されました。

 

伊坂幸太郎さんや佐久間宣行さんも賞賛する噂のクイズ小説がついに発売!

『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』……1作ごとに評価を高める作家・小川哲さんによる新作小説『君のクイズ』。クイズ大会で“僕”の対戦相手が不可解な正答を遂げた謎の真相を追うこの物語について、『小説TRIPPER』22年夏季号に一挙掲載されて以来、読了された方による驚きと興奮の輪が広がっています。

各紙誌の文芸時評、『ミステリマガジン』での作家・斜線堂有紀さんによる紹介、ミステリ評論家・千街晶之さんと書評家・杉江松恋さんによる小説紹介YouTube「千街・杉江の「短いのが好き」」や、TwitterをはじめとするSNSなどで、文学/エンタメ/小説/クイズといったジャンルや界隈を横断して、「面白かった!」「すごい!」と絶賛の声が寄せられています。

 
《白い光の中にいた。下半身の感覚がなくて、宙に浮いているような気分だった。きっと長時間の生放送で緊張と緩和を繰り返してきたからだろう。緊張と緩和。お笑い芸人の間で「笑いの基本」として挙げられる、「緊張の緩和」という落語理論を提唱した、上方落語界を代表する落語家は――僕は脳内で早押しボタンを押して、「桂枝雀」と答える。僕はよく、思考がクイズに向かってしまう。真剣に考えごとをしていたはずなのに、いつの間にかクイズを解いていた、そんな経験もよくある。
顔をあげて周囲を見渡す。テレビ用の照明が眩しくて、スタジオにいた百人の観覧者の顔は見えなかった。隣に立っている対戦相手の本庄絆の横顔を見る。まっすぐ伸びた鼻筋に汗の粒が浮かんでいる。僕は目を閉じる。本庄絆の気配が消えてなくなる。番組のMCを務めるお笑い芸人と女優も、観覧席にいるはずの両親と兄も、生放送のテレビを見ている数多くの友人も、世界のどこにもいない。僕はただ真っ白な光の中にいて、目の前にはクイズだけが存在している。何年かに一度、こういう状態になることがある。スポーツ選手における「ゾーン」みたいなものなのかもしれない。「打撃の神様」の異名を持ち、「ボールが止まって見える」の名言でもお馴染みの、読売巨人軍の選手、監督だった人物は――川上哲治。
クイズが止まって見える。そんな言葉を口にしたくなるくらい、頭が回っていた。》
(――本作冒頭より)

と、扉をめくるといきなりクイズの試合の中へ放り込まれ、そこからは競技クイズプレイヤーの思考と世界に没入できるまったく新しい読書体験が始まります。

 
<小川哲『君のクイズ』に熱い応援メッセージ続々!>

作家・伊坂幸太郎さん「面白すぎる!!」
テレビプロデューサー・佐久間宣行さん「一度本を開いたらもう終わりだ」

★「伊坂幸太郎、佐久間宣行、新川帆立、山上大喜…小川哲『君のクイズ』に推薦の声、続々! 『ゲームの王国』『地図と拳』の鬼才が次に放つ、一気読み必至の超エンターテインメント小説」:https://note.com/asahi_books/n/n029f5868f4dc

★「書店員さんから続々感想が!小川哲『君のクイズ』ついに発売」:https://note.com/asahi_books/n/n54f5155ec707

 
【本書のあらすじ】

TV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場した25歳の”僕”三島玲央は、対戦相手・本庄絆がまだ一文字も問題が読まれぬうちにボタンを押し、正解し、優勝を果たすという不可解な事態を訝しむ。一体彼はなぜ正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの過去の記憶も掘り起こすことになり――。
読めばクイズプレイヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生の懐かしい瞬間が蘇る。そして読後あなたの「知る」は更新される! 
一気読み必至の卓抜したミステリーにして、知的興奮に満ちたエンターテインメント青春小説。

 

著者・小川哲さんからの直筆メッセージ

 

著者プロフィール

著者の小川哲(おがわ・さとし)さんは、1986年生まれ、千葉県出身。東京大学教養学部卒業、同大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年『ユートロニカのこちら側』でハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビューする。

2017年、第2長編『ゲームの王国』で日本SF大賞、山本周五郎賞を受賞。他の著書に、短編集『嘘と正典』、第3長編『地図と拳』がある。

 

君のクイズ
小川 哲 (著)

面白すぎる!! 驚くべき謎を解くミステリーとしても最高だし、こんなに興奮する小説に出会ったのも久しぶり。頼まれてもいないのに「推薦コメントを書かせて!」とお願いしてしまいました。小川哲さん、ほんとすごいな。 ――伊坂幸太郎氏 一度本を開いたらもう終わりだ。面白すぎてそのまま読み切ってしまった。 熱くて、ワクワクして、予想もつかない感動が襲ってくる。 ミステリーでも、バトルものでも、人生ドラマでもある。 でもそれだけじゃない。ジャンルはたぶん「面白い小説」だ。 ――佐久間宣行氏
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『ゲームの王国』『嘘と正典』『地図と拳』。一作ごとに現代小説の到達点を更新し続ける著者の才気がほとばしる、唯一無二の<クイズ小説>が誕生しました。雑誌掲載時から共同通信や図書新聞の文芸時評等に取り上げられ、またSNSでも盛り上がりを見せる、話題沸騰の一冊です! ストーリー:生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。 読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される!
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!

 
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